ちいさな庭だより。2022年10月号。

[intro]
 ようやく過ごしやすい気候となってきた。天気の良い日は特に清々しく、今月は法事のために能登の家に行ったり、恒例の草花交換会にも参加したり、と秋晴れの中あちらこちらへ出向くことが多かった。街路樹の紅葉も進んで、秋ならではの景色にしばし見とれることも。やっぱり秋が好きだなぁ、としみじみする。
 
  
 

[街なかの、裏庭より。]

 

 初旬には能登の祖父母の家で、ざっくり草むしり。法事や友人のイベント参加とスケジュールが若干タイトだったので、スギナなどの目立つ草をほどほどに取ったり、枯れたフランス菊の枝を片付けたり、といった程度にしておいた。いずれはしっかりと時間を取って作業したい。
 天気が良かったので玄関や窓を開けて風を通していたら、草むしりに没頭しているうちに近くの猫がそっと家の中に上がり込んでいたらしく、作業を終えて玄関に入るやいなや、猫が鈴を鳴らして慌てて出ていく、というほほえましいハプニングもあった。
 

 

 猫といえば、旧宅の庭にも。先住猫にそっくりのキジトラが、どうやらときおり訪ねてきているようで、先日は窓越しにはちあわせとなった。小柄ではあるが体つきはわりとしっかりしていて、毛づやも悪くない。カラーはついていないけれど、きっとどこかで世話になっているのだろう。特にこちらに何かを求める風でもなく、なついてもくれなさそうだ。(ちょっとさびしいといえばさびしいが。)


(イチイの実)

 その旧宅では、イチイがまだ実をつけていたり、ニオイスミレが咲いたりしている。イチイの根元に地植えになっているイチゴには実がなっていた!残念ながらアリとナメクジの餌食となっていたが、こんな時期にもできるのか、とまた驚き。
 旧宅の庭の、プランターで管理していたイチゴたちは、ポリポットに鉢上げして草花交換会へ。白の秋明菊はチームセンスオブワンダーのMちゃんの畑へ輿入れ。小菊たちは蕾が上がってきているので、これからどうするか考える。
 
 

 

 そして恒例になったツマグロヒョウモンのお世話。その後2匹が死んでしまい、なんとか1匹が月末に羽化した。なんともしれーっとした、そっけない男子であった。ニオイスミレに産卵がなかったのが少々さびしい気もするが、アリアケスミレがすっかり野良化して増えており、県内の別の場所では結構たくさん生まれていたようなので、来年に期待しようと思う。
 

 

 下旬は恒例の、草花交換会へ。富山会場では多肉植物と段菊、パープルセージの枝や無臭ニンニクなどをいただいてきた。多肉植物はいつも水をやりすぎているのか、うまくお世話できたことがないので、再チャレンジ。土が乾いているとつい心配になってしまうのだけど、ぐっとガマンして(笑)水やりのペースをキープすることにしている。今のところ根も伸びてきているので、なんとかなっているのではないかと思う。パープルセージはしっかりした枝だったので、分割して挿し芽。ウチの庭の分だけでなく、来春の交換会にも出せるようにしておく。元気に活着してくれますように。
 魚津会場は植物に詳しいマダムのみなさんがお越しになるので、お話を伺うのがまたたのしい。春の開催時に輿入れした睡蓮のその後も報告。こちらではヒモサボテン(実は富山会場にあったのだけど、残っていたので)、コバルトセージ、ガーデンルー、風知草をチョイス。ガーデンルーはウチにあった苗が絶えてしまったので、比較的良い状態の苗を再び迎えられてよかったと思う。
 こんな調子なので、庭が本当に片付いていっているのかどうか、正直なところよく分からない(笑)。ただ、毎回世代を超えて植物をこよなく愛する人たちが穏やかに交流し、庭から庭へと植物たちがいのちをつないでいくことがうれしく、たのしいのだ。
 今年は来月初旬にもう一度、今度は初めての場所で実験的に交換会の開催が決まっており、そちらにもヘルプで参上することになっている。これについてはまた来月号でご報告できれば。
 
 
 [ロザリアンへの途…ぼちぼちでんな。]
 

(アイズ・フォー・ユー)

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