ちいさな庭だより。2023年12月号。

[intro]
 庭の引っ越しから2年が経とうとしている。まだすべての引っ越しを終えたわけではないので、これからも整頓の日々は続く。交換会で行き交う植物たちもあるので、春の本格的な庭仕事シーズンまで、せまいながらもどこをどう手入れして気に入った庭にしていくか、じっくりと妄想することになりそうだ。
 
[街なかの、裏庭より。] 
 

(イングリッシュオークの葉)

 暖冬のウワサは本当かもしれない、と思っていたら、下旬にさしかかったところで唐突に冬将軍がお出ましになり、警報クラスの大雪という言葉におののいていたが、こちらはせいぜい20cm程度の積雪で済んだ。むしろ祖父母の家のある能登地方が記録的な積雪となり、祖父の作業小屋の屋根が損傷するといった事態に。今後も天候が落ち着いたままであれば一度状況を確認しに行きたいところだが、今回のように急に天候が変わるのは危険も多いので、ひとまず3月まで様子を見ることになりそうだ。
 

(レモンバーム)

 さて、その雪の降ったちいさな庭はというと、水分を含んだ重たい雪だったため、オリーブの枝がたわんだり、シロタエギクやスパイクラヴェンダーが折れたり、侘助のちいさな鉢がひっくりかえったり、ということはあったものの、致命的な問題は見たところなさそうである。というか、本当は「今年は本当に暖冬なんだねー」なんてぼんやりせずに、枝打ちなどをもっとせっせとやっておくべきだったのだけれど。
 まあそれでも、先月に心配していたブラックベリーのカイガラムシの駆除作業や、シモツケソウやヨモギの古い葉を撤去する作業など、さすがにやっておいた方がいいかな、と思っていたところはなんとかクリア。
 

(多肉植物たち)

 室内管理チームは、今のところなんとかうまくやっている、という感じ。むしろ晩秋から元気になってきたものもあるので、興味深い。一時はどうなることかと思っていた花月(カネノナルキ)も安定感のある姿になってきたし、先月号に画像を載せたダシフィルムも、最初はほんの一枝だったものがモリモリと増えてきて、うれしい。ぜひともいつかこんもりとした愛らしい姿に育ってくれたらと思う。
 

(シクラメン)

 そして、いよいよシクラメンがシクラメンらしくなってきた。葉が開いて、模様が見えてきたのを確認した日はとてもうれしかった。蕾もいくらか見受けられるので、何色のどんな花を咲かせてくれるか、今からとてもたのしみにしている。葉組みができるくらいにまで育ってくれますように。
 

(ヒヤシンス)

 夏越しをしたヒヤシンスもゆっくりながら順調だ。分球したちいさな球根も葉をつけているので、このまま一緒に育ててある程度の大きさになってくれたらと思っている。外の球根植物たちはまだ音沙汰なし。十分な寒さに当たっていない、ということもあるのだろうか。もうしばし様子を見る。
 

(ツマグロヒョウモン成虫・雄)

 

 

 幼虫の数の割に羽化した数が圧倒的に少なかった今年のツマグロヒョウモンだが、今月上旬に1匹が羽化した。冬にしては比較的暖かいとはいえ蜜源も少ないので、予定通り室内でバタフライケージで過ごしてもらっている。毎日ハチミツ水の食餌。最初からちゃんとじぶんで口吻を伸ばして飲んでいるおりこうさんだ。
 目下は3齢くらいの幼虫が2匹、終齢幼虫が2匹、蛹が2つ。幼虫たちについては、いかんせん食草の確保が本当に難しいタイミングなので、なんとかこらえてほしいと思っている。蛹の方は、あたたかい日が続けば年明けあたりに羽化するのではないかと思っている。
 スミレも蝶も大事にしたいという気持ちからはじめて、やはり見て見ぬふりはできず、結局今年もツマグロヒョウモンのお世話をする羽目になってしまった。夏の脅威的な高温や食草の不足など厳しい一年だったが、羽化までできた個体が少しでもあってよかったと思う。
 
 
[ロザリアンへの途…冬休み、のはずだけど。]


(アイズ・フォー・ユーの蕾)

ここから先は

583字 / 1画像
この記事のみ ¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?