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『星空の夜』

生きていくことって、自分自身との一生の付き合いで
その自分と付き合うのだけでも一苦労なのに
周りにたくさんの人がいて
傷ついて、時には傷つけて
思いも寄らない悲しいことや
逆に嬉しいことに巡り合ったりする

僕は気がつけば自分のゲイというセクシャリティを
生活のどこかで受け入れて寄り添って生きていくことを受け入れたけど
心のどこかでは「ゲイじゃなかったら」の人生を思い描いたりする

きっとこの広い世界のどこかでは
僕が出来たその自分を受け入れることが出来ずに
今ももがき苦しんでいる人がたくさんいる

僕らは夜空に散らばる星屑のように
一つでは歪な輝きしか放てないかもしれないけれど

どうか負けないで ひとつずつ紐解いて
自分自身の混乱も愛せるようにいてください

そうやって言い聞かせながら僕もずっと生きているよ


***


他愛もない日々が
続くものと信じていた
疑いさえもしなくて
俯く横顔にも気付かずいた

財布の中身など
関係ないと思っていた
馬鹿で計画性の無い
僕を 君は笑って叱った

あんなにも「愛してる」と
囁いても足りない
なんて僕はその代わりにさ
何が欲しいの?

この声が君に届かない季節が
待ち受けているとしたなら
今ここで見てる美しい夜空を
覚えていられますように

推し量る 気持ちを
当てられたらどうしたらいい?
どんな顔して 頷いたら良かったのか
今もわからない

嫌い、を超えてもう二度と
会いたくないと突き放し
何度だって 思い直しては
やり直してきた

まだ見えぬ未来
流れ星の先に
僕らまだ一緒にいるなら
どんな惨めな思いをこらえてでも
離さない

星空を照らす白銀の月を
ねえ 君に差し出せるくらいに
僕のこの手で掴めないものは
きっとないんだ

下手くそな声で
この歌を歌うよ
互いに見失わないように
間違いだらけの
夜明けを迎えても
ふたりで 生きていきたい


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