キザ緊張
「どうすれば人前で緊張しなくなりますか?」
ラジオでリスナーさんから相談をいただき、あーだこーだ解決に向けて話すコーナーがある。
そこでよくある相談。
人前に出る芸人のラジオに来て当然の悩み。だが、この悩みの答えは僕が知りたい。
僕は緊張しない仕事がほとんどない。
緊張の形の違いがあれど、どんな仕事でも緊張感がそこには存在する。
この類の相談が来た時、僕は内心、パーソナリティであることが嫌になる。
緊張する人間は一生緊張する。あとは緊張とどう付き合っていくか。そこだと思う。
生まれつき全く緊張しない人もいるらしいが、ここでは無視しよう。
ではどうすれば緊張とお友達になれるのか。その答えは残念ながらたどり着いてはいない。
ただひとつ言えるのは、これだけ緊張した人生を過ごすと、緊張していないと不安になってしまうのだ。むしろ緊張している状態がいつもどおりで安心する。
そう思えるようになるのが一番というのが、今の僕の答え。
あと、緊張することを最低限におさえる方法がある。
それは準備するということ。
たとえば、初めての仕事、初めての場所に出くわすとき、おのずと緊張が襲うのだが、ある程度事前にシミュレーションしておくことで、最悪の状況を防げる。
準備してたものを保険で持っておくと、何も思いつかないときに役立つ。
準備していても使わない場合もあるが、それもオッケー。この場合の準備はただの心の保険。
なんだかんだ10年以上、この緊張と付き合ってきて、共存の仕方は覚えてきたのかもしれない。
このコロナ禍になる前は、休みが月1日か2日だった。毎日毎日色んな緊張とかわりばんこに戦って、休みは少しホッとしてという感じ。
今はほとんどが休みになって、たまにくる仕事にど緊張を背負っていく。
慣れというものは怖い。今はこの生活が板につき、よくもまあ毎日こんな緊張することをしていたなと思ってしまう。
でも緊張することっていいことだなと思えるようにもなってきた。
たまに聞く足を出していた方が細く保てる理論。あれはきっと見られるという緊張からくるスタイル維持法だろう。
芸能人が引退すると見られる緊張から解き放たれ、一気に老けてしまったり。やっぱり緊張は良い毒として必要なのだろう。
よって僕の人生には緊張がつきものだ。
だからこれからはどうやったら緊張しないのかというのは聞かないでほしい。
いっしょに探してほしい。
見つけたら聞きに行くから。
きっと緊張しながら。
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