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僕とうつ病② 〜伝達〜

*この記事は ”僕とうつ病① 〜経緯〜” の続きです。

僕は現在苦しんでいる人。また、周りにそういった人がいてどうしていいのかわからない人にこの経験をもとに伝えたい。

心の病は外傷的な怪我よりも痛い。

うつ病になる前までは、うつ病なんて自分に関係のない病であり、辛さなんて全く分からなかった。

しかし、いざ経験すると対処法も分からない。何が正しいのかも分からない。なによりどんな怪我より心が痛い。暗く抜け出せない洞窟の中で静かにうずくまる。

うつ病は本来の自分を見失ってしまう。

おそらく、うつ病になる前の僕と同じ考えの人がほとんどだと思う。
全くうつ病に関する知識もなければ自分には関係のないことだと思っている人がほとんどだと思う。だからこそ知っておいてほしい。

うつ病は誰でも、そして突然なる病気なんだということを。

それは自分かもしれない。家族かもしれない。友達かもしれない。
だからこそ無視しては欲しくない。

そして、少しでも以前の自分と違った心の不調を感じたら、すぐに病院を受診するべきだ。精神科の病院は2週間先や1ヶ月先など予約待ちのことが多い。実際僕もいくつかの精神科へ予約の電話をした。長いところは1ヶ月先まで予約待ちだった。なるだけ早く予約の連絡を入れ、対処するべきだ。

もし自分がうつ病になったら、自分一人で抱え込まないことが最も重要だ。
僕の場合、この時長く付き合っていた彼女がいた。迷うことなく彼女に現状を伝え、相談した。また大学の保健センターへ行き、先生に隠すことなく全て打ち明け、顔が別人になるまで泣いた。
誰でもいい。SNS上でもいい。誰かに心の現状を伝え、顔が変わるまで泣き続けばいい。それだけでも心の苦しさは和らぎ少しは落ち着く。

少しでも心の不調を感じれば、我慢しないこと。

結論、一番我慢しないことが重要だ。
これはうつ病だけに限らない。どんな病でもいつもと違う。何かおかしいと感じれば、誰かに相談することからでもいい、自分で抱え込まないことが一番大切であり、自分を守るためには重要な手段である。

特にうつ病は、すぐに治るような病気ではない。早期発見で、軽度だった僕でもおよそ2年経った現在でも治療は続いている。つまり、よりうつ病の進行度が進んでいる人はその分もっと完治するまでにも時間がかかるということだ。そうならないためのにも、自身の心の異変を感じればすぐに医師に相談する。あるいは友人や家族、同僚などに相談することを僕は勧める。

もし、周りに精神疾患の友達や家族などがいたら。

うつ病の治療を開始してから約1年半が経ち、うつ病の症状は以前と比べるとだいぶ落ち着いた頃に、一番近くで支えてくれた彼女に、僕がうつ病になった時の心情を聞いた。すると彼女は「なんて声をかければいいのか分からなかった」と言った。おそらく、とても心配をし助けようと必死だったと思う。だが、うつ病になり、別人と化した僕を目の前にするとなんて声をかけていいのか分からなかったようだ。

これは彼女だけの話ではない。おそらく、多くの人がなんて声をかけ、どう言った行動をとればいいのか分からないと思う。

なぜなら、答えは単純。うつ病になった人を目の前にしたことがないからだ。
風邪をひいた人なら目の前にしたことがある。熱を出し、布団の中で寝込んだきりの人なら目の前にしたことがある。怪我をして、膝から血を流している人なら目の前にしたことがある。しかし、うつ病になった人を目の前にしたことはない。おそらく、多くの人が後者にあたるのではないだろうか。

ではどうすればいいのか。

実は難しいことではない。無理な行動はしなくていい。ただ、その人のそばにいて、たわいもない日常会話をすればいい。そして、何があっても味方でいてあげればいい。

うつ病になった人は、一人になると色々とネガティヴな考えを巡らせ、どんどん苦しくなる。実際に僕がそうだった。一人暮らしだったこともあり余計に暗い洞窟に入っていく。常にそんな気分だった。
だからこそ、一人にしないことが精神疾患になった人にしてあげる重要なことだと思う。

また、そばにいて「今日の晩御飯なににする?」「このテレビおもしろいね!」と会話をしてあげればいい。
「大丈夫?」「頑張ってね!」など当たり前のようにかけそうな言葉は、かえって心の負担になる恐れがある。大事なのは、言葉をかけるのではなく、会話をすることだ。無理に同情しなくていい。

うつ病は治る。

最後に、うつ病は完治する病気である。これはまだ治療中の僕が言えることではないかもしれない。だが、実際にうつ病になり、完治し、幸せな家庭を持っている人がおり、僕はその人とお話ができた。その人と話すと ”僕も絶対に治す!” と前向きな気持ちになれた。

また、実際に僕自身も治療を続けて約2年。いろいろなことを前向きに捉え、チャレンジするようになった。この記事も自身の経験からの思いを多くの人に伝えると共に、自分にとっては一つのチャレンジでもある。つまり、たくさんチャレンジできるまでに回復した。僕はこのチャレンジできるようになった自分を大切にしていきたい。


うつ病は誰でもなりうる病だ。軽度の僕でも、もう2度とかかりたくないと思うほどの病だ。だからこそ、自分の経験をもとに皆さんにお伝えしたいと思い、この記事を書く決意をした。

自分のネガティヴな感情、自分の妄想という鋭いナイフで心を傷つけて欲しくない。僕と同じような人が増えて欲しくない。そう願っている。


*お読みいただき、ありがとうございました。
この記事はあくまで自身の体験をもとに、様々な精神疾患がある中、うつ病を中心として自身の考えや思いを書かせていただきました。
少しでも多くの人に読んでいただき、同じような人や周りにそういった人がいる方々の助けとなれば幸いです。また、うつ病についての知識がなければ、自分には関係のないものだと思っている方の心に留まればとも思っております。

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