ビオトープ大整備作業の大詰め日記(2023/3~4)
今年のテーマは、より多様・安定した環境づくり
しばらく、投稿が空いていましたが、ビオトープの整備活動は佳境に入っています。
昨年から初めた、休耕田の湿地ビオトープ化は、2年目を迎えました。
昨年は、草刈りをして、とりあえず水をいれて、放置してどのような生き物が訪れるかを確認しました。絶滅危惧種であるクロゲンゴロウ、ガムシのような大型水生昆虫、イモリやニホンアカガエルのような両生類、ハラビロトンボなどのトンボ類が繁殖しているのが確認できました。
今年は、ビオトープに残っている陸生植物(セイタカアワダチソウなど)の株を除去し、水深の浅深をつけて、より多様な環境を作るというテーマで作業しています。環境が多様であれば、そこに住まう生物の多様性も増します。
また、昨年は真夏の渇水でかなり水深が浅くなりました。水深が深いエリアがあれば、生き物はそこに逃げて生き延びることができます。環境の安定性を高める上でも、水深の深部エリアは重要なポイントです。
最初は人力作業…
諸々の事情で、作業が遅れており、生物が活動を開始初めた5月に差し掛かってしまいました。本来ではあれば生物への影響を考えると作業するべきではないのですが、なんとか梅雨の時期までに間に合わせる、という判断で進めています。
3月から人力で大きなイグサの株や、ススキやセイタカアワダチソウなどの陸生植物の株を除去して、水深を深くする作業をしてきました。これは昨年、これらの植物が繁茂しすぎて開放水面が見当たらず水深も浅い状況になったためです。
3月は2回ほど、仲間とや高1の息子と二人で、3時間くらい没頭して作業してイグサやセイタカアワダチソウの株をひたすら剣先スコップで掘り上げました。なんとか水路のような深場を作ることができました。
たったこれだけでも、膨大な時間がかかります。掘り上げた株を移動して積み上げる作業がこれまた大変です。粘土質の土をできるだけ落としてから移動しますが、根が張っているため土を落とすことは容易ではなく、落としても重く移動も大変です。腰を痛めないように注意して作業しました。途方もないように思える作業も、一歩一歩進めていけば進みます。
重機の力を借りる
しかし状況は、Wさんがユンボ(重機)を借りてきて、一気に変わりました。重機の力は凄まじいです。ものすごい勢いで株を掘り上げていきます。人力の何十倍のスピードで作業を行うので、人は重機のサポート作業を行うように変えました。
重機は細かい作業はできないので、既存の植物を残しながら除去するエリアは人が手作業で行い、重機は株を土ごとごっそり取り除く作業を行いました。
4/30は、前日の雨のため水が溜まっている状況でしたが、残りの株を除去するために、ユンボと人力で株の除去作業を行いました。午前午後で3時間ほど実施して、なんとか目標エリアの株を除去することができました。
問題は、掘り上げた株の山です。域外廃棄が鉄則ですが、その数が膨大で人手が限られるため、ひとまずビオトープの隅に積んであります。粘土のため重く、すぐ下の休耕田に落として廃棄する予定でした。作業や観察がしやすいように足場を作っても良い気がしています。
すでに生物が活動している時期なので、本来は環境を撹乱するのは避けたいのですが、なんとか今年のうちに状況を整備したいため5月中の完了を目処に実施しています。
次回、水深30cm以上の深場のエリアを設けて、ユンボの通った跡をならして滑らかにすることで、ビオトープ内の環境多様性を増やし、より自然な形にしていきます。
新たな出会いに期待が高まる
これまでかなり重機で撹乱をおこなったため、埋没種子の発芽にも期待していますし、水深が深めを好む水草類の出現にも期待が持てます。トンボ類も浅瀬だけでなく、やや深場に生息する種類も増えるかもしれません。
すでに、昨年は見かけなかったガマ属らしき植物も生えてきています。
昨年は渇水で水深がかなり浅くなって危ぶまれましたが、水深を深くすることで蓄える水を増やし、真夏を乗り切ってもっと多くの生物の住まいとして整えていきます。
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