見出し画像

「生きがい」と「IKIGAI」は同じなの?

IKGIAIマップに出会ってから、日本の生きがいについての研究を調べてきました。ちょうど、先日まで『100分 de 名著』でも、神谷美恵子さんの『生きがいについて』が取り上げられていました。

ここでふと疑問なのは、果たしてIKIGAIマップ」で示す「IKIGAI」は、これまでの日本で言われてきた「生きがい」と同じなのか?ということです。

先に結論を言ってしまえば「生きがい」と「IKIGAI」は違うと解釈しました。

これまでの「生きがい」研究から見えてきたもの

これまでの「生きがい」についての研究を見ていくと、必ずしもお金を稼ぐということが「生きがい」の必須要素ではないようでした。もっと日常的なものでもよいし、何であれ「生きがい感」を感じることができれば、それがその人にとっての「生きがい」です。

『「生きがい」とは何か』では、生きがいとは単なる遊びでもなく、むやみに働くことでもなく、自分らしさをいかした、単一ではなく複合的なものであるとありました。

長谷川氏らの研究からは生きがいの対象は「過去・現在・未来」の時間軸を通じてみつかる、のだとわかりました。

「生きがい」はその人の生きる理由

「生きがい」とは、私なりの解釈をすると、どんな状況でも持つことができる「自分が生きる理由」です。

たとえどんな絶望的な状況に置かれたとしても「生きがい」を持って、そのために生き続けることができます。『生きがいについて』には、そのような事例がいくつも紹介されています。

ということは、たとえ仕事を引退していても、たとえいくつになっても「生きがい」を持つこともできる、ということです。

本来的に、生きがいとは、仕事という範疇を超えた「自分が生きる理由」です。

「IKIGAI」は仕事に多くの意味づけをする

これらと比べて、IKIGAIマップには「稼ぐこと」が含まれています。これをどう解釈したらよいのでしょうか?単に仕事のことなのでしょうか?

私の解釈では「IKIGAIマップ」は「仕事で収入を得る」ことが必須となる世代が、仕事を単に収入を得る手段としてだけでなく、大好きなこと、得意なことといった自分らしさを活かし、社会のためになることを行うことで生計を立てる、という自己実現を意味するのではと考えました。

言い換えると、仕事に複数の意味を重ねることで、より人生の中心に位置づけるということです。

自分は何で食っていくのか?

誰のための仕事なのか?

自分が好きで没頭できることは何か?

自分が得意な領域はなにか?

これらの問いにすべて同じことで答えられるものを生み出そうとしているのです。

もし、全てを重ねることができたら、生計を立てる仕事、好きなこと、特技、社会のニーズが、自分にとって多くの意味を持つことになります。そこを目指すことは、その人の「自己実現」です。

自己実現は「生きがい」の重要な要素であると、『「生きがい」とは何か』にありました。「IKIGAI」は「生きがい」とイコールではないけれども、働く世代として「IKIGAI」を目指していくことは、その人の「生きがい」に限りなく近づいていくことになるのです。

大事なのはどこから始まるか

複数の意味を重ねる上で重要なのは、その順番です。様々な要素があるなかで、一番大事なのは「その人らしさ」です。その人が「何が大好きで没頭できるか」「その人の個性はなにか」を見逃してしまってはいけません。

「今稼いでいる仕事」から考えてしまいがちですが、「IKIGAIマップ」を描いていく上でまず考えてほしいのは「自分らしさ」とは何か?ということです。そのためには自分の感情や情動に向き合う必要があります。

次回以降、実際に「IKIGAIマップ」を描いていくステップをご紹介します。

おまけ

今日(6/7)に「IKIGAIマップ」を使ったワークショップを行います。一人で考えるのもいいけど、いろいろな人の人生を聞きながら考えるのもいい体験です。


皆様のサポートによって、より新たな知識を得て、知識と知識を結びつけ、実践した結果をアウトプットして還元させて頂きます。