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読書記録『國分功一郎著「中動態の世界 -意思と責任の考古学-」』

 アルコール依存症・薬物依存症の患者がいたとして、彼らがそこから抜け出せないのは、本人の意志が弱いからなのだろうか。
あるいは、「私が歩く」と「私のもとで歩行が実現されている」は何が違うのか。

僕たちにとって馴染みのある「する(能動)」・「される(受動)」の外側に「中動態」という態がかつて存在していた。
しかも、能動態と受動態の対立は普遍的ではなく、もともとは能動態と中動態が対立していたのだという。

中動態の世界が意味すること、さらにその広がりを、様々な文献からまるで考古学のように解き明かす。

本を読むことのおもしろさとして、その本を読むことによって今見えてる世界がまったく違うものに見えてくる瞬間がある。
この本は近年で一番世界を塗り替えられた一冊。
めっちゃおもろい。

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