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【今日のお気に入り漫画】

※多少ネタバレ要素あり。

「前科者」ビッグコミックオリジナルで連載中  原作:香川まさひと先生 作画:月島冬二先生

最近、発見して嬉しくなった新たな漫画。
犯罪者のその後を描くという題材に心惹かれてパラリとページを捲ると、衝撃的なシーンから始まり、リアリティのあるヒューマンドラマの雰囲気がむんむん漂っている。
好きな系統の漫画だと確信。

犯罪を犯した人の、その後を描くお話ですが保護司というお仕事が国家公務員なのにボランティア(無償)で働いているという事実を知り衝撃を受けました。

アルバイト先のコンビニでパワハラやセクハラまがいなことを受けている主人公の佳代のセリフがこの話の核(大きな問い)を提示していて、後のセリフに信念が見え隠れしている。

「殴ろうと思うことと実際に殴る事…
そこに大きな違いはあるのだろうか?」

「一銭にもならないからやっているんです。
保護司の仕事をしなければ、私はお金だけのために生きてることになる」

仮釈放された石川が佳代に出会ってすぐにご飯の前に銭湯に行ってはどうか?と勧められる。そして、銭湯で身を清めた後に佳代の家に戻ると「おかえりない」と言われる。

この、おかえりなさいという言葉が出所した人の傷んだ心に響く。大事なセリフだと感じる。

読み進めていくと決して気分が明るくなる話ではないのに、読まなきゃいけないという気持ちにさせられるのは、作品から日本の抱えている問題に向き合う真摯なオーラが放たれているからだと思った。

本格ヒューマンドラマ。
その名の通りの漫画で読み応え抜群です。

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