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知財ゲームの作り方 ~楽々余興準備のすすめ~

おはこんにちこんばんは、かねぽんです。

2022年、私は西日本弁理士クラブの若手会リーダーを務めました。
主な活動は、若手会イベントの企画・運営等です。

イベント企画において、参加者の管理や会場の手配と並んでそこそこ時間が掛かるのが、イベント中に行う余興の準備です。

例えば、新しく弁理士になった方々を歓迎する新人歓迎パーティでは、そのままですと新人は新人で、ベテランはベテランで固まりがちですので、新人弁理士と中堅・ベテラン弁理士との交流を促すために、チーム形式でのゲームを間に挿入します。

余興用のゲーム、ネットで検索すると、以下のサイト等、既成のゲーム例が色々とヒットします。

なので、そのまま一般的なゲームを用いてもよいのですが、せっかく「知財」「弁理士」という共通項を有する人間が集まっているのですから、そこに知財っぽい要素を加えたい!

そこで、今回は「知財ゲームの作り方」と題しまして、私がオリジナル(?)ゲームを作るときのコツをお伝えしようと思います。

0.知財しりとり(チーム対抗戦ルール)

はじめに、知財ゲームの一例として「知財しりとり」を紹介します。
この知財しりとり、西日本弁理士クラブ若手会の忘年会イベントで2021年、2022年と行っており、手前味噌ですが中々好評いただいております。準備物も少ないので、おすすめの知財ゲームです。

知財しりとりは、その名の通り、知財ワードをしりとりで繋いでいくゲームです。チーム戦でも個人戦でも使えます。

ルール1:チーム内でしりとりになる5個のワードを○分以内に選出する
  (例:しりとり→りんご→ゴリラ→ライセンス→スーパー早期審査)

ルール2:選出したワードの種類に応じてポイントが付与される
  知財ワード : 10点 (知財に関するワード)
  ドボンワード:-20点 (予め秘密裏に指定された知財ワード)
  一部ドボン :-10点 (ドボンワードを一部に含むワード)
  一般ワード :  5点 (上記以外のワード)

知財ワードか否かは、運営側で用意した審査員が判定します。
ドボンワードは、予め運営側が複数選出したワードで、例えば「新規性」「審査」「意見書」等です。ドボンワードは余興の進行役のみが把握しており、ワードの選出中においてプレイヤーには開示されません。

上記の例ですと、ドボンワードに「審査」がある場合、以下のように採点されます。

  しりとり    → 一般ワード   5点
  りんご     → 一般ワード   5点
  ゴリラ     → 一般ワード   5点
  ライセンス   → 知財ワード  10点
  スーパー早期審査→ 一部ドボン -10点
                合計 15点

チームごとに、ポイントが高くなるようにワードを選出しまして、合計得点の高いチームが優勝です。

一般ワードなら堅実に5点を稼げますが、高得点を狙うのは難しくなります。一方、5ワードをすべて知財ワードで固めますと、最高得点を出し得ますが、ドボンになるリスクが生じます。

運営側としては、より多くのチームにドボンしていただけるように、ドボンワードに比較的メジャーな知財ワードを設定することになるため、このゲームは、チーム内で頭を捻って、如何にマイナーな知財ワードでしりとりを繋げるか、が勝負どころとなります。

この知財しりとりは、ルール説明、5ワード×2回戦、採点、優勝チームの発表なども込み込みで、大体30~40分程度で行うことができます。

景品を用意するのであれば、チーム数にもよりますが、優勝チーム、2位チームの他に、最多ドボンチームを表彰するようにしますと、より果敢に知財ワードを選出いただけるかと思います。

・・・と、知財ゲームの一例を紹介したところで、
今回の本題、知財ゲームの作り方を紹介します。

具体的には、私が「知財しりとり」その他の余興用の知財ゲームを作るときの手順を紹介いたします。

1.土台になるゲームを選ぶ

イチからルールを考えるのは至難の業ですし、イベントの余興という限られた時間内に、そのようなオリジナルルールを参加者に伝えるのもめんどくさい難しいです。

このため、はじめに、ありきたりな遊びの中から、余興で用いるゲームの土台(元ネタ)を選びます。

特に「知財」というテーマと親和性が高い「言葉のゲーム」から選ぶと、知財ゲーム化させやすいです。

例えば、
しりとり
伝言ゲーム古今東西私は誰でしょう、etc…

今回は、誰でもルールを知っているであろう「しりとり」から「知財しりとり」を作ります。

2.制限付与&猶予化

しりとりにおいて「ん」で終わることはめったになく、しりとりをそのままプレイしても中々勝負がつきません。

余興という限られた時間でゲームを完結させるために、まず「制限」をします。例えば、5ワードなどの個数制限や、4分などの時間制限です。

例えば「しりとりになる5個のワードを4分以内に選出する」

このようなルールを付与すれば、しりとりというゲームに「終わり」を作ることができます。

さらに、本来のしりとりの場合、ワードを1個ずつ選出するゲーム進行となりますが、宴会では雑談や食事をしながらのプレイになるため、瞬発力の必要な要素はなるべく削ぎ落としたほうがよいでしょう。

このため、ワードを1個ずつ選出させるのではなく、5ワードまとめて選出させるなどの「猶予化」を行います。

これにより、プレイヤーに、考える時間&相談する時間を与えることができます。

特に、チーム戦ですと、この間にチーム内の交流を図ることができます。
そして何より、運営側に休憩する時間を作ることができます私はこの間にビールを飲みます。

3.ポイント化

勝ち負けをつけるため、知財ワード10点一般ワード5点というように、ゲームの状況に応じてポイントを付与するようなルールを追加します。

特に、景品の出る余興の場合、「ものまね対決で似ている方が勝ち」等のふんわりとした基準よりも、バチッとした基準のほうが公平性を保てるので良いです。

4.ドボン化

私は、ここがいちばん大事な要素かと思っています。

ゲーム性を高めるために、マイナスのルールを追加します。
イメージとしては「笑ってはいけないシリーズ」の”デデーン”です。

ルールの中に「やってはいけないこと」を追加し、それを行ったチームにマイナスポイントを付与することで、ゲームの盛り上げを図ります。

知財しりとりの場合には、ドボンワードのマイナス20点がそれに該当します。

5.実施例

以上のように、土台選び→制限・猶予化→ポイント化→ドボン化を行えば、よくあるゲームを余興用にコンバートすることができます。

ひとつ、練習してみましょう。
上記の手順で「古今東西ゲーム」を元に知財ゲームを作ってみます。

古今東西は、お題に沿ったワードをリズムに合わせて言うゲームです。一度出たワードを再度言うと、アウトとなります。

1:土台選び・・・古今東西
お題はもちろん、「知財に関するワード」が良いでしょう。

2:制限・猶予化・・・知財ワードを5個、4分以内に選出する
古今東西は、本来リズムに乗ってワードを言っていくゲームですが、瞬発性を削ぎ落として、5個のワードをまとめて発表する形式に変更します。

3:ポイント化
古今東西は、一度出たワードを再度言うとアウトとなるルールがあります。これを改変し、他のチームとワードが被ったらマイナスポイントというルールを追加します。

ポイント例:
 ■ 他チームが選んでいない知財ワード    10点
 ■ 他チームが選んだ知財ワードと完全一致 -20点
 ■ 他チームが選んだ知財ワードと一部一致 -10点

4:ドボン化
本例の場合、ポイント化の時点で既にマイナスポイントルールも追加していますので、これがドボン化も兼ねています。

さらにゲーム性を高めるためにヒントありの「スペシャル知財ワード 50点」等を追加しても良いでしょう。この場合、他チームと重複しても50点付与するようにします。

例えば、(1)特許法域に関する(2)最高裁判決の事件名、というヒントだけ出して、50点が付与されるスペシャル知財ワードを設定します。スペシャル知財ワードは、例えば「インクタンク事件」だとします(※プレイヤーには非開示)。

こうしますと、プレイヤーがスペシャル知財ワードになりそうなワードを複数選出することを期待できます。例えば、インクタンク事件、リパーゼ事件、ウォーキングビーム式加熱炉事件、など・・・。

プレイヤーは、複数挙げた中の「インクタンク事件」がヒットして50点を獲得できるかもしれませんが、その他の事件名(リパーゼ事件等)が他チームと被ってマイナスになる可能性があります。このようなせめぎ合いをルールに入れ込むことで、盛り上げを図ります。

6.最後に

いかがでしたでしょうか。
これから歓送迎会の季節、対面での宴会も増えてきて、余興の準備担当になる方もいらっしゃるかと思います。何かしらのヒントになれば幸いです。

なお、オリジナルゲームを作成したら、「どのくらい時間が掛かるか」「ルールに抜けはないか」「もっと面白くできないか」等を検討するために、イベントを準備する仲間内で試用会をすることをおすすめいたします。

また、上記しました知財しりとり等は、みなさまの余興にて用いていただいて全く構いません(むしろ、どうぞご活用ください!)。

上記にて紹介した以外にも、知財しりとりについては盛り上げのためのさらなるルールがございます。また、これらのゲームでは、ルール以上に「ドボンワードの設定」や「スペシャル知財ワードの設定」が肝となってきます。詳しいルール等について気になる方はどうぞ私までDMいただければと存じます。

それでは!!

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