一人を突き詰めれば、突き詰めるほど他の人のこともわかる
売り手として埋もれている氣づきの中に、顧客のデータがあります。
もちろんそんなデータは既に作っていると思います。
しかしここで取り上げるのは、顧客の生活を含めた詳細を知るための、
「顧客のパーソナルデータの作成」です。
私自身の経験からお話します。
以前、新しいセミナーの内容を考えて友人に相談しました。
ところがあまりいい顔をしません。
「ターゲットがボケている」というのです。
「そうかな~」と思いながらも、何となくターゲットとして、30代の女性をイメージしていました。独身で仕事にも情熱がある…、なんてことをイメージしていました。
言われてみれば確かにボケていました。ざっくりしすぎています。
そこで改めて考えてみました。
この時、ターゲットとして知り合いの女性をイメージしました。
かなり詳細にイメージしたつもりです。
そのはずです。実際にいる友人ですから。
そうしたらある変化が起きました。
私は今までターゲットを「悩みある人」と捕らえていたようです。
でも改めて整理すると違いますね。ポジティブなんです。
むしろ今の考え方や生き方を肯定し、「気づきのマーケティング」という取り組みで自分の今後の生き方を整理し、どういう行動をして欲しいかを話した方がいいかもしれませんね。
これは私のような仕事をしている人間の盲点だったかもしれません。
どうしてもお客さんを悩んでいる人、問題を抱えている人と勝手に思い込んでいるようです。
でも実際はそうではなのです。
まだまだざっくりですが、セミナーの方向性が分かりました。
よりはっきりしてきました。
この経験から言えることです…
私のような小さな事業者は、大企業のように大きなマーケットを相手にしているわけではありません。
むしろ今知っている人に向けて商品を開発したり、
サービスを提供した方がいいということです。
言ってみれば新しいマーケットを作るより既存のお客さんに「私にできること」を聞いた方が早いことです。
もちろんある程度の収益が期待できるマーケットサイズは必要です。
興味をもって、相手を知れば知るほど、相手への親近感は増していきます。
「知る」と「好きになる」は同時進行です。
また、ある時こんなことありました。
「これからどうやって仕事をしていこうか。今のままではジリ貧なんだよ。」と友人の営業マンからの相談です。
「自分のいいところと弱いところを整理してみたら」
「それと自分以外の環境で追い風と向かい風を書いてみたら」と答えました。
後日彼は自分の強みと弱み、外部からのチャンスと脅威をA4一枚に書いてきました。
一方、私も彼には内緒で「彼のSWOT分析」をしてみました。
そうしたら「彼のSWOT分析」をしながら思わぬ発見があったのです。
私にはない彼の「強み」がありました。
私にあって彼にない「弱み」もありました。
単純に「強み」「弱み」を考えるのではなくお互いに補完できないものかと考えました。
彼の「強み」を頂いて、私の「強み」を彼に与える。
こんなことが出来ないものかと考えました。
ひとつの会社の中でも同じですね。
経理の人が営業部門のSWOT分析を行えば
営業部門の中に自分が欲しいと思っていたモノが見つかるかも知れない。
営業部門の中の弱い一面は自分が補完できるかも知れない。
他部門を考えることで新たな糸口が発見できます。
自分や自部門の「SWOT分析」はよくやります。
でも他人や他部門の「SWOT分析」はあまりしませんね。
やってみるとわかりますが、なかなか書けないものです。
その原因は、「他人を、他部門を知らないから」です。
これも一つの発見です。
友人の相談を受けながら、新たな発見をしたお話です。
同じようなことが自分とお客さんとの間でも起こっています。
お客さんの弱みや脅威を想像してみてください。
そして、その弱みや脅威に対して自分が出来ることを考えて
書き込んでください。
お客さんの強みや機会からは、
新たな情報や知恵が入手できるかもしれません。
皆さんも一度、今お客さんになっている人の詳細な人間像を
顧客のパーソナルデータとして作ってください。
意外な発見があったり、今まで気づかなかったサービスや商品が発想できるかもしれませんよ。
かなり手間のかかる作業ですが、やってみる価値は大いにあります。
「お客さんはたくさんいる。とてもじゃないがそんなことできない」
そんな言葉が聞こえてきそうですが・・・
行動しない人にはこう言います。
「一人のことを突き詰めれば突き詰めるほど、他の人のこともわかります」
「めんどくさい」という人にはこう言います。
「すぐ役立つことは、すぐ役立たなくなる」
これは、灘高の伝説教師 橋本武氏 の言葉です。
こちらをご覧下さい。→ http://matome.naver.jp/odai/2130880487775942101
お客さんのこと、知っているつもりでも知らないこと、たくさんあります。
ひとつひとつ積み上げてみませんか。
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