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こんにちは。まずは自己紹介から④

人口減少に対して定常型社会、あるいは豊かさの再定義という解決策を知った僕は、大学を卒業して農業系の新聞社に就職しました。そのような主張や思想、実践例を実際に人口減少に立ち向かっている人に伝えることで、力になれると考えたからです。現場に入る機会が多かったので地方の高齢化や過疎の現状を切実に感じる一方、前向きな話題に触れることもありました。

例えば熊本県の八代地域ではトマトの生産が盛んで、後継者も育っています。ミネラルウォーターの「いろはす」がトマト味を出したときにトマトの供給元として選ばれた地域です。

滋賀県守山市の直売所「おうみんち」は単なる野菜の直売機能だけでなく、地域住民の参加を募るイベントや子どもたちに向けた食育を実施するプラットフォームとしての役割を果たしています。

鉄道やバスなどで乗客とともに農産物を運び、効率的な物流構築に取り組む地域が増えています。これは貨客混載といって廃線になりそうな路線や地元のインフラを活用することで地域の活性化にも一役買う取り組みです。

行く先々でたくさんの人と事例に出会いましたが、一方で仕事には2つの点で行き詰まりを感じていました。

1つは紙媒体を届けられる範囲です。これから地方社会のプレーヤーとなるであろう20〜40代の方に新聞という媒体を通じて情報を届けるのはかなりハードルが高いと感じました。質の良し悪しはさておき、彼らが入手する情報の多くはスマートフォンを通じたweb媒体です。web媒体のメリットは個別最適化した情報を届けられることであり、この点について紙媒体の対抗する手段はありません。逆に紙媒体はその人にとって予期しない情報、いわゆるセレンディピティを提供するのに優れています。今後情報の入手が個別最適化され、紙媒体に再注目が集まる可能性は大いにありますが、その場合は今の個別宅配制度ではなく店頭で販売されるか号外のよう配布される形式になると思います。
余談ですが新聞の個別宅配制度は物流の面でも限界が近いと感じています。地方の新聞店は次々に集約されています。毎日宅配で新聞を読み続けることができるのは都市部に限られ、将来は富裕層しか読むことのできないメディアになってしまうのではないのでしょうか。

もう1つは情報提供の方法についてです。こちらも媒体の種類に起因しますが、情報提供が一方的では本当の意味で受け手の力になることはできないことを痛感しました。新聞は極めて一方通行なメディアです。情報を受け取った人が何かを発信したいと思ってもせいぜい投書するか読者窓口に電話するしかありません。双方向のコミュニケーションができる仕組みがなければメディアの価値は相対的に下がっていくと感じました。なぜなら人口減少に悩む地域は自ら発信したり、情報の受け手同士でのコミュニケーションをしたりしたいと考えているからです。

少し長くなりましたが、次回で自己紹介は最後にします。

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