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つくば移住をやめ、東京、人とともに暮らす。

6月11日に東京・三鷹のあたりに引っ越してきました。
どうぞよしなに。


中野で友人と始めたルームシェアを解散するとき、まだ世界はコロナウイルスの感染拡大にひどく怯えたままで、家の中、ひとりパソコンに向かうだけの日々に戻るのならばと、少しでも落ち着く場所を探した結果つくばに住むことを選びました。

いろんな方に「なんでつくば?」と聞かれ、その度ごとにのらりくらりと適当な返事を返していたように思います。正直に言って、自分でも理由はよくわかっていませんでした。

家賃を抑えた東京以外の土地に住む、ということを考え出したときに、真っ先に思い浮かんだのが、昔ひとりで INNOVATION FESTA に参加するために遊びに行ったつくば駅前にある、中央公園の何もないただっぴろさだったのです。綺麗に整えられて、雑然としていない空の広さ。情報量を減らし、柔らかく包むようなその余白感が当時の自分にはちょうど良い、心地よいと感じた、のかもしれません。

つくばに住み始めてから、家の横にある湿地の写真を毎日のように撮っていました。陽が傾き、空が染まっていく様を眺めながらサンダルを突っ掛けて散歩する心地よさ。車社会だから歩いてる人なんて滅多にいなくて、息苦しいマスクをずらして草木の青っぽい匂いをかぎながらのんびり家に帰る日々はなかなかに良いものでした。

家の横の湿地と研究学園駅前のマンションの明かり
雪の降り積もる湿地。魔界感
夕陽の反射が美しい

つくばでの生活はとても性に合っていました。これから先、どこかのライフステージでまたあの辺りに住む瞬間が来たらいいなと思っていますし、ぼくの人生にそういう場所が増えてくれたことが何よりの収穫だったかなと。


そんなつくばを離れたのは、パートナーと一緒に住むことを選んだからです。

つくばでそのまま暮らす選択肢もありました。正直、一緒に暮らすことを決めた時点では、もう 1, 2 年はつくばに住みたいな、という気持ちも少しありました。四季を過ぎ、ようやくつくばでの生活ができあがってきた今またすぐに引っ越すのももったいない、という感覚。

ただつくばという土地は「暮らす」ということを考えれば申し分ないものの「遊ぶ」とか「楽しむ」という観点ではどうしても見劣りしてしまいます。アウトドアが好き、山が好き、なんて人には良いのかもしれませんが、あいにくとぼくもパートナーもそちらの方面には特段興味がなく。

お互い東京の会社に勤めていて、東京近郊に友人が多く、まだ 20 代も中盤のふたりが一緒に暮らすっていうこの「今」に、わざわざつくばを選ぶかね? と考えてみた結果、やっぱり東京がいいね、となったのでした。

ただ東京、とひとくちに言ってみても、さてそのどこが我々にとって心地よく過ごせる場所なのかしら、と思えばすぐに思い当たるところもなく、東京に用事を作っていくつかピックアップした土地を見て回りました。2日かけて中央線沿線を歩き回ってみたり、谷根千をくるくるしてみたり。

ぶっ通しで歩き回り、一日で 16 km なんて距離にくったくたになりながら、ふたりして「いいかも」となったのが、吉祥寺から少し外れた辺りを歩いていたときでした。雑然としすぎていないけれど、きちんと人の住む街の匂いがしていて、生活を想像できてしまうちょうど良さがある場所だなというのがそのときの印象。

三鷹に住もう、と考えて、真っ先にルームシェアを始めるときお世話になった不動産屋さんへ連絡を取りました。男ふたりのルームシェアという難易度の高い物件探しに、嫌な顔ひとつせず長時間対応してくださった素敵な店長さんがいらっしゃったので。

いやはや信頼できる不動産屋さんは何にも変え難い。今回も連絡を取ってからとても熱心に探してくださったらしく、訪問すると自信満々にどんぴしゃりの物件を出してくださいました。資料見た瞬間に「これだね」となってしまい内見すらせずに契約を済ませた勢いよ。とりあえず物件見に行こうなどと言って不動産屋を訪れたというのに、気づいたら住む家が決まっていました。


ひとりで生きていくのだろうと、ぼんやり思って過ごしてきたここ数年間。ルームシェアはしていたけれどあれは期間限定のイベントであって、そういうイベントは何度か繰り返すかもしれないけれど、基本的にはもうひとりなのだろうなと覚悟にも満たない諦めのような何かを持っていました。

たった半年のこと。気づけば三鷹にいて、隣の部屋にはパートナーが寝ていて、朝日の中、ぼくはこの note を書いている。
こういう生活がこれから続いていく。人とともに暮らす。そういう生活がある。

なんとも不思議な心持ちです。たった半年で人生はガラリと向きを変える。でも確かにこれはぼくの選択の結果、至った今です。大切にしたい、素敵な時間です。

これから、丁寧に、楽しく、三鷹での暮らしを積み重ねていきたいと思います。そしてこんな時間をくれたパートナーに、心から感謝を。



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引越しして色々とほしい物が出てきたので、ほしい物リスト作ってみました。(ふたりして在宅ワーカーなので仕事系多め)

いただいたものはパートナーと大切に使わせていただきます。何卒。


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