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疑問を行動に結びつけるために

自分が顧客であった時の経験を仕事に生かします。
そのために集めた事例のひとつをご紹介します。

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飲食店でテーブルの上にPOPがあります。  
「今、ケーキはいらない」、だから注文しない。  
これでは「気づき」につながりません。何の発展もありません。

この「注文しない」という具体的事実を取り上げてみます。

「POPに書いてあるケーキを何故注文しなかったのか?」

こんな疑問を持ってみます。


この時、POPに書いてある言葉を確かめます。
「おいしい○○ケーキです」、この言葉にはひきつけられない。

「このケーキは、○○シェフが朝何時に起きて作っています。
 ここまで完成するのに実は1年かかりました」

こんなことが書いてあれば、注文したくなるかもしれません。

そうです。 

行動しない原因のひとつに商品案内のコピーのまずさがあります。
案内の書き方の問題です。

その他、何があるでしょうか?

商品のみに焦点を当てていませんか。
だから一見して、その商品に興味がなければ見向きもしません。

視点を変えて、ケーキを作った人に焦点を当ててみませんか。
商品に作った人を含めた物語を持たせることです。
 
物語ですから主人公のシェフの名前も固有名詞で入れる必要があります。
名前を入れることで行動がよりリアルに表現できます。


この事例を、気づきを生み出す疑問の持ち方 でご紹介した
「私の顧客としての経験シート NO.1」を使って整理してみます。


(具体的事実)
「テーブルの上に案内されているPOPのケーキを注文しない」

(具体的な疑問)
「POPに書いてあるケーキを何故注文しないのか」

今、自分がお客様としての立場で考えていますが、あなたがケーキを売って
いるとしたら同じような疑問をお客様に対して持ちませんか?

(原因の追究)ラウンドでは売り手としてではなく、買い手として原因を
考えます。

(原因の追究)
・このケーキに引きつけられない
・商品の説明しかない
・ケーキの中身(詳細)がわからない
・説明内容が少ない
・「おいしいケーキです」の言葉に関心がない

などをあげています。

ここで書かれたものを整理します。

「何故このケーキに引きつけられないか?」
商品説明だけでなく、作った人やケーキにまつわる逸話が
欲しかったのかもしれません。

「何故ケーキの中身(詳細)がわからないのか?」
その原因に、説明不足があるかもしれません。

「このケーキに引きつけられない」原因のひとつに
「商品の説明しかない」があります。

挙げられた原因の原因(要因)となっています。
このように原因を書いていくと構造化されることがあります。
よく言われる「何故何故問答を繰り返した」状態です。

ここでこの構造を考えることは必要ですが、あまり深く考え込むと
前に進むことができません。
今はとにかくこの関係を気にせずたくさん書いてください。
他の演習を繰り返すことで徐々に洗練されていきます。

注意することは抽象的な表現に終わらせないことです。


例えば
「このケーキに引きつけられない」→「商品の説明しかない」と
原因も、抽象的表現ではなく具体的表現になるようにして下さい。

「何故ケーキの中身(詳細)がわからないのか?」
これも「説明内容が少ない」が原因のひとつになっています。

では「おいしいケーキです」の言葉に関心がない
これはどうしてでしょう?

ここで注意して頂きたいことがあります。

「おいしい」
「安心」
「信用」
「信頼」

などの言葉はお客様が使う言葉です。
お客様が判断して使う言葉です。
売り手が使う言葉ではありません。
この言葉を見た途端、気持ちが離れてしまうことがあります。

ちょっと注意が必要な部分です。
使うならより具体的に使うべきです。

例えば、
「子供さん達が、『おいしい、おいしい』と言って食べてくれます」
と、『おいしい』と言った主語をお客様にすべきです。

原因をいくつか挙げてみました。関連性も考えてみました。

Aグループ「このケーキに引きつけられない」「商品の説明しかない」
Bグループ「ケーキの中身(詳細)がわからない」「説明内容が少ない」
Cグループ「おいしいケーキですの言葉に関心がない」


この書いたものを見て、自分の視点に欠けているものはありませんか?

この例でいえば、ビジュアル的な部分が欠けています。
POPですから写真があります。
「そのケーキの写真に興味がなかった」という原因が、本当はあるはずです。

でもここでは書かれていません。

それは何故か?

私の関心が、「文章」や「書かれた表現」にあるからです。

どうしても自分の関心ばかりに偏ってしまいます。
ですからここで自分の視点を再度確かめてみます。

そして私なら、「ビジュアル的視点」を加えます。
それが新しい視点として加わり、次のモノを考える時に使うことが出来ます。

この作業は、書かないと出来ません。
書いたものを眺めてみないとわからないことです。

原因の追究までは終わりました。


Aグループ「このケーキに引きつけられない」「商品の説明しかない」からは
「説明内容の中身」というキーワードが導かれました。

Bグループ「ケーキの中身(詳細)がわからない」「説明内容が少ない」からは「説明内容の分量」が導かれました。

Cグループ「おいしいケーキですの言葉に関心がない」からは「売り手の言葉とお客様の言葉」が導かれました。

「説明内容の中身」「説明内容の分量」「売り手の言葉とお客様の言葉」

このような言葉をキーワードで残して下さい。
キーワードですから、抽象的な表現でも構いません。

さあ、これをどのようにして自分の仕事に活かしていくか?

そのまますぐに活かせる部分もあるでしょう。
変えれるものは、このキーワードを使ってすぐに変えて下さい。

でも必ずしも急ぐ必要はありません。
現段階ではキーワードとして残せれば十分です。

一見して自分の仕事に関係ないキーワードでも
後に行う演習で関連が出てくることもあります。

始めはたくさんのキーワードを残すことに集中して下さい。

ポイントは

1.「こんなこと」と思わず、具体的事実を多く集める
2.原因を思いついたまま書き出す
3.原因間の関連性を考える
4.原因の追究は、抽象的表現→具体的表現 になるようにする
5.出された原因を書いて眺め、足らない視点を発見する
6.キーワードとして残す


この流れは、実は私が「氣づき」を書く時の流れのひとつでもあります。






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