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照れ武藤

日本列島で地震が頻発している。
太平洋に面しており、プレートの狭間に乗っかっているこの国は、常に地震の脅威に晒されている。
「近いうちに大地震が来るぞ」と言い続けていればいつかは当たるし、もしかするとおれの生きている間にもう1〜2回、大きい地震に遭遇しなくてはならないだろう。
どこか他国が海溝に地雷を張り巡らせ、日本政府に圧力を掛けることだって出来るかもしれない。やめてね、そういうの。
でも日本の中枢には多分、形骸的な首相や大臣だけでなく、おれたちの想像を絶するくらい優秀な人間がいて、陽の目を見ない外交活動を展開していると思えてならない。じゃなきゃ、こんな立地で独立国として維持出来るわけがない。

話が逸れた。
3−11の東日本大地震の数ヶ月後、仕事でイタリアに滞在していた時のこと。あまり英語が得意でないイタリア人同僚から、両手の手のひらをプルプルと小刻みに動かしながら「テレムトーはどうだ?」みたいな事をしつこく言われたがよく理解出来なかった。なんだよテレムトーって?照れた武藤か?
後で調べてみるとTerremoto=地震のことだと分かった。Terre=地球・地面、moto=動くこと(モーターとかエンジンとかに通じる)。だから彼は地震のことを心配してくれていたのだね。

あれからまた、干支が一巡するくらいの時が流れた。
照れ武藤が再び動き出さないことを切に願う。