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拝み屋見聞録 其の二 【 結局、本当に怖いのは生きている人間です ② 普通に業務を熟(こな)していただけなのに・・】

拝み屋見聞録 其の二 【 結局、本当に怖いのは生きている人間です ② 普通に業務を熟(こな)していただけなのに・・】

拝み屋稼業の家に生まれ、跡継いで早、20年。様々な業種の方・年齢層の方達の相談を受けてきた。人の悩み・疑問と云うモノは諺の通りに十人十色・千差万別である。最近、相談者からお聞きした話・悩み・依頼内容を話していると周りが「面白い」「そんな事があるのか」と感心される。この際「面白い」「そんな事があるのか」と云われる位なら文章にしてみようと。
文章を記す前提として、営利を目的としていません。無論、個人を特定される文章なので(仮称)にしています。それ以外は直接本人より聞いた体験談または私の体験である。只々、書いたモノを誰かが読んで面白いと思っていただければ、それが私の何よりの感謝の極みである

拝み屋見聞録 其の二 【 結局、本当に怖いのは生きている人間です ② 普通に業務を熟(こな)していただけなのに・・】
“事故物件住みます芸人”の松原タニシさんの動画を見ていると「結局、本当に怖いのは生きている人間です」との発言を聞いて「確かに!!!」
この仕事は霊現象の相談を受けるばかりではなく、現実的な問題の相談、或いは相談者の恐怖体験をお聞きする。代表的な体験談を記しておく
《 ② 普通に業務を熟(こな)していただけなのに・・・》

Aさんがとある商業施設で働いていた時の話を教えてもらった。休日で家にいると、上司から電話がかかってきた。「会社にAさん宛に郵便物が届いているのだけど若しも・・の事があるのでコチラで開封してもいいかな?」
との事。送り主の名前はAさんの知らない人。その送り主を仮にX氏と
しよう。AさんとX氏との個人的な関係性は全く無い。その商業施設では接客担当のAさんだからお客様には名札の苗字は知られている。上司に、その
郵便物を開封して貰うと、中身はアルバムであった。お若い方はご存じないだろうから説明しよう。アルバム (album) とは、写真を見やすいように並べて整理するための冊子、あるいは、そのような状態に整理された写真群。
近年では、スマホの写真フォルダ・クラウドに保存する又は外部メモリ-に保存をする時代に、現像してアルバムに写真を保存する方はおられるので
あろうか?現在でもアルバムで写真を保存するのは遺影くらいなもので
ある。昔は部屋の高い所へ掲げていたものであるが、時代の流れで飾らなくなり、それでも保存したい方はアルバムに保存しておき法事等の時に飾る
のが今日(こんにち)である。

さて、話を戻そう。上司から「アルバムの中を見ても良いか?」と聞かれたので確認してもらうと中は、色々な芸能人の切り抜きや写真がビッシリと
みっしりと全てのページに貼り敷き詰められていた。そして最後のページ
には以下の様なメッセージが書かれていた。「Aさんはこの人達の誰よりも可愛い!だから是非、芸能界デビューして欲しい。僕は必ず応援するから!」もちろんAさんは一般人で芸能活動などしていない。Aさんを芸能人
で云うと?と書きたいところではあるが、敢えて控えたい。上記の文章を
読んでいただければ、可愛いことは、ご理解いただけるであろう。結局、
そのアルバムは上司に処分して貰い、その商業施設は辞めたのであった。

まぁ当然そうなるわなぁ。立場が自分でも鬼ソッコーで辞めるな。だって、もれなく怖いもの。

先日のニュースでカスハラ対策の一環で全国の自治体で職員が業務中に着用する名札の表記をフルネームから名字のみに切り替える動きが広がって
いる。でも苗字だけにしても、結局ヤバいんじゃね?と

「結局、本当に怖いのは生きている人間です」との通りでしかない。

これまでは、現実的な話でしたが次回からは非現実的なちょっと怖い話にしよう。
 

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