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育休を10ヶ月間取得して感じたこと

昨年の6月から取得した育休が3月末に終わり、4月から仕事復帰します。
始まった時は10ヶ月もの育休で何をしようかドキドキワクワクしていたのですが、終わってみると大したことは何もできずにひたすら育児をしていただけでした。もちろん育児に専念するために取得したので、後悔は全くないのですが、実際に取得しなければ実感できなかったことも多々あるので、自分の今の気持ちを書き記しておこうと思います。

なぜ育休を取得したのか

育休中はこのことについて、何度も自問自答していました。男性の育休取得率は年々増加傾向にあるとはいえ、10ヶ月もの長期間取得する男性はまだまだ稀な存在です。それでも取得した理由は主に2つのような気がします。いずれも自分の子どもの頃の体験が根底にあるのだと思います。
1.妻の力になりたかった。
単純な理由ですがこれが最大の理由だと思います。そもそも妻の笑顔が見たくて結婚したわけですし、妻に辛い思いをして欲しくなかったんですね。
結果として二人で育児ができたことで、相乗効果というかお互いが協力することで、一人育児では困難なことも比較的楽に乗り越えられたのではないかと思っています。
2.父親として子どもとしっかり向き合いたかった。
私は割と早くに父を亡くしているためか、父との思い出があまりなく、今振り返ると少なからず寂しい思いをしていたのかなと思うことがあります。
我が子には自分と同じような思いをさせたくないと考え、積極的に育児をしてたくさんの思い出を作ろうと考えたのだと思います。

育休を取得してよかったこと

これは言うまでもなく、子どもにひたすら向き合うことができたことに尽きると思います。毎日子どもと一緒に過ごし、時間を共有できたことは私にとってとても大切で貴重な時間になりました。
夫婦で育休を取得していたため、常に会話をし協力して育児ができたことも、この育休の期間をより有意義なものにしてくれたと思います。
育児は毎日同じことの繰り返しです。また、赤ちゃんとは意思疎通ができないため、一人だけで世話をしているとどうしても身体的、精神的な負担が大きくなります。二人で協力できればその辛さを共有できるため、お互いの負担を軽減することができました。なかなか育児に関われない人は、せめて話を聞くだけでも精神的に楽にしてあげられると思います。

育休はすべての男性にとって有意義になるとは限らない

男性である私の個人的な意見ですが、すべての男性に育休がプラスの効果をもたらすとは思えません。もちろん育休を取得することでメリットを享受する家庭は多いと思います。ただ、取得する前にきちんと夫婦で取得する理由や、育休中に実現したいこと、家事・育児の分担などについて詳細に詰めておかないと、せっかくの育休が無意味なものになる危険があると思います。
また、取得期間についてもよく話し合う必要があります。取得期間が長くなれば当然所得は減りますし、職場にも様々な影響が出てくると思います。なんとなく区切りがいいという理由だけで、半年や1年間の育休を取得することはやめたほうがいいと思います。職場の育休経験者やネット上の情報などをよく調べ、夫婦で相談してから取得期間を決めてください。
意外と妻と四六時中一緒に過ごすことがストレスになるかもしれません。お互いが長期の休暇を取得するのは育休中ぐらいですから、夫婦にとっても今後の人生を考える貴重な経験になると思います。

育休の取得期間に正解はないけれど。。。

振り返ってみると、私の場合は6ヶ月程度が良かったのかもしれないと感じました。
私はキリがよかったため、年度末までの10ヶ月間取得しましたが、正直少し長かったなと感じました。生後5ヶ月を過ぎ離乳食が始まると、授乳の時間が段々短くなり、時間に余裕が出てきます。そうなると育児をするより、働いたほうがいいのではないかという気持ちが芽生えてきます。そのような気持ちになるのはおそらく、育児よりも仕事のほうが圧倒的に達成感があるからだと思います。
生後6ヶ月を過ぎると成長が緩やかになり、日々の成長を感じることが難しくなり、育児が単調なものになります。言い方は悪いですが、育児という仕事に飽きてしまったのです。育児には本当に終わりがなく、仕事のように区切りがありません。仕事では味わえる達成感、やりきった感が全くないのです。それは育休を終えようとしている今も同じです。自分のキャリアを犠牲にしながらも、このまま育休を取得していていいのか幾度も考えさせられました。
取得を考えている方は、半年を一つの目安に検討することをお勧めします。

常に社会と繋がっていたい欲求があることに気づけた。

これは育児とは関係がありませんが、育休中にずっと感じていたことです。
一生遊んで暮らすと言うフレーズはよく聞かれますが、意外と遊んで暮らせても仕事を通じて社会と繋がっていないと人生はつまらないのかもしれません。社会人になって初めて長期の休暇を取得しましたが、家庭で育児に専念していると、物足りなくなることが何度かありました。
この原因はおそらく達成感が得られないことと、家族以外の他人に感謝されることがないことではないかと考えます。やっぱり誰かの役に立ちたいという思いは誰でも持っているはずです。それなのに、誰にも褒められず感謝もされずに、黙々と育児をこなしていると満足感を得難いのです。
もちろん妻とは「ありがとう」など感謝の言葉をお互いかけていましたが、家族以外の他者から感謝されたいという気持ちが生まれ、段々と仕事復帰して、社会と繋がりたい気持ちが芽生えてきました。
育児もいつかは終わりがきます。その後の人生をどうするのか、改めて考え直す機会にもなりました。定年退職後の人生をどうするのか。セカンドライフの自分のあり方を今から少しずつ考えていきたいと思います。
妻はもう一年育休を継続するので、なるべく会話をして、感謝の言葉を伝えようと思います。

子どもには子どもの人生がある。

育休を取得して育児に専念すれば、子どもともっと濃密な時間が過ごせると思っていました。
特に4歳の長男とは特別な時間になるのかなと期待していたのですが、振り返ってみるとこれまでの生活と変わりありませんでした。
保育所には変わらずに通っていたので、日中は離れて過ごしますし、夕方帰ってきても次男の世話をしながらなので、長男だけと遊ぶこともなかなか難しいのです。また、4歳にもなると家庭と社会の区別がつくようになり、彼にも保育所という社会があり、親がいなくても保育所での生活を楽しんでいるように見えました。
ずっと側にいなくてはいけない期間は私が思っていたよりもずっと短いようです。子どもにもその子自身の人生があり、過度に親が干渉すべきではないと思いました。そのことに気づいてからは、なるべく寄り添うというか、応援するようなスタンスで子どもと接するようにしています。
親の考えを押し付けたり否定するのではなく、子どもの気持ちや考え方を尊重できるようになりたいと思います。

やっぱり一度は育休を取得するべきだと思う。

色々と思うがままに書きましたが、育休を取得したことがない方は一度は取得することをお勧めします。百聞は一見にしかずと言うとおりで、あれこれ考えるより、実際にやってみないと分からないことがたくさんあります。1ヶ月でも育休を取得すれば、育児に専念する女性の大変さが少しは理解できるはずです。
私は長男の時は育休を取得しなかったものの、かなり育児や家事を頑張っていたと思っていました。でもそれは、あくまで妻のおかげで育児に参加させてもらっていただけに過ぎなかったんだと思いました。24時間体制で赤ちゃんと一人で向き合うことの大変さを本当は理解できていませんでした。
そのことを今回身をもって体感したことで、妻に対する感謝の気持ちが改めて芽生えました。それだけでも、私にとっては育休を取得した意味があると思っています。

育休を取得するまでには人それぞれ、様々な困難があると思いますが、取得するチャンスは今しかありません。一生を共にするパートナーのためにも、お子さんのためにも育休を取得してみてください。きっと一生忘れられない大切な時間になるはずです。
私もこの10ヶ月間の家族の時間を、ずっと大切にして生きていこうと思います。

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