有り触れたもの と 有り触れないこと -(仮称)古澤邸の場合-
『(仮称)古澤邸』(設計:リライト_D +日本大学理工学部古澤研究室,2019年竣工)について、そこでの体験と建築家・古澤大輔氏により執筆され、2018年度に発表された博士論文「再生建築における <転用> の建築論的分析及び実践的検証」を通して、実際の建築と手立ての建築(創作論)について幾ばくかの読み解きを試みたい。
幽体離脱した建築
唐突な比喩であるが『(仮称)古澤邸』を訪れてみて最初に思い浮かんだ言葉は、[幽体離脱]であった。
幽体離脱-生きている人間の肉体から、霊魂