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「なんとなく、見に来た」

阪神が優勝したというので、大阪梅田、特に阪神百貨店、阪急百貨店近辺は盛り上がってるらしい。連休ということもあり、人出がすごいことになってるようだ。

マーケターとして、やはり観察しに出かけないわけにはいかない。

まずは阪急三番街・紀伊國屋書店さんへ。
まあ、いつもくらいの賑わい。

阪急百貨店へ。

すごい。入場制限かかってる。

地下食料品売場から阪神百貨店へ抜けようと思ったのだが、人の洪水で、動けない。普段から阪急の地下食料品売場は床に座り込んで弁当食べる外国人観光客始めよくわからない人たちで埋まってるところへ、優勝バーゲンセール狙いの人が加わって、わけのわからないことになってる。

ようやく阪神百貨店への通路に出たのだが、どういうわけか阪神タイガースユニフォームを着た巨体の外国人男性が仁王立ちしていて、通せんぼされた。身長2メートルはある。どうしたものか。

スマホ出して、「OK?」な顔して見ると、満面の笑みでポーズ取るので、写真撮って、ようやく道を開けてもらえた。詰まってたみんなもぼくに続いて流れた。すぐさま画像は削除した(笑)

阪神。今回の本丸である。これはもう、筆舌に尽くしがたい。

自宅徒歩圏内にあるので、我が家にとっては近所の市場(いちば)使いをしてる。だからだいたい地下食料品コーナーであればどことどこ、という風に店が決まってる。身体で通路幅を覚えてる。ところが今日はあちこちで「制限」の、あれ何ていうのだろう、床に置くやつが足に当たって、うまく歩けない。通常より通路幅が狭くなっているんだ。狭い上に人が増えてるから、洪水になってる。

顔馴染みのスタッフさんがいる「美々卯」に行って、話を聞いたら、商品の入荷もよくわからないくらい混乱しているらしい。たとえば、人気の「みなと鍋」は夕方に入るか、入らないかという。

「これは、この時期、やめたほうがいいね」と判断した。

ほうほうの体で、インスタに投稿したのが、これ。

ということで、すごすご帰ることにした。

でも。

第三ビルの前まで来た時、なんだか怒りが沸いてきた。

そもそもバーゲンというのは、落差を楽しむものである。
普段の価格がここまで下がってる。お買い得だから、買おう。
落差は、普段見ているからわかる

今日洪水作ってるやつら(怒ってるから、『やつら』になってる(笑))は、普段を知らないじゃないか。
げんに「イカ焼きコーナーはどこですか」なんて質問をガードマンにしてた。
阪神のイカ焼きは有名だけど、言っちゃ悪いが美味しいもんじゃない。阪神常連客は食べない。つまり、「ぽっと出」なんだ。

そしてそもそも普段の阪神は、カフェユースの百貨店である。9Fのフードホール、B2Fバル横丁、各階にあるカフェ(モロゾフ、マザームーンカフェ、アフタヌーンティールーム、コスメキッチン アダプテーション)を利用する。服や靴、めったに買わない。

ほかのファッション、アパレルは、言ってみればオマケみたいなもので(ゴメン!)、普段は店員さんの方がお客さんより多い(ゴメン!)。

バーゲンセールが「落差」だとすると、そもそも普段使いしてない人には落差がわからない。もちろん、タイガースグッズ目当ての人はいるだろうが。

ではなぜこれだけ集まっているかというと、
「なんとなく、見に来た」
わけだ。

だから、地下食料品売り場でも、「なんとなく、見に来た」人で洪水してる。

そういう連中に阻まれ、買いたいものも買えず、すごすご帰るのかお前。
何のために普段鍛えてるんだオマエ!!

と自分を叱咤激励、もう一度阪神へ戻った。

人の洪水は相変わらずだけど、要するに目的があってそこにいるわけではないから、すっと抜ける。すいすい抜いていける。

すいすい抜いて、目的のもの、全部買えた。この間、わずか3分。カップ麺タイム。

美々卯のお弁当を、お馴染みスタッフさんから買い(ラスイチだった)、次目指すは「コンビニ」と呼ばれる、地下食料品街にあるお店の「自慢の逸品」ばかりが集められたコーナーへ。ここは入口すぐの場所で、「なんとなく、見に来た」人には死角。誰もいない。

KYKのとんかつ、海鮮チヂミ、実は隠れた名品ポテサラ、点天の餃子。次々とカゴに入れ、レジも空(す)いてた。

美々卯はうどんすきで有名だけど、お弁当も美味しいのです

そして最後は、こればかりは外せない、南禅寺豆腐ちゃん(服部食品さん)木綿をゲットし(絹ごしは売り切れてた)、悠々と外へ。

帰路、しみじみ思った。
「なんとなく、見に来た」
という人たちって、日本人に多いんだろうなあ。

そして今日、連休最終日も、
「なんとなく、見に来た」
人で、埋まるんだろう。

ああ。やめよう。これ以上書くと、毒吐きそうになる(笑)

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