ちいさな庭だより。2022年9月号。

[intro]
 週末毎に台風がやってきたり、前線の影響でひどい雨になったり。月末になってもまだ、夏が居座っているかのような高い気温の日もあり、どうにも落ち着かない。秋らしさを感じることといえば、風に乗ってどこからともなく香るキンモクセイと、日暮れが早くなったことだろうか。庭作業をする時間がだんだんと限られてくるのが悩ましい。
 
 
[街なかの、裏庭より。]

(秋海棠)

 今年の台風は、日本海側に回り込むことが多いようなので、この機会に鉢植えの模様替えをすることにした。風が強まる日の前に、飛ばされそうなちいさな鉢を移動し、台風が過ぎてから新たな置き場所をつくる、といった感じで、レイアウト変更。幸いおおきなダメージはない。
 

(ルドベキア…?)

 実は先月あたりから、ラムズイヤーの鉢の中に、消滅したと思っていたルドベキアと思しき植物が芽吹き、ここのところどんどんおおきくなっている。アオツヅラフジの鉢にも同じようなものが生えてきているので、こちらと合わせてしばし様子を見る。以前、旧宅では根っこを文字通り根こそぎ虫に食べられてしまったので、もしこぼれ種がこうして発芽して育ったのだとすれば、とてもうれしい。
 

(パクチー…?)

 そして発芽といえば、こちらも。パクチーを植えていたプラ鉢の中に、何かがまとまって芽吹いている。畑ではなくなったこのちいさな庭では、ハーブ類は数少ない食べられる植物。パクチーが復活してくれればうれしい。
 先日、ダメ元で古い種を旧宅から持ってきて蒔いたばかりなので、さすがにそれとは別の、おそらくこの夏にできた種だろうと思う。旧宅のご近所さんからいただいたパクチーなので、スーパーマーケットに並んでいるものより少々ワイルドな風味でとてもおいしい。そして、こうして育てると根も食べられるので重宝している。
 

(ニゲラ)

 なんだかすっかり秋の発芽祭りになっているが、こちらはニゲラ(クロタネソウ)。春に芽吹いて育っていた方は、ナメクジに食べられたのか夏には跡形もなくこちらも消滅してしまった。種のストックがいくぶんあるので、蒔き直してみたところ、発芽。以前、冬を越したことがあるので、今からそこそこのおおきさにまで育ってくれれば、来年には花をつけてくれるのでは、と思っている。
 

(和綿・実)

 一方、種ができたのは、和綿。ちゃんとふわふわの綿になったことに驚く。いかんせん1本だけなので、撚糸の予定はなく、ドライにして眺めているだけだが、いずれ中から種を取り出して、来年の春にまた植えてみようと思う。
 


(侘助・一重)

 室内管理の植物たちにもいろいろと変化が見られる。モミジバゼラニウムは少々体調不良気味。暑いから、と水をやりすぎたのがいけなかったか。再起を願って思い切って根を整理したレモンマートル、復活の見込みはなさそう。残念だ。
 能登の祖父母の家から挿し枝をもらった一重の侘助は、ここのところ急に新しい芽を伸ばし始めた。もともとゆっくり成長するものと思っていたので、驚いている。花をつけるまであとどのくらいかかるだろうか、ともあれたのしみにしている。
 

(ツマグロヒョウモンの幼虫)

 そして…今年は出会えないかと思っていたが、ある日立派な雌のツマグロヒョウモンが庭に飛来し、これは産卵したかも、とスミレの鉢を確認していたら、既に2齢から3齢ほどの幼虫をアリアケスミレの葉に3匹発見!
 もしかするともう少し卵があったのかもしれないが、新しい庭にはアリが多く、食べられてしまったのかもしれない。ニオイスミレ、タチツボスミレも見てみたけれど、卵はなし。過去2年の経験から、アリアケスミレがいちばん食いつきがいいのは知っているのだが、この庭ではニオイスミレが多いので、試験的に2種を食べてもらっているところ。タイミングとしては、昨年と同じくらいで少々遅い。なんとか羽化できますように。
 
 
 
[ロザリアンへの途…蕾は上がっているけれど。]

(グリーンアイス)

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