ちいさな庭だより。2023年3月号。

[intro]
 観測を始めて最も早い桜の開花を迎えた、というニュースに、さもありなん、と思いながら庭を眺めている。今月は思いのほか気温の高い日が多かった。そのせいか、このちいさな庭もすでにあれこれ芽吹いて、にぎやかになっている。引っ越しから一年が経ち、新たなスタートを迎えるちいさな庭である。 
 
[街なかの、裏庭より。]

(シモツケソウ?)

 三寒四温に翻弄される3月ではあるが、あたたかい日が多かったおかげでいろんな植物に動きが見られて喜んでいる。
 アスチルベと思って引き取ったこちら、キョウガノコでは?と交換会のTさんから教えてもらい、調べてみたところ確かにアスチルベではなさそうで(アスチルベとして交換してしまった方、ごめんなさい!)、しかし花の色の塩梅がキョウガノコとも少し違うような感じがして、ひとまずはシモツケソウなのではないか、というところに落ち着いている。目下、ちいさな庭の中では一番に元気だ。昨シーズンは引っ越しのストレスもあったのか、うどんこ病がひどかったが、今のところは症状もおさまっているようだ。今季は花も咲いてくれることを期待している。
 

(タチツボスミレ)

 昨秋から咲いていたニオイスミレに代わり、タチツボスミレが咲き始めた。秋の時点で葉が少なくなっていたのを気にかけてはいたのだけれど、たくさん蕾を上げてきている。種が飛んで増えるといいなと思う。アリアケスミレも芽吹いているが、花はもう少し後になりそうだ。こちらはすでにあちらこちらに種が飛んでいるので、むしろ整理が必要かもしれない。
 そして、このスミレ類を食草としてきたツマグロヒョウモンたちは、結局雌雄同数の羽化となり、残り2匹となった。蛹のままその生涯を終えた前回よりは良かったと思うが、やはりケージの中での一生は、生まれたタイミングによるとはいえ、なんだか不憫である。今度は成虫になった後に、外へ羽ばたかせてやれることを望む。
 

(ブルーベリー)

 

(野いちご)


 ハーブやベリー類が早くも芽吹いたり、蕾をつけたりしている。気候のことだけでなく、どうやら環境も旧宅より好みなのかもしれない。ブルーベリーと野いちごには既に花がついている。フサスグリは従来より葉の付き方が多い。ブラックベリーとクランベリーはこれからといったところ。スズメだけでなく、ヒヨドリやカラスもときおり庭にやってくるようになったので、実を食べられないようにタイミングよく収穫しなければ、と思っている。
 

(ラムズイヤー)


(ガーデンルー)


 すっかり雪の下に埋もれていたラムズイヤーも、なんとか復活した。ほかにはチャイヴやレモンバーム、セージ類、パクチー、ラヴェンダーもなんとか冬を越してくれたようだ。ローズマリーは花を咲かせている。マジョラムは交換会用に分けたものは枯れてしまったようだが、元の苗と室内管理の苗は無事。秋の交換会で輿入れしたガーデンルーも新芽が出てきた。昨年はナミアゲハがよく飛んできていたから、もしかすると産卵があるかも。
 

(謎の球根の正体は…)

 そして、先月号でも触れた、謎の球根である。いつの間にか花を咲かせていた!しかし、これはクロッカスでもムスカリでもない。ヒヤシンスのようでもあるが、違うような気もする。というわけで調べてみたところ、どうやらチオノドクサ(ユキゲユリ)というヒヤシンス寄りの植物のようだ。ヒモサボテンの鉢から出てきたときもそうだったが、芽吹いた上に花まで咲いて、思いがけないことの連続に驚いている。何か分からないのでポリポットに植えていたが、これで正体が判明したので、花が終わってもう少し暖かくなったら鉢に植え直すことにした。
 

(西別コケモモ)

 旧宅にあった頃から育て方がいまひとつわからなかった西別コケモモに、いよいよ蕾のようなものがつき始めた。葉はクランベリーによく似ているが、花はどちらかというとブルーベリーの花に似ている。ちいさな鉢でコンパクトな状態でも今のところは安定しているようだが、植え替えを考えるべきか、迷い中。
 この他、アジュガも蕾が育ってきているし、交換会でやってきた風知草も芽吹いた。睡蓮もちいさな葉のようなものを水の中に確認したので、冬を越せたのではないかと思う。旧宅ではアカメヤナギがおおきく育ち、唐桃の花も咲いた。また、室内管理の植物たち、特に初めてのチャレンジだった多肉植物たちも今のところ順調に育っており、今後が楽しみだ。春は、世の中がせわしなかったり、花粉に悩まされたり、と苦手なこともあるにはあるが、こうした庭の植物たちの動きがつぶさに感じられるところは、やはりうれしい。来月以降も報告することがたくさんありそうだ。

 
 
[ロザリアンへの途…お目覚めです。]
 

(五色姫バラ)


(マダム・ヴィオレ)

 

(ジャクリーヌ・デュプレ)

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