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小説『娼年』

石田衣良の『娼年』。

大学に通いながらバーでアルバイトを
している20歳のリョウ。
ある日バーに訪れた会員制ボーイズクラブの
オーナーである御堂静香と出会い日常が一変。
リョウはボーイズクラブで働くことに。

娼夫として、さまざまな女性と体を重ね、
経験を積んでいく。

時には特殊な設定を依頼してくる客もいる。
それでもリョウは次第に「娼夫」という
仕事に誇りを持つようになる。

性行為をコミュニケーションの一つと考えると、
重ねた体の数だけ人間模様が見えて
面白いというのはなんとなく伝わってきた。
しかし私は好きな人としかしないと決めているので、
リョウの気持ちは完全には理解できない。
なにより、リョウに好意を抱いていた
同級生・恵のことを思うと胸が痛くなった。

体を売るということは、
育った環境のことを思うと良い・悪いは決め難い。
ただ、少なくとも自分だけでなく
時に誰かを傷つけることであることは確かだ。

......とは言え、リョウと御堂静香の
その後が気になるので、
『逝年』も読んでみようと思う。

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