すみません、ちょっと熱出ちゃって今日行けません
おじいさんとおばあさんが少女を間に泣いている。どうしたのかと聞くとこのあたりはヤマタノオロチという怪物が出るエリアで、これまで八人の娘を取って食われてしまった。この子ももうすぐ食われる。
だから泣いているという。
話を聞いたスサノオは、わかった。オレがそのヤマタノオロチとやらを退治してやろう。ついては・・・と、酒と八つの仮設の棚を作るようおじいさんとおばあさんに命じた。棚はコを左へ倒したカタチで、そうそう、地面に両脚つけて。完成したイメージはこんなです。
穴の先に酒の入った壺を置いてください。はい、八つともそうしてください。できましたか? いいですねー。そんな感じです。
やがて出てきたヤマタノオロチ、酒があるとばかりに棚の穴から首を出し、飲み始めた。「これ、無料(タダ)っすか?」「いいから呑め」一つずつの壺の酒は量的には少ないものの、かける8だ。酔っ払ってしまった。つい気持ち良くなって、寝入った。そのすきに、スサノオは、ヤマタノオロチを剣でひと刺し、ふた刺し・・・・やっつけた。
なんか、ずるくないですか?(笑)
そもそも高齢者に酒作らせたり、棚作らせたり、自分は何もしない。ヤマタノオロチを寝かしつけ、そのスキに退治する。スサノオは英雄とされるが、実態はこれです。出雲大社のどこかのエリアに、スサノオがヤマタノオロチと闘ったときの剣の痕が残された岩壁があったが、そもそも闘ってないし(笑)
さて、もしぼくが同じようなことをじいさんばあさんから相談受けたとする。どうアドバイスするか。
「引っ越しましょう」
誰が考えても、引っ越すのが一番だ。絶滅危惧種ヤマタノオロチもそのまま生存でき、SDGsである。
あなたは「となりのトトロ」アトラクションやってます。
メンバーはサツキとメイ、ネコバス役に二人(前と後ろ)、バスから降りてくるお父さん、そしてトトロ。雨降らす役。合計7名。
ところが、いざ開園の時間になってトトロ役がコロナで来れないとLINEしてきた。
どうする?
サツキとメイ、お父さん、ネコバス、雨、どれも欠かせない。ふと周囲を見回すと、午後からのシフトのカオナシ役がいる。カオナシに、トトロ役やってもらうか? でもだめだ。気合入れすぎて、朝からばっちりカオナシメイクしちゃってる。
さて、どうするか。
これ、ぼくが開発したケーススタディ&ロールプレイです。
実際に「となりのトトロ」ごっこをやってもらいます。お父さんをお迎えにバス停まで行くシーン・・・なんだけど、ストーリーは自在に変えちゃっていい。カオナシをそのままトトロとして強引に押し切っちゃうか。それとも「トトロなし」で「となりのトトロ」やるか。
ぼくたちは、毎日毎秒「これが当たり前」の前提で生活したり仕事したりしている。
でも、その前提はあくまで幻想であり、「都合の良い虚構」に過ぎない。
大災害に遭うと、気づく。
ビジネスでもそうで、昨日と同じ前提が今日も続くという幻想のもとに戦略練ったり、マーケティングやったりしている。
でもね。決してそうじゃないよね。
自由に発想を飛ばそう。想像力の翼を羽ばたかせよう。
…としても、どうしても人間は卑近な前提を元に考えてしまう。
またヤマタノオロチがやってきて娘をさらう。
となりのトトロにはトトロが出なければ始まらない。
引っ越す
とか
カオナシトトロ
とか
違う、differentな発想をすると、ビジネスが、飛ぶ。そして戦略の本質は、difference(違い)。
時々、このようなケーススタディ&ロールプレイを社内でやってみたらいいと思います。
「いいですけど、それって、残業つきますかー?」
やれやれ。
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