大麻について#3

北米を中心に巻き起こった大麻ビジネス。北米での鍵となったのは、医療用、嗜好用大麻の合法化・非犯罪化だった。

 アメリカでは2018年に農業法の改定により、THC成分の含有量が0・3%以下の大麻草が産業用ヘンプとして大量栽培が可能に。それを皮切りに、カンナビジネスに新規参入する農家が爆増し、CBDの認知度が上がり、健康成分として人気に火がついた。

 しかし、2020年頃にはFDA(アメリカ食品医薬品局)の規制が始まり、空前のCBDブームは一時収束を迎える。

 また、多くの農家が新規参入したものの、大麻草は栽培が難しく、有効成分の抽出量も少ないため薄利。また、大麻関連企業は、銀行からの融資が受けられないため、資金繰りなど小規模事業者には厳しい局面も多いという。

 一方アジアでは、2018年にタイ、2019年に韓国で医療用大麻が合法化された。特にタイは、CBD医療によるメディカルツーリズムが発生し、観光資源として成立している。

 現在、アメリカでは、嗜好用大麻の使用は州によって違法か合法か判断が分かれる。しかし、バイデン政権下で、全米での嗜好用大麻の合法化が検討されていることから、再びカンナビジネスに注目が集まっている。

 欧米のような株式投資面や農業面でのグリーンラッシュは起こらないでしょう日本でも流通するCBD製品の数は増えていますが、欧米でのグリーンラッシュは、THCが含まれた嗜好用、医療用大麻がメインです。現在の日本が同じ道をたどることにはならないでしょう。古くから日本になじみのある〝麻〟にまつわる産業が見直される『日本式のグリーンラッシュ』であれば、今後可能性があるかもしれません。ですが、それも時間をかけて進んでいくのだと思います。

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