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事業会社と機能会社とは

▼事業会社とは
なんらかの事業を行って利益を上げている企業を指します。日本においては製造業がイメージしやすいですが、たとえば車を製造する事業(トヨタ自動車、本田技研工業)薬を生産する事業(ジョンソン&ジョンソン、武田薬品工業)電化製品を生産する事業(Panasonic、Apple)インターネットサービスを提供する事業(Yahoo、リクルート)とすべてが事業会社となります。

▼機能会社とは
会社には様々な機能がありますがその機能を他社に提供することで事業としている企業を指します。機能は大別すると大きく4つ:組織/マーケティング/生産/財務に分けることができます。大手企業100%子会社で事業会社を支える会社のことを指すことも多いですが、ここでは定義をより広く捉え事業運営においてなんらかの機能を提供する会社を機能会社と呼びます

たとえば広く捉えると以下のような企業群がイメージされます。
・組織:人材紹介会社、アウトソーシング
・マーケティング:広告代理店、PR会社、Webマーケティング会社
・生産:製造委託会社
・財務:銀行、税理士法人、監査法人
・IT(社内SE):SIer、システム会社
・経営+全般:コンサルティングファーム

▼キャリア形成においての考え方
事業的な分類は一定にしていつも通りキャリアについて考えていきます。もし「私は”人事”としてのキャリアを積みたい!」と考えている方がいるとします。どのような方向性が考えられるでしょうか。まずは新卒採用において”人事”を前提とした部門別採用でキャリアをスタートすることも考えられますがそのような採用方法は日本企業では少なく、総合職からのジョブローテーションを待つことになるでしょう。またジョブローテーションの機会はいつになるかわかりませんし、希望する機能の人員枠は顧客折衝職と比較して少ないです。外部から中途採用を目指す場合は、やはり即戦力としての知識や経験が求められます。これはループするようですが同様の職種での経験が詰めていない限りつけることができず、結果として未経験枠を待つようになりますが残念ながらそのような採用はほとんど行われていません。

そこで「機能会社で経験を積み、事業会社の機能での中途採用を目指す」という道が有望であると考えられます。機能会社の場合は、すぐにその仕事に着くことができほとんどがその仕事となります。つまり事業会社と比較すると入社しやすくその仕事にダイレクトにつくことができます。ただし同じようなことを考える方も多いため、その中でも考えてキャリア形成する必要があります。まずはきちんとその仕事の「スキル」があることですが、これは10,000時間の法則で伝えましたが3〜5年程度その仕事を集中して経験することにより身に着けることができます。次に顧客視点の「スタンス」で自社の利益ばかりではなく顧客の側にたって(よく言われた)提案ができているかによって自分が顧客になった際の視点が変化します。また事業会社で働く場合には他の部署との連携がより重要となるため「チームワーク」が大事であります。自分の成績や評価のことばかりを考えていては難しいです。たとえば、制作さんやCSさんやアシスタントさんのような協力してくれる仲間と協働することが当たり前であると骨の髄まで染み込んでいる必要があります。

▼身近での具体的なキャリア形成事例
・博報堂出身の方が、大手ネット企業のマーケティング部長
・リクルート出身の方が、人事・採用(このルートはめちゃくちゃ多い)
・三菱UFJ銀行出身の方が、ベンチャー企業のCFO
・野村総合研究所出身の方が、製造業の情報システム部門長
・アクセンチュア出身の方が、大手製薬メーカーの経営企画室長

私の身近の友人・知人だけでもこのようなキャリア形成事例はいくらでもあります。キャリア形成そのものは計画的偶発性理論でもあるように偶発的な出来事によって左右されますが、職種についてはある程度計画的に設計できますし、逆にルートからはずれしまうとその道に戻ることは難しいです。そのためもし若手でキャリアに悩んでいる場合にはプロ(キャリアコンサルタント)に相談ながら選択していくといいと思います。もし、私と会話したい方いたらぜひご連絡ください。笑