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今日から大学5年生

4月1日、ベルギーでは雪が降った。別にエイプリルフールではない。

朝起きて、窓を開けて空気の入れ替えをするのが日課。だけどこの日は窓を開けれなかった。寒すぎて。

留学して初めて見たちゃんとした雪だったと思う。福岡ではめったに降らないし、なおさら4月。車の上に積もった雪を手ですくえる楽しさを知った。まあ、寒いの苦手だから1日で飽きるのだが。


そんなこんなで4月1日から私の肩書きは「大学5年生」になった。別に5年生になったからといって何も変わらない。現に今でも気持ちは4年生である。

その日もなぜか昼休みの時間に行われる英語の授業に行くだけだった。その後は2週間の春休みがやってくる。それだけ。


4年生の9月からベルギーに交換留学としてやってきた。7ヶ月も経ってしまった。ここで暮らせるのも、後残り4ヶ月らしい。それは必然的に5年生になるわけである。日本の履修登録はやっていない。留学先の単位を交換するから、私の大学5年目はベルギーで残りの留学生活を満喫することが必修科目となった。(もちろんテストに合格することも忘れていない)

一つだけ変わったことを言うなら、メールの最後。

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名前 Miyazaki

〇〇大学☆☆学科♩♩専攻 5年 ←!!!!!!!!!!

Mail :

Tel :

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ここに5年と書かなければいけなくなった。ちょっとまだ慣れない。



5年生になるということ。

留学前の3年生だった2021年2月、留年してもう一度派遣留学に応募したのはいいもの、当時は本当にいけるかも分からず、このまま留学諦めて就活するか、沢山の選択肢に追いかけられていた。あんなに行くのが楽しかったバイトさえも緊急事態宣言で無くなり、家でパソコンと睨めっこしながら過ごす2月だった。

自分の将来に不安で、食べて寝ては、また不安に押しつぶされて、ひっそり夜は泣いていた。

何がそんなに不安だったと言うと、「周りと遅れてしまうこと

-周りは就活始めているのに、

-もし留学できても5年生になってしまい大学4年で卒業できない。

-自分はダメな人間だ。

日本の高校3年→大学4年→就職というレール。大学受験失敗、単位足りなくて留年とかちょっとそのレールから外れるとなんかだめなんだと思ってた。だって周りと違うから。

今思えばく○くらえだ、こんな考え。なんでこんなことに悩んで泣いていたのか分からない。そんな時間あれば留学前にHUNTER×HUNTERアニメ一気見しておけば良かった。

でも、留学してからこの考えは違うと気づいた。相手の自己紹介を聞く時、学部と年が普通とは違うなと感じることが多くあった。例えば大学3年生で、23歳です。みたいな。

ベルギー人に関わらず、私が留学で出会った人の多くは留年していたし、別に通常の修業年から遅れていようがそれを後ろめたそうにしていなかった。もちろんこっちの大学は進級するのが難しいから、毎年多くの学生が落ちて進級できない。けど、落ちたから分かった、自分はこの分野に向いていないといってあっさり学部変更する人。高校卒業後、世界中を旅行して2年後に大学生になった人。一番フランス語の授業で仲良いマリアは45歳のお母さんでもあり、博士課程の学生でもある。

別に彼らは周りなんて気にしていない様子だった、むしろ自分の人生だからとすごく楽しそうだった。私は今まで「周り」という、誰と比べていたのだろう。年齢とか本当に関係ないんだと気づいた。例え私より年上の人が大学1年生ですと言ったって、その人自身の人生なんだし私が何か思う必要まったくない。

こうは言いつつ新社会人生活がスタートした多くの友達や大学院に進学した、大学を卒業して一歩進み始めた友達のストーリーを見ると、なんだか自分だけ何も進めていないんじゃないかと思う時もある。だけど私は、周りとか異なる道を通じて必ず成長してみせる。そんな大学生活5年目を送りたい、し、してみせる。

@1年前の泣いていた私

今は自信持って「大学5年生です」と言えるようになるよ。大丈夫。

明日も美味しいご飯食べてふかふか布団で寝よう。


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