今春の旅行についての覚書(5)
春の島流し 6日目 佐久島
佐という字に、魂の3分の1を握られてる気がする。むかしから、なぜかとても、好きな文字。
さて、島流しの本題の場所、愛知県から20分の高速船でたどり着ける島。佐久島。
早朝に名古屋に着いた時に、ウワッ!都会だ!と思ったので、島の海そんなに綺麗じゃないかもな……とか失礼なこと考えたけどめちゃくちゃ透き通っていた。綺麗。瀬戸が近いからか陶片が死ぬほど転がってるのでお好きな方には、おすすめ。収集しているウニ殻は大物ふたつをゲットした。貝殻は紫貝が散っていて、砂浜が若干紫がかっていて少しグレー。不思議な色。
島にはよく観光向けにアート作品が置いてあることがままある。が、この島はすごいぞ。なんと売り文句が「迷子大歓迎!」。なぜこんな言葉が掲げられているかと言うと、マジで、あの 幾つかはこれがアート作品ですよ!という看板がたっているが、一部まったく表示もなければ、アートマップにも「このへんにあります!が、見つからなくてもOK!めっちゃ狭い道にちいこくあるから足元気をつけろ!チャリ乗るな!そのへんには3個くらいある!タイトルはこれ!ほな!みつかったらいいね!」みたいな不明瞭な作品が結構ある。隠れミッキーみたいなことするじゃん。しかし難易度的にはサイゼの間違い探しレベル。見つけてみるとこんな言い方は悪いが所謂海ゴミアート、シーグラスをちまい隙間に詰め込みました!みたいのが見つかるなどなど……しかも結構過酷な場所にあったりする。山道の奥とか、海辺をずっと進んだ先の行き止まりとか。そういうアート作品が100個くらいあるらしかったが、まあ普通に途中で制覇は諦めた。見つからん。夜行バス明けには、ハード。でも3万5000歩費やした。あとひとつ不満!猫の島ですと聞いたが全然猫の島じゃなかったぞ!(今まで行ってた島が居すぎた説はある)唯一会えた猫様に普通に振られた。たまらん
天候に恵まれて正しく晴天。雲ひとつなかった。海辺の道に電柱がたっていた。海と電線が同じ画面にある感覚が不思議。島の至る所に小さな人魚の石像があった。人魚信仰とかあるのかな。
島に行くと、確かに人が生活している痕跡があるのにあんまり人に会わない。
洗濯物と農作物、使われているであろう車。景色の中で動いて、音を立てるのは海だけ、不思議な時間の流れだと思う。この時間の中に自分が組み込まれたらどうなるんだろう。6日目ともなると足がピリピリしてて、だいぶピーク。ほんとは折角なので瀬戸の方にある招き猫ミュージアムとか行きたかったけど、無理だった。帰りの高速船で潮風浴びまくる。清められた気になるのはやっぱ塩にそういう力があるからか。夕方、安売りしている天むすを引き取ってホテルに入る。本気で疲れてると人は気絶して眠れるんですね。翌朝大事な面接で滅茶苦茶でした。本番に弱い人生、ずっと。
これまでの島流しとか旅行とか、わりと、田舎に行きがちだったので、今回けっこう都会を通ることが多くてドキドキした。一応大阪生まれのそれなりに都会人間だったと思うんだけど、向いてないな。とはいえド田舎も向いてないので、今のところ金沢みたいな場所に骨を埋めたいです。
帰る場所を探しているのか、もしくは、どこかに行くことで今住んでいる場所に帰ってきたいのか。
後者は、結構大きくて。
自分の気持ち的に帰省感覚を味わうのと、それから、旅行に行ってくると、友人たちに「おかえり」と声をかけて貰えるのが、すごく好き。それだけですくわれるきもちになるし、言ってくれるとなつき度が上がります。この辺の文章に目を通しているような稀有な方たちへ、もし宜しければご利用ください。
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