ちいさな庭だより。2023年5月号。

[intro]
 土用明けから庭仕事シーズンの到来を満喫した今月。あいかわらず気温差が大きく、ときおり真夏日の気温になり心配する日もあったが、植物たちはなんとか花を咲かせたり実をつけたりしている。芽吹いたばかりの若葉の緑もまぶしい。今季の朝ドラよろしく、庭に出ると時間を忘れてしまうタイプの人間だが、この季節は特に夢中になってしまう。
 
 
[街なかの、裏庭より。]
 

(百日紅)

 今月は上旬に、能登の庭の除草からスタート。一言で表現するなら「スギナ祭り」だった。それだけスギナが繁っていたということは、ツクシがたくさん出ていたのだろうな。ちょっと見てみたかったような気もする。叔父のバラも、祖父の侘助や百日紅も健在のようで、安堵。
 除草の度にタツナミソウを残すことにしているのだが、苗そのものは残っているものの、花はいまひとつ。タイミングがあわなかったか。
 毎回どこかに松のちいさな苗が育っているのを探すのが、実はひそかなたのしみになっている。今回も1つ発見。ただ、このタイミングで移植すると枯れてしまうようなので、割れた素焼きの鉢を目印にしておいて、晩秋まで様子を見ることにした。 
 

(千島ツガザクラ)

 帰りにいつも立ち寄る道の駅に山野草の販売コーナーがあって、これもまたたのしみのひとつ。今年咲いた西別コケモモも、このコーナーからやってきた。今回は千島ツガザクラを輿入れ。本来の開花期は夏のようだが、高い気温に影響されたのか既に1つだけ花がついていた。植えつけた後、今のところは落ち着いているようだ。
 そして西別コケモモも、今月中旬に再び花を咲かせた。両掌におさまるほどのちいさな苗なのに、ルビーロウムシと思しき虫がついており、慌てて駆除!これからも気をつけていなければ…。
 

(クランベリーの花)


(ブラックベリーの蕾)

 目下、さまざまなベリー類が花や実をつけている。クランベリーはユニークな白い花を一斉に咲かせている。過去に挿し芽を試してみたが枯れてしまい、増やし方を調べてみると根伏せで増やすということだったが、剪定した枝を水に挿して飾っていたら細い根が生えてきたので、それもちいさなポリポットに植え付けて様子を見ることにした。水に挿したままの枝も花が咲いたところを見ると、意外にたくましいのではないだろうか。
 ブラックベリーは昨年よりは蕾が増えた。苗をもらった当初ほどではないが、実が増えるのはうれしい。2種のイチゴたちは収穫期。連日数粒ずつ収穫しては、ジャムのために冷凍している。今季はどういうわけか、ナメクジによる食害が少ないのでありがたい。ブルーベリーは花が終わり、ちいさな緑色の丸い実がふくらみはじめた。
 

(和綿)

 昨年初めて植えてみた和綿は、1つだけ発芽した苗から種を取り、土に有機石灰を施して今年再びチャレンジ。なんと、今年は発芽率100%!昨年の経験から少し多めに蒔いたところがすべて発芽してしまったので、うれしい反面少々悩ましい。移植を嫌うから直まきにしたのに、こんなに芽吹いてどうしよう…というわけだ。
 

(シモツケソウ?)


(ニゲラ)

 昨年絶不調だったシモツケソウは無事開花!やはり若干うどんこ病が見受けられるが、昨年よりはかなり元気になっている。ニゲラも、いつもよりおおきく育った。蕾が白っぽいので白い花が咲くのかと思ったが、開いてみたら青だった。オルレア共々、いくらかは花を取らずに種になるのを待つ。ラヴェンダーもクリーヴランドセージも花穂が上がってきたし、睡蓮もようやく、ちいさい葉が水面に浮かびはじめた。
 

(ビオラ・ラブラドリカ)

 今年最初の草花交換会は、雨のため1週間延期になった。こちらからはハーブ類とバラ苗、行李柳など用意。パープルセージやセンテッドゼラニウムは、昨秋の交換会などで切った状態で提供されたものを挿し芽して、今回持って行った。名前のとおりちいさな庭ゆえ、輿入れしたすべての苗を引き受けるのはむずかしいが、挿し芽や株分けによって次の交換会で誰かの庭へとつなぐことは可能だ。そうした苗がこの頃少しずつ増えてきた。今回新たに迎え入れたのは、名前の分からない斑入りの植物と、スミレの園芸種で濃い葉の色が美しいビオラ・ラブラドリカ、そしてさまざまな多肉植物。ビオラ・ラブラドリカはちょうど種ができていたので、ポットの中に蒔いておいた。発芽が待ち遠しい。
 

(ヒモサボテンの花)


(新たな多肉植物!)


(サボテンもいろいろ)

 室内の植物たちもおおむね元気だ。中でも多肉植物が育っているのがうれしい。ヒモサボテンは赤い花が咲くと聞いていたが、こんなに愛らしい花とは思わなかった!今回の交換会で新たにサボテン4種とそのほかの多肉植物も4種やってきた。特にサボテンの鉢は寄せ植えになっており、どの苗も比較的おおきいので株分けに挑戦してみた。うまく活着しますように。交換会は来月もあるので、またどんな出逢いがあるか、たのしみにしている。
 
 
[ロザリアンへの途…よく咲きました。]

(ドッグローズ)

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