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ゲルハルト・リヒターの作家性

「ゲルハルト・リヒター展」に行って来た。

なぜゲルハルト・リヒターが現代最高の画家と言われるのかがよくわかる、壮大で実験的な作品であふれた展覧会だった。

ゲルハルト・リヒターの作家性を簡潔にまとめると、一つは芸術へのあくことなき挑戦であり、もう一つは、宗教心の強さに起因している。

型という観点から、ゲルハルト・リヒターを見ると面白い。

ゲルハルト・リヒターには、フォトペインティングという型はあるが、その型に固執することなく、型を壊し続けている。

例えば、抽象絵画の巨匠、ロスコは、二つの色がせめぎ合う巨大な絵画を描き続けた。

ゲルハルト・リヒターも同じように、フォトペインティングを描き続ける道もあったし、むしろその方が、評価された可能性が高い。

理由は簡単でわかりやすいからである。

アートとビジネスは似ていると言われるが、わかりやすさが大切な点も同じである。

しかし、ゲルハルト・リヒターは、一つの方に固執せずにむしろ進んで破壊を続けた。

破壊と創造という点から見ると、パブロ・ピカソ以来の希代のアーティストと言っても過言ではないだろう。

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