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気づきを生み出す疑問の持ち方

売り手として、「顧客満足」を考えるのはとても大切なことです。
しかし、売り手もどこかでお客さんになっています。ですから、自分が顧客として得た気づきから仕事に生かせるヒントを探ってください。

そのためにやることは…

「顧客が満足する」をより深く理解するために、“顧客”を“自分”に置き換えて

「自分が顧客であったとき、何を見て、何を感じたか」

仮定ではなく事実を集め、その顧客体験から仕事に生かすキーワードを探ります。

方法1として自分がお客様であった時の経験(事実)に疑問を投げかけます。


こんな疑問の持ち方をします。

「見るモノ、聞くモノで自分が行動を起こすことができるか」
「行動を起こせないとしたら、それは何故か」
「相手は私の(お客さんの)どういう行動を期待しているのか」

私はこんな疑問を常にもっています。

たとえば…

セールスの電話がかかってきます。ひと通り話し終えたところで相手は
「また何かありましたらお電話ください。電話番号は・・・」
これで電話は終わります。

何かあったとき電話するか?しません。
それは何故か、電番番号を書いていないからです。
聞いてはいますが書いていません。

相手が私に書かせる時間を与えなかったからです。
「メモを出して書いてください」と指示しなかったからです。

「書いてください」という方法を伝達するだけでなく、
「メモを出して書く」という相手の動き方を示唆しなかったためです。

この時、相手が興味を持っているかは関係ありません。
とにかくメモを取らせるためにはどうするか、この視点で考えてください。
メモがなければ連絡できませんから。


この経験を表で整理します。

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1.セールス電話に対して問い合わせの電話をしない(具体的事実)
2.何故自分から電話しないのか?          (具体的な疑問)       ↓3.行動を起こせない原因は何か?          (原因の追究)       ↓   4.自分の仕事へ活かす               (キーワード) 

1.で具体的事実を集めます。この時のポイントは事実のみを集めることです。この段階では意見を書きません。何故ならこの段階で意見を入れると深く考えることなく、表面的な対応で終わってしまうからです。

また可能な限り具体的な表現をします。
例えば、「セールス電話に対して反応しない」ではなく
「問い合わせの電話をしない」という具体的事実で残します。

「反応」という抽象的なものではなく、「電話をしない」という具体的な事実を集めます。


2.で具体的な疑問を集めます。この演習の要の部分です。

考えてみれば、この具体的疑問
「何故自分から電話しないのか?」は皆さんがいつも抱えている
お客様に対する疑問ではありませんか?

演習では、この疑問に対して自分をサンプルとしています。

3.で行動を起こせない原因を考えます。この原因は複数あると思います。思いつく限り挙げてください。
決して「その他いろいろ…」としないことがポイントです。

またこの原因を書いて残すことで自分の視点を発見できます。
おそらく偏った部分があるでしょう。

この部分については演習に取り組む前にお話するよりも
自分の書いたものを見ながら考える方が分かりやすいでしょう。

「原因の追究」においては段階があります。
例えば「電話番号を書いていない」原因が「書かせる指示がない」であったり、「書く時間を与えていない」ことであったりします。

現状では段階や関連性をあまり考えずに思いつくものを書き出してください。

ここで発見した「新たな視点」は後の演習にも活かせます。


4.で自分の仕事に活かす行動を仮作成します。
仮作成ですから、完璧なものを作る必要はありません。
簡単なキーワード程度でいいでしょう。
完璧なものは第3章1の「戦術の整理」の段階で完成させます。

こんなありふれた経験も活かすことができます。

飲食店でテーブルの上にPOPがあります。  
「今、ケーキはいらない」、だから注文しない。  
これでは「気づき」につながりません。何の発展もありません。
この「注文しない」という具体的事実を取り上げてみます。

POPに書いてあるケーキを何故注文しなかったのか?

こんな疑問を持ってみます。


  この時、POPに書いてある言葉を確かめます。
  「おいしい○○ケーキです」、この言葉にはひきつけられない。

  「このケーキは、○○シェフが朝何時に起きて作っています。
   ここまで完成するのに実は1年かかりました」

  こんなことが書いてあれば、注文したくなるかもしれません。

  そうです。 

  行動しない原因のひとつに商品案内のコピーのまずさがあります。
  案内の書き方の問題です。

  その他、何があるでしょうか?

  商品のみに焦点を当てていませんか。
  だから一見して、その商品に興味がなければ見向きもしません。

  視点を変えて、ケーキを作った人に焦点を当ててみませんか。
  商品に作った人を含めた物語を持たせることです。
 
  物語ですから主人公のシェフの名前も固有名詞で入れる必要があります。
  名前を入れることで行動がよりリアルに表現できます。


演習シートを使って、あなたの「具体的事実」を集めてください。
そして「具体的疑問点」を書き、「原因の追究」を行ってください。

「具体的事実」を集める場合の留意点です。
「こんなこと」と思わず、とにかく集めることです。

「今、ケーキはいらない、だから注文しない」
「興味がないからDMを見ない」

こんな形で終わらせず、とにかく集めてください。

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