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2020年 ベストアルバム

2020年もあっという間に終わってしまい、2021年が始まった。2020年は何を語るにもコロナウィルスが付いて回る年であった事に間違いない。フェスやライブ、クラブへ行く機会が減り音楽の聴き方も今年は違った形となった。そういった中で印象に残った作品を記事にしたいと思う。

Glass Animals - Dreamland

テイストが近いアーティスト Hippo Campus、Lewis Del Mar

私自身かなり待ちわびた3rdアルバム。2015年に観て以来よく聴いているアーティストで、やはりフェスで出会うアーティストは思い入れが違ってくる。(今年はこれが無かったためにプレイリストのマンネリに拍車がかかった)エレクトロポップとUKバンド特有の芸術性のバランスが最高に気持ちのいい作品。2018年に起きたドラマーのバイク事故からの復活作でもあり、その過程をSNSを通して見ていた分、リリース日はインスタグラムのキャプションを読んで涙してしまった。

「思い出」がテーマとなっているアルバム

Roisin Murphy - Roisin Machine

テイストが近いアーティスト Goldfrapp、Little Boots

アイルランド出身でハウスやディスコを取り入れたエレクトロサウンドが特徴のアーティスト。今回のアルバムは曲間がなくシームレスにトラックが繋がっているのでアルバムとして聴きやすい。6番目(We Got together)と7番目(Murphy's Law)の流れは衝撃的だった。ディスコとポップスのバランスが心地よい作品で今年何度もリピートした。

HAIM - Women In Music Pt.III

テイストが近いアーティスト The Aces、Shura

どう考えても現代の最重要バンドのひとつである事に間違いはない。デビューから着々と存在感を大きくしてきた彼女たちが時代とマッチし今作はいつにも増して注目を集めてたような気がする。SNSでの写真も姉妹仲睦まじいほっこりする写真が多くてアルバムを聴きながら彼女たちのインスタを見るとかなり満たされる。この系統のバンドがフェスでヘッドライナーを務めるのは難しいとは思うが、ヘッドライナー級の実力はある。間違いない。今作もつい体が揺れてしまう小気味よいギターサウンドで期待値以上の作品でベストアルバムに挙げる人も多かった気がする。

Mura Masa - R.Y.C

テイストが近いアーティスト Cosmo's Midnight、Young Franco

私自身、2020年一番聴いたアーティストのMura Masa。もう本当に本当に心底楽しみしていたアルバムでフィジカルでも購入した。1stアルバムとはまた違うギターサウンド多めなアルバムで好き嫌いはあると思うが、音の重ね方にらしさを感じた。人気アーティストSlowthaiとのコラボ曲はユースカルチャーど真ん中といった感じでイーストロンドンでこの曲を聴きながら歩きたい。フジロックで来日予定だったがフジロックが流れたため観れなかったのが心残りな年となった。1stと今作がライブでどう交わるかが楽しみである。

Run The Jewels - RTJ4

テイストが近いアーティスト Killer Mike

これを聴いてる時は間違いなく縦ノリしていたし、悪い奴になった気分だった。ただ、音楽は愛に溢れており、何かに立ち向かう時、音楽が大きな力になると再認識させてくれた作品だ。BLM運動が過激化する中でメンバーのキラー・マイクのスピーチは心打たれた。このような背景からか当初のリリース日よりも前倒しされてリリースされた。音楽を知る事により時代背景を、文化を知る事になる、数十年後そういった役割を果たすであろう作品だ。

Tame Impala - The Slow Rush

テイストが近いアーティスト Pond、Yellow Days

ノリに乗った状況でコロナに突入してしまいこのアルバムからのライブパフォーマンスがほんとんど出来ていないのが惜しい。ライブは字の如く本当に生き物でどのタイミングで観るかというのは重要だとは思うが、このアルバムリリースのタイミングでTame Impalaは観たかった(フジロック)サイケ感もありつつよりポップになったアルバムでTame impalaを聴いた事ないという人にはこのアルバムからオススメしたい。

edbl - Boys & Girls Mixtape

テイストが近いアーティスト Conor Albert、Tom Misch

エド・ブラックと読むらしいサウスロンドンのトラックメイカーでChill系な感じの曲調ででトム・ミッシュ好きは間違いなく気に入ると思う。このアルバムも多くのアーティストとコラボしているが、全てリモートで作られた作品のようだ。これから注目を更に集めるアーティストな気がする。見た目がサッカー選手のセスク・ファブレガスに似ているのが個人的にまた推せるポイントでもある。

Kelly Lee Owens - Inner Song

テイストが近いアーティスト Actress

ウェールズのエレクトロニックミュージシャン。3年振りのアルバムはリズミカルなエレクトロサウンドと物哀しいサウンドで忙しい日常での癒しとなってくれた。XL recordingsでインターンをしていた際にThe xxのプロモの仕事をしていてシャイで服装はゴスな彼らに「なんでXLはこんな人と契約したんだろ?」と思ったというエピソードが大好き。

beabadoobee - Fake It Flowers

テイストが近いアーティスト Pale Waves、Girl in red

ビーバードゥービーと読む。NMEアワード新人賞、BBC Sound of 2020ノミネート、The 1975のアリーナツアーサポートアクトも務め期待値が高まる中でのデビュー作は余裕で期待値を超えてきた。フィリピン生まれロンドン育ちのソングライターでスマパンやソニックユースなどの90年代オルタナに影響を受けたという彼女のデビュー作はティーンエイジャーに寄り添うようなビリーアイリッシュと通ずる物が感じられる作品だった。厚みがあるサウンドはどこか懐かしくパラモアやリジェクツをまた聴きたくなるようなトリガーとなった。

Avalanches - We Will Always Love You

テイストが近いアーティスト Caribou、Dirty projectors

2020年のベストアルバムをまとめに掛かる頃の12月にリリースされた25曲1時間11分の大作。正直、曲数と時間に全部通しで聴く自信は無かったが聴き始めるとあっという間だった。アルバムに順位をつけるのは苦手だがこのアルバムは今年一番かもしれない。そして日本からもコーネリアスが参加している。スーパーオーガニズムのオロノも参加している。4曲目のThe Divine ChordがMGMTとジョニーマーとのコラボなのだが是非聴いてほしい。

Oneohtrix Point Never - Magic Oneohtrix Point Never

テイストが近いアーティスト Andy Stott、Yves Tumor

Netflixのオリジナル映画「アンカットダイヤモンド」の音楽を担当し話題にもなったOPNの最新作。哲学的な音楽でコアな音楽ファンを魅了するイメージではあるがこのアルバムは割と広く聴かれるのではないかなぁと思う。このアルバムはコロナでロックダウン中に作ってしまったのだから彼がどれだけ変態かがお分りいただけるだろう。アンビエントでもあるがポップでもありシームレスなアルバム構成は聴き始めるとあっという間に1曲に戻っていてそのくらい作品に没頭させてくれる。

Phoebe Bridgers - Punisher

テイストが近いアーティスト Mitski、Snail Mail

カリフォルニア出身の26歳のSSWが3年前のデビューアルバムに続きとんでもない作品を出してきた。昔は良く「2枚目のジンクス」とか言ってデビューアルバムで大物の伯が付くと2枚目の出来次第でリスナーが離れるという事がしばしあった。ただ彼女にそんな事は関係なかった。今作ではグラミー4部門にノミネートされ、各メディアでもベストアルバムに選出されている。透き通った歌声に抜群のソングライティングはグラミーも流石に無視出来ないだろう。アルバムの中で3番目のトラックkyotoは是非聴いてほしい。

2020年音楽的総括

2020年はフェスもライブも無く、例年より幅広く音楽を聴けたと思う。フェスやライブが今まで通り開催されていれば、フェスで観たアーティストやライブに行ったアーティストで構成されていただろう。ただそう言ったアーティストは日本でも認知度があり、ネームバリューがあるアーティストに偏ってしまう。2020年はそれが無い分、自分の感性に近い所で好きなものを探求できた気がする。今年はフェスやライブが徐々に開催されて欲しいとは思う反面、今年いっぱいは難しいだろうなという思いもある。その中でまた自分の中で音楽の幅や楽しみ方を広げて行きたいと思う。これからグラミーなどの賞レースも始まる中でトレンドと自分の感性を擦り合せるのではなく、コロナ渦で身に付けた感覚も大事にしていきたい。

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