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エスケープ!

中学の頃、こっそり自転車通学をしていた。

高校に入ってからもこっそりバイクで通学していた。

通っていた学校へは、国道から市外へと右折しなくてはならない。

それはいつもの道のり、毎朝の見慣れた景色…だったのだが、

気がつくと右折するはずの交差点を通過しているではないか!

故意だったのか、ぼんやりしていただけだったのか、

よく覚えていないのだけれど、そこからタガが外れたように

ただただ真っ直ぐに走ったことを覚えてる。

見知らぬ景色をやり過ごし、やがて海にぶつかるまで走った。

内陸育ちの自分には潮風がむせるようだったが、やってやったぞ!という

得も言われぬ充実感が、わずかに背徳感を上回った出来事だ。

しかしその帰り道、ポンコツバイクは途中で動かなくなり途方に暮れること

になる。なんとか近くの民家のおじさんに助けてもらい無事に家までたどり

着くことができた。

逃避行にはそれ相応のリスクがあり、覚悟が必要であることを

学んだ日だ。

いや、学んだはずだ!

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