藍色文庫

絶対的少女のすゝめ

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わたしのはなし

どうも、藍色文庫です。 5秒位で何となく決めました、藍色文庫。可愛いでしょう。 こんばんは、深縹と申します。 こきはなだ  と読みます。 何となくnoteを開設してみました。楽しそうだったので。 とりあえずここには、私の事が大体これで分かるような、所謂自己紹介なるものを書き連ねていきます。何卒。 深縹です。夜の海みたいな、綺麗な藍色の名前を拝借しました。 あと2、3ヶ月は高校1年生です。福岡で画学生をしています。 人の感情に対する共感性がめちゃくちゃに高いです。  周りが

    • 爆ぜて夏

      春がいつの間にか死んでたし、いつの間にか茹だる暑さが近くなっていたし、いつの間にか湿度が私を抱きしめて離さない。やめてね、ハグは好きな人とだけがいいの、なんてね。 1年のうちの半分がもうすぐ終わるんだな〜。だから何、と言われたらなんにも返せなくなってしまうけどね。 私は大人になれたかな。 もうすぐ、あとふた月で18になるこの体は何を掴んだろうか、何を捨てたろうか。 諦める心だけは確実に持てた。諦めることは悲しいだけじゃないって、自分を許すための手腕であることに気づけたのはな

      • inaba

        「あ、見て、飛行機」 一学期の終業式の帰り道、夏芽が指をさしたのは、昼下がりの空のもっと遠く、青空を裂くみたいな飛行機雲だった。もう今年で18にもなるのに、この、空とか海とか田んぼとかしかない、この土地で生まれて、この土地で育って、こんな景色見慣れてるはずなのに、未だにそんなことで目を輝かせられる彼女に、聞こえないようにため息をついた。 夏芽は、周りにいつも「変な子」と言われていた(現在進行形かもしれない)。幼稚園の頃はいつも、うさぎのぬいぐるみと一人で喋っていた。小学校に上

        • 葬送、それと礼拝

          祖父が死んだ。孤独死だったらしい。 元々持病があったのは知っていたが、それ自体は快方に向かっていたらしいし、司法解剖をしてみてもあんまり分からなかったという。 私は別に祖父とそんなに親しかったと言われたらそうでも無いし、何なら考え方が理解出来なかくて苦手だった。タバコ臭かったし。 でも身内の死というものを経験するのが初めてだったのでわりかしショックだった。ただそれも「祖父が死んだ」というより「知ってる人が死んだ」という方が正しかったのだと思う。 葬式の時、私は全く泣かなかっ

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        わたしのはなし

          ばつ

          頭が痛い。 全部全部面倒くさくなって、私の唯一の味方の犬を連れて二駅分歩いた。 それはきわめて小さな逃避行のようなもので、この冬にマフラーすら巻かずに家を飛び出した。思ったよりも寒くて少し後悔したけれど、それを振り払うような気持ちで、大好きな音楽をイヤホンでガンガン流しながら歩いた。 折り返し、昔好きだった人の家の前を通った。ここは漫画やアニメの世界ではないから、丁度その好きな人が家から出てきて、なんて展開は無くて、そのまま素通りで、それがいつもよりも酷く私を感情的にさせた

          9月を飲みきった夢

          アクリルガッシュの付着した筆を乱雑に筆洗に叩きつけるような夢。もう何回もこの夢を見ている。 劣等感で死にそうだったから、君を描いた。君は私の持ってないもの、私が欲しかったものを持っている。そのうえ君は、君の知らないうちに、君の手で、私の目の前で、見せしめに私を殺す。 君を見ると虫唾が走る。私が好きだった君から香る匂いはなくなってしまった。君が分からなくなった。君の1歩が私の3歩。君にいつまでも追いつけないで、きっと私がどこかで蹴躓いて転けても、君はそうね、10歩際でやっと振

          9月を飲みきった夢

          16歳の遺言

          こんにちは、私です。 8月25日に17歳になる私です。つまり今日は16歳最後の日、16歳の私の命日。 あんまり嬉しくないです。 「おめでとう〜!」って言われたりプレゼント貰ったり、毎年中々楽しい誕生日なのですが、これは私の問題で、後悔とか、未練とか、そういうのを拭えないまま歳をとるのが苦しいのです。 好きな人への告白。 描きたい絵の具現化。 読みたい本の購入。 その他諸々間に合っていないのです。 そしてもうひとつ、私は本当は15歳で止まりたかった。 自分を振り返ってみた時、

          16歳の遺言

          エモ、あるいは思考の放棄

          たまには自分の考えをつらつら書いてみるnoteもいいかと思って。 みなさん、「エモい」という単語はご存知ですか?若者のあいだでやたら使われているアレです。「まじ卍」とか、「えぐい」とか、そういう系統の。(古いとは言わせない) 「エモい」は「emotional」という1つの単語からなる言葉で、言葉に出来ないような気持ちに当てられた時、「エモい」を使うのだそうで。 私はエモいという言葉が正直苦手、嫌いです。 いやいや、16歳の高校生が何を言うと。そうじゃないんです。だって私、

          エモ、あるいは思考の放棄

          愛文

          私より背が高い。 私より顔が良い。 私より心が綺麗。 私より頭が良い。 私より絵が上手。 表現の自由があなたを殺しても私はあなたが好きよ。何もかも全て忘れてしまおうが、死体がどれだけ醜かろうが、両の手を潰されて二度とものを描けなくなろうが、私はあなたを愛してるよ。 だけどね、絶対あなただけは「普通の女の子」にならないでね。 あなただけは、安い悲しみに酔わないでね。レプリカの宝石に涙を流さないでね。言葉を違えないでね。手を急に離さないでね。 私のこの言葉があなたに届かなくて

          雨は光を望まない

          雨が降っている。 5限目のうたた寝、瞼にほんの少しの明るさを感じて私は悟る。この雨はもうすぐ止んで、分厚い雲には穴が空く。雨水の代わりに、その穴から光が漏れ出すのだ。 太陽なんていらないと思う。 太陽の光はいつも私を責めてくる気がする。暖かい光と私はまるで不釣り合いで、日陰でどろどろと野垂れ死ぬのがお似合いの私なのに、そんなのお構い無しに太陽は私の肌をじっとりと灼く。云10億年後に太陽は燃え尽きるらしい。いっそ太陽より高い位置に雲が出来て、太陽なんて明日にでも燃え尽きてしま

          雨は光を望まない

          五月雨

          五月の太陽は意地悪い。 暑いとも寒いとも言わせぬその笑みは、 変に私を鬱屈した気持ちにさせる。 五月の空は眠たい。 青くなりきれなかったような青空は、 きっと春眠暁を覚えず 急いでやってきたのだろう。 五月の夜は寂しい。 勢いの去った日常が、 耳鳴りになって瞼にエンドロールを流す。 五月の雨は苦しい。 涙も隠せやしない、何も洗い流せやしない。 弱気で陰湿な雨粒の匂いがする。

          海辺の小鳥

          翼を持って飛ぶことを 世間は良しとしないらしい。 空に憧れる人間たちを皆は軽蔑した。 迷惑者のように目を背けた。 私は海に恋をして、雲の上に憧れた。 宇宙まで行けねど、せめて雲の上まで。 翼が欲しかった。 その海は高潔だった。 けれど何も教えてくれなくて、どうにもならない海だった。 臆病な私は海を汚した。 汚れた海は乾き、やがて消えてなくなってしまった。 私は泣いた。 泣いて、その涙で新しい海を作った。 私はまたその海に恋をした。 その海も優しい海だった。 けれ

          海辺の小鳥

          燦々

          太陽がよく笑う日に海を見ると 海の向こうにダイヤモンドがあるらしい 太陽がよく笑う日に木陰に行くと 地べたにクリスタルを散らすらしい 太陽がよく笑う日に空を見上げると ラピスラズリが薄く伸ばされているらしい 太陽がよく笑う日に水を撒くと 水滴は水晶になって転がるらしい 太陽がよく笑う日に外に出ると 日差しがオパールになって降るらしい 太陽がよく笑う日に歩くと 揺れる葉はエメラルドになるらしい 太陽がよく笑う日に君に会うと 君もいつもと変わらず微笑んでくれる

          浜辺を歩きたい

          浜辺を歩きたい 浜辺を歩きたいの 裸足に詰まる砂粒に躊躇えど 貝を拾いたい 貝を拾いたいの どうしても海の声は聞こえない 青空に溺れたい 青空に溺れたいの 太陽に眩んで諦めてしまった 渚で黄昏たい 渚で黄昏たいの 水平線には何も無かった 沖まで歩きたい 沖まで歩きたいの 青い毛布が包んでくれるように

          浜辺を歩きたい

          あなたの花し

          少女の花し 例えば、その腰くらいまでの長さの、絹みたいに綺麗な黒髪とか。 例えば、その雪みたいに白くて綺麗な肌とか。 例えば、その大きくて、夜空を閉じ込めたような無垢な瞳とか。 あなたは私にとって、「少女」の究極的な存在だった。 飛世女子学園は、中高大一貫教育が謳い文句の、誰しもが認めるであろうミッション系のお嬢様学校だ。それはもう、絵に描いたようなお嬢様学校。人里から少し離れた森を抜けた先にある全寮制のこの学校は、1度入ってしまえば世間からは隔離され、淑やかな少女として

          あなたの花し

          後悔を見上げる

          「私さ、次の誕生日の日に死のうと思うんだよね」 冬休みも終わりに差し掛かった三が日の明け、隣の彼女はとんでもないことを口に出した。 藍花は所謂「メンヘラ」という奴だった。口癖は「死にたい」、その癖に死ねない量のオーバードーズ、笑える程に浅いリストカット。典型的なソレでしか無かった。寄越してくるLINEの量はとんでもなく多くて、私が藍花から恋愛的に好かれてることだって分かっていた。 正直、疲れていた。 私は1人が好きだ。誰にも邪魔されない空間が、時間が、私にはたくさん必要だっ

          後悔を見上げる