見出し画像

THE RAMPAGE 武知海青のプロレスデビュー戦を1.5倍楽しく見るための基礎知識講座

はじめに

※この記事は今年5月に公開した「『それスノ』岩本照のプロレス挑戦企画を1.5倍楽しく見るための基礎知識講座」に加筆・修正を加えたものです。

THE RAMPAGEの武知海青くんが来年2月にプロレスラーデビューを果たす。しかもそれが、推してるDDTプロレスリング(以下、DDT)のリングで。これはもう全力で応援するしかない。

本稿では、LDHのファン、ランペのファン、海青くんのファンが当日の試合をより楽しめるように、プロレスおよびDDTにまつわる基礎知識をまとめました。事前情報をほんの少し頭の隅に入れておくだけで、試合を見るのがもっと楽しくなるのではないかと思います。

色々と書いていますが、目次を見て、気になる部分だけ読んでいただければと思います。


DDTプロレスリングとは?

「DDT」は「サイバーエージェント」の傘下組織「株式会社CyberFight」のいち団体で、所属選手は50名前後、設立は1997年です。プロレス業界内では比較的若い団体で、自称業界3位か4位ですが、新日本プロレス(以下、新日)には観客動員数や売り上げで及びません。

売り上げはさておき、DDTが新日をはじめとした多くのプロレス団体とは一線を画した存在感を放っていることは確かです。なぜなら、よりエンターテインメント性の高い試合が評判を呼んでいるからです。

きぐるみのキャラクターや透明人間を相手に試合をしたり、時にはリングを飛び出して路上で試合をする「路上プロレス」を行ったりと、破天荒で独創的な試合に挑戦しています。もちろん真剣勝負の試合もあるので、とにかく振り幅の広い団体です。

エンターテインメント性の高さゆえか、バラエティ番組やテレビドラマへの協力も多く、近年ではドラマ『俺の家の話』(長瀬智也主演、TBS系)や『覆面D』(関口メンディー主演、ABEMA)のプロレスシーン監修+選手の出演も行いました。冒頭に書いた『それSnow Manにやらせて下さい』(TBS)の岩本照くんプロレス挑戦企画でも全面協力しています。

ちなみにDDTは「ドラマティック・ドリーム・チーム」の略です。「ラブ、ドリーム、ハピネス」に通ずるものがあるのは言わずもがなですね。

プロレスのルール

プロレスの試合では、相手の肩をマット(床)に3秒間(3カウント)押さえつけると勝ちとなります。また、10カウント以内に立ち上がれなくなった場合はKO負け、20カウント以上リングの外に出ている場合はリングアウト負けとなります。試合によってはルールをアレンジすることがありますが、反則行為がレフェリー(審判)に見つかると負けとなります。反則行為には凶器の使用、急所への攻撃、喉をしめること、噛みつくなどがあります。ただし、レフェリーが見ていない場合は反則とはされません。

プロレスの試合形式

1対1で戦うことを「シングルマッチ」、2対2で戦うことを「タッグマッチ」と呼びます。そのほか3対3や4対4、もしくは1対1対1など、さまざまな形式のものがあります。

海青くんがどのような試合形式で戦うかはまだ発表されていませんが、Snow Man岩本くんしかりフワちゃんしかり、過去の芸能人のプロレス挑戦を見ていると「2対2」や「3対3」などが多いように思います。今回も武知くんはDDTの選手と組んで、複数人の試合になるのではないかと推測します。

プロレスって痛いの?

痛いです。私はプロレスを習ったことも、体験したこともありませんが、いくら体を鍛えているとはいえ、張り手で胸や顔を叩かれれば誰でも痛いものです。チョップを受けすぎて、胸が鬱血したり、軽く裂けたりする選手もいます。だから武知くんは本当にすごい挑戦をするんです。応援するしかないんです。

プロレスってケガしないの?

今年、レジェンドレスラーの武藤敬司選手が現役を引退しました。その理由は、長年試合を続ける中で膝へのダメージが蓄積して、ついに限界を迎えたからです。

プロレスラーのケガで一番多いのは、長年の試合によるダメージの蓄積なのではないかと思います。

もちろん、試合中にケガをすることも稀にあります。でもプロレスでは基本的に「ケガをしたりケガをさせたりするのはNG」とされています(注:体を切り刻み血を流しながら戦うデスマッチ、ハードコアマッチという試合形式は別に存在します)

どんなに激しく顔を蹴られ、頭を打ち付けても、たんこぶひとつ作らない。それがプロフェッショナルレスリングなのです。

ボクシングや総合格闘技だと、顔が腫れ上がったり、目の上を切って流血することが結構ありますが、プロレスではあまり見られない光景です。

ただ、まったく無いとは言えず、捻挫や肉離れ、脳震盪や骨折などのケガをして試合に出られなくなる選手もたまにはいます。試合中に頭から血を流すようなこともたま〜にありますが、私がDDTの試合を見ている中では顔が傷ついたり、鼻血を出したり、大ケガをして担架で運ばれるといったシーンは見たことがないです。

ケガをしないために大事になるのが「受け身」だそうです。武知くんもそこをしっかり押さえて練習するはずです。

なぜプロレスで受け身が重要視されるか、くわしくは次のトピックスで説明します。

プロレスの大原則は「技を受ける」こと

プロレスの大原則として「相手の技をちゃんと受けなくてはいけない」というものがあります。これがボクシングや総合格闘技との明確な違いです。

例えばボクシングでは、相手のパンチを受けないように避けたりかわしたりして、ダメージを最小限におさえながら攻撃していきます。一方プロレスでは相手の技を避けたりせずにしっかり受けて、自分も技を繰り出す。それを繰り返すことで互いに削り合い、最終的に相手の肩を3秒マットにつけたほうが勝ちとなります。

技を受けてもダメージをくらわないようにするためには、「受け身」が重要になります。受け身の訓練をして、相手の技を上手に受けられるようになることが良いレスラーになる第一歩ともいえます。

もちろん武知くんも、対戦相手の技を真正面からもろに受けることになるでしょう。それがプロレスだから。ファンから見れば少し心配になるようなシーンもあるかもしれないけれど、技を出すほうも受けるほうも練習を重ね「ケガをさせない・しない」を前提に行なっているので、そこは安心して見てほしいです。

そして、武知くんが大技を受け切った際には、大きな歓声と拍手を送りたいし、送ってほしいと思います。

プロレスって"ヤラセ"なの?

私はまだ1年ちょっとくらいしかプロレスを見ていないのですが、「よくわからない」というのが正直なところです。ただ「ヤラセ」という言い方がまったくそぐわないということだけは断言できます。

世界最大規模のプロレス団体「WWE」を題材にした『ビヨンド・ザ・マット』(1999年)という映画があります。現在はハリウッドスターとして活躍しているドウェイン・ジョンソンが「ザ・ロック」というリングネームでスターレスラーをしていた頃の作品で、プロレスの舞台裏を赤裸々に描いたドキュメンタリーです。そこでは、本番前に試合の流れを対戦相手と確認し合うザ・ロックの姿が映されています。「俺がこう動いたら、お前がこう動いて…」とまるで舞台稽古のように、段取りを決めていくのです。

この作品のほかにも、プロレスの舞台裏を暴くような著書も多数あることから、一般的には「大まかな試合の流れと勝敗だけは決まっているのではないか」といわれています。(でも、このあたりに言及しすぎるのは野暮だとされてます)

ただ、それらが「ヤラセ」という言い方に当てはまるかというと、まったくもってしっくりきません。

稲田豊史さんというライターが書いたプロレスとドキュメンタリー作品についての親和性に関する考察が、プロレスビギナーには非常にわかりやすい内容でした。以下、一部を引用します。

 「虚」か「実」で言えば、アングル※という要素は「虚」に違いない。しかしプロレスラーの強靭な肉体や試合で生じる痛みや危険は、紛れもなく本物だ。つまり「実」である。
その虚と実が絶妙なバランスで拮抗し、かつ虚と実の配合比率が絶対に明かされないことから来るドキドキ感自体が、プロレスの魅力であり、かつドキュメンタリーの魅力でもある。
本連載では一貫して、ドキュメンタリーは虚実皮膜であると主張してきた。虚実皮膜とは近松門左衛門が唱えたと言われている芸術論で、事実と虚構の微妙な境界に芸術が成立するというものだ。

※アングル=プロレスにおける隠語の1つ。試合展開やリング外の抗争などに関して前もって決めらた仕掛け、段取りや筋書きのこと(ウィキペディアより)

「ジャーロ No.87」(光文社)

「虚実皮膜」——この概念が一番プロレスを表すのに近いものなのではないかと、今は思っています。すごく説明が難しいんです。正直、この文章でこのニュアンスが伝わるとは思えない。けれどプロレスの試合を何度か見ていると、感覚的に「ヤラセとは違う」と分かる瞬間があります。

また、稲田氏の考察文には「虚と実の配合比率は、時として被写体(あるいはプロレスラー)自身もわからなくなってしまうらしい」ともあります。

私も試合に勝った選手がボロボロ涙をこぼして喜んでるシーンを見たことがあるし、そこに芝居じみた空気や"お約束""段取り"みたいなものは感じなかったです。

時に虚が実を越え、実が虚を超える。虚実がマーブルを描く“揺らぎ”のような瞬間がプロレスには幾度もあり、そんな場面に立ち会うたびに今まで見た映画や舞台やコンサートでは感じたことのない新鮮な高揚を覚えます。

プロレスは格闘技よりエンターテイメントに近く、特にDDTはその色が強い。むしろ漫画や映画、もしくはアイドルのほうが見応えとしては近いんじゃないかとすら思います。

LDHとプロレスの親和性

少々自分語りしてしまうので、面倒な方は読み飛ばしてください。あれはもう何年前でしょうか。そう、私が『HiGH&LOW THE MOVIE』に頭を殴られ続けていた2016年。

当時の私はプロレスのプの字も知らなかったわけですが、今思えば『HiGH&LOW』が初めてのプロレス体験だったのではないかと思うのです。

主人公のコブラ(演:岩田剛典)はアントニオ猪木を崇拝し、打撃とプロレス技を絡めたファイトスタイルです。そもそも「コブラ」の愛称も「幼少期の喧嘩にてコブラツイストで相手を10人倒したことから」つけられたという設定でした。

ところで、初期の『HiGH&LOW』はHIROさんの自叙伝的な要素を持っていたと思うのです。MUGENが5人体制から7人体制になって…みたいなところとか、要所要所にHIROさんが経験したことだとか、哲学が盛り込まれていましたよね。

その物語の主人公がプロレス愛を持つコブラだったということ。それすなわち、

HIROさんプロレス大好きですよね!?

ということなのですよ。

こんなに強調するまでもなく、HIROさんがプロレス好きということは以下の記事などでも言及されています。(ハイローがプロレスであることも確認できます)

平沼 HIROさんもプロレス大好きなんで、その要素はめちゃくちゃ入ってるんです。コブラなんかまさにそうなんですけど。
ササ ジャーマン・スープレックスしてましたもんね。テレビドラマでは、なかなかやらないですよ、危ないですし。

「日刊サイゾー」2022年9月配信

LDHから、HIROさんが愛したプロレスの世界に挑む者が出る。こんなに喜ばしいことがあるでしょうか。今回の海青くんの挑戦には、きっとHIROさんも喜んでいるんじゃないかなと想像します。

余談ですが私はハイローを観なければ、プロレスにこんなにハマることもなかったと思っています。ハイローの過剰な演出、過剰なアクション、過剰な世界観にどっぷり浸かったせいで、正直“過剰なもの”にしか感動できなくなってしまったんです。薬物。その先に出会ったのがプロレスでした。

プロレスの勝敗について

本題に戻ります。前述した通り、プロレスのルールは「相手の肩をマット(床)に3秒間押さえつけると勝ち」です。しかし、力が強ければ“勝てる”のかというと、そうではないところがプロレスの面白いところ。

プロレスはショーアップされた格闘技なので、“魅せる”ことに重きを置いています。だから、対戦相手だけではなく観客とも戦わなくてはなりません。端的に言えば「観客の感情を扇動することこそがプロレスの命題」なのです。この命題は、それそのままステージで表現するアーティストの命題にも通ずるものがあると思います。

総合格闘技、相撲、K-1、ボクシング等々、一般的な格闘技は基本的に相手を倒す瞬間が一番盛り上がります。そういうシンプルで簡潔な面白さがあります。(もちろん腕力だけでなく“魅せる”技術が必要な部分もありますが)

でもプロレスでは相手を倒す瞬間より、その過程の選手同士の攻防に大きな歓声があがります。

腕力でただ相手を倒すだけでは観客を魅了できないし、勝ち続けたところで人気レスラーになれるわけでもない。つまり、試合に勝つことだけが全てではない世界です。自身の技で魅せながらも、相手の技もしっかり受けることが大事で、さらに試合前の記者会見でも上手く立ち振る舞わなきゃいけないし、試合後のマイクパフォーマンスも気が利いてないと人気が出ない。そしていまどきの人気レスラーは、SNSでの発信も上手い。

フィジカルの強さは絶対に必要だけれど、力が強いだけでは本当の意味で"勝っていけない"のがプロレスです。技術はもちろん、頭の良さやアドリブ力も必要とされます。

裏を返せば、たとえ試合で負けたとしても、その試合の展開が素晴らしいものであれば敗者にもありったけの賞賛が送られ、評価を上げることができる。負け方でも観客を魅了できる。

そうなると団体も「この選手をプッシュしよう」となり、おいしい試合が増え、いずれは団体のトップ=チャンピオンになるための戦いに挑むチャンスがめぐってくる。

たくさん試合をして、“良い負け”を積み重ねることで本当の意味での勝利を手繰り寄せていくのがプロレスなんです。

ちなみに私がプロレスにハマった理由も、美しい負け様を見たからです。負けた男が美しすぎてドボンと沼に落ちました。

<余談>プロレスはキャラクタービジネスである

私もずっとプロレスがよく分かりませんでした。いろいろな誤解もしていました。テレビに出ているレスラーは年配の人が多かったから、若くてかっこいい選手がたくさんいることすら知らなかったし、みんな喋り方が変だな〜とか思っていたし、やっぱり「ヤラセなの?」って思っていました。

そんなときにDDTの社長の著書を読んで、プロレスとは一体なんなのか感覚的に理解することができたんです。曰く、「プロレスラーはキャラクタービジネスだ」というのです。

「演じている」とかじゃなくて、キャラクタービジネス。ディズニーランドやサンリオピューロランドのようなもの。ディズニーランドのキャストに「演じてるの?」とか「ヤラセでしょ?」なんて思わないですよね。

もっといえば、芸能人だってキャラクタービジネスです。事務所のプロデュースと自己演出で、己を偶像として作り上げ生きるのが芸能人です。でも芸能人もプロレスラーも“偶像”だけど“虚像”ではない。己の中に湧き出る感情をダンスや技に込めて戦うという意味では、アーティストとプロレスラーの親和性は高いと感じます。

<余談2>プロレスは「二推し」に最適

私は人生の半分以上をアイドルオタクとして過ごしてきましたが、この1〜2年でいよいよ結構疲れてきていました。SNSの普及やYouTube、サブスクの登場で「ファンが頑張って(再生数を)回さなきゃ!」という場面も増えたし、ファン同士のいざこざもいやでも目に入るようになったし、運営にも文句が止まらない!推し活は楽しいけれど、ストレスにもなっていました。

そんな時に出会ったプロレスは、あまりにストレスフリーでした。

もちろんそれはいわゆる「新規ハイ」であることに違いないですが、ファンも運営もいい感じのゆるさがあり、そこがなんとも心地いい。ぶっちゃけ公式YouTubeもぜんぜん回ってないし、絶対にそれで赤字になっているのに、なんかまあいいかという感じで。それが果たして団体や選手にとって本当にいいことなのかは微妙だけど、ファンとしてはすごい楽です。

会場に行って応援すること、グッズを買うこと、月額制サイトに登録して試合を見ること。ファンとしてやれることがこれくらいなのも、シンプルでいい。

ファン同士のいざこざもあるにはあるんでしょうが、今のところ私はあまり見たことがなく。そもそもファンの分母が少ないから仲間意識のほうが強い気がします。

レスラーはみんな人が良く、謙虚で、ファンサービスも上手。「匂わせだ!」「熱愛だ!」「喫煙してる!」とかそういうのも全然ないです(掲示板とか見ればありそうだけど)。SNSもみなさん上手に使ってます。

また、DDTの選手たちは、リングの設営から自分たちで行なっていて、そこも応援したくなるポイントです。裏方仕事の大変さを選手たちが知っているから、驕ることなく謙虚なのかなと想像します。

頭にタオルを巻いてTシャツ姿でリングを設営し、物販も自分たちでやって、試合もする。その職人のような姿がとてもかっこよくて、尊敬できます。

選手が泥臭く頑張り続けているので、こちらも謙虚な姿勢で応援したいなと思わせてくれます。

ちょっとアイドルとかアーティストだけ見てるのは疲れたな〜という人は、余計なストレスがあまりかからないプロレスを見るという選択肢もアリだと思います。

<最後に>推しの宣伝をさせてください

ここまで読んでいただいて、本当にありがとうございました。

1970年代から80年代にかけて一世風靡したプロレスも、90年代に入るとK-1やPRIDEなどの総合格闘技が台頭し、お客さんもそちらに流れていってしまいました。

今はある程度の復権を果たしたともいわれますが、総合格闘技ほどではないし、新日一強なので他の団体が苦戦を強いられている側面もあります。

私も人に勧められるまで、こんなに面白いエンターテイメントがあるなんて知らなかったんですが、知ってしまったら「なんでもっと見る人が増えないんだろう?」という思いにかられてばかりいます。

だから海青くんのプロレスデビューをきっかけに、少しでもプロレスに興味を持ってくれる人が増えたら嬉しいし、海青くんのファンがDDTの試合を見てくれることに対して本当に感謝の気持ちでいっぱいなんです。

海青くんを見に行くファンの方々は、もちろん海青くんを応援しに行くわけだから、他の試合には興味がわかないかもしれない。

でも、見てほしいんです。ぜんぜん知らない世界を覗くって楽しいことだし、知らない世界を覗くことで、そこに飛び込む推しが100倍輝いてみえるはずだから。ぜひ第一試合から楽しんでください。DDTは最高だから、絶対に後悔はさせません。

ちなみに私の推しは、団体内でThe37KAMIINA(さうなかみーな)というユニットに所属している上野勇希(うえの・ゆうき)選手と竹下幸之介(たけした・こうのすけ)選手です。

竹下くんはサウナカミーナ抜けちゃったんだけどね!泣

2人は大阪出身で同じ高校の同級生です。竹下選手は小さい頃からプロレスラーになるのが夢で、高校生の頃にデビューを果たし、団体史上最年少でチャンピオンにまでのぼりつめました。

上野選手は、高校時代は器械体操をしていて、プロレスとは無縁の人生でした。ある時、同級生に連れられて竹下選手の試合を見に行ったその日に、初めてプロレスに出会いました。そこで大きな衝撃を受けた上野選手は、竹下選手の試合を見るために、たびたびDDTの会場に足を運ぶようになったそうです。

そして高校卒業後、竹下選手の後を追って上野選手もプロレスラーの道を歩みはじめました。

竹下選手はプロレスの天才で、圧倒的な実力で頂点に立つスター選手です。上野選手は持ち前の運動神経と、ビジュアルの良さでどんどん人気を集め、竹下選手の背中を追っています。しかし、上野選手がデビューして7年、竹下選手に試合で勝ったことは一度もありません。それでも2人の試合は「DDTの黄金カード」と呼ばれています。

「勝つことが全てではない」をまさに象徴しているのが、この2人の試合だと思います。上野選手の勝率はいまだ0%。体格差も実力差も、そう簡単には埋まりません。それでも上野選手の勝ちたい気持ちが、その熱量が、観客の胸を打ちます。(2人とも派手で華やかな技をたくさん持っているので、ストーリー抜きにしても見応えがすごいです)

竹下選手は「勇希が自分に憧れてレスラーになってくれたことが嬉しい。だから絶対に彼の壁でいなきゃいけない」と言い、上野選手は「僕はタケに勝つためにプロレスラーになった」と言います。そして「タケはいい親友で、いい先輩で、いい憧れ」とも。もう、一生一緒にいてくれや。

竹下選手は今年から、アメリカの団体とのW所属になったため年に数回しか日本には帰ってきません。つら。供給がなくて死にそう。でもプロレスは大河ドラマだから、この飢饉を乗り越えた先にハッピーエンドが待ってるんだと信じて推してます。

少年ジャンプみたいな2人のストーリーをずっと追っていたい!と願ってやみません。

プロレスの世界は「ライバル」「同期」「絶対に勝てない相手」「裏切り」「和解」「共闘」などなど男と男のエモいドラマに満ち溢れています。

海青くんも試合を通じて、負けたくないと思える相手に出会えたりするといいなと思います。

海青くんの試合、チケット絶賛発売中です!!!!

後楽園ホールは「格闘技の聖地」と呼ばれている場所です。コンサート会場とはまた違う照明の美しさ、独特の空気感が味わえます。

そしてぶっちゃけどんなコンサート会場よりも近くで見れます。「特別リングサイド」がおすすめです。2月25日、後楽園ホールでぜひお会いしましょう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?