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【読めばラグビーが楽しくなる】シェイプに関する考察#01 基礎知識編

今回より、ラグビーの重要戦術である「シェイプ」について解説していきます。

かなり長くなる予定ですので、数回に分けてお送りしたいと思います。

第1回はシェイプに関する基礎知識、なぜシェイプをつくるのかを解説していきましょう。

1.シェイプとは?

シェイプは今や代表チームから地区大会レベルの高校生までみられる、ごく一般的でシンプルな戦術です。
この記事においてシェイプとは、次の図に示すような攻撃側の三角形の陣形のこととします。

形や配置にはたくさんのバリエーションが存在しますが、現状最もよく見られる形であるこの三角形を基本配置とします。

ラグビーを観戦していると、フィールドのいたるところで、攻撃側の選手がこのような配置でポジショニングしているのを確認できると思います。

2.攻撃側の目的

まず、ラグビーにおける「攻撃側の目的」を確認します。

日本ラグビー協会HPで以下のように解説されています。

攻撃/プレーの継続
攻撃している側(ボール保持チーム)の目的は、相手チームのボール獲得を阻止し、ボールを前方に動かすスキルを駆使することにより、プレーを継続し得点をあげることである。

上記にあるように、「攻撃側の目的」は得点をあげることです。

※よくラグビーは「陣取り合戦」と表現されることがありますが、陣地を取ることが目的でなく、陣地を取ることにより効率よく得点することにつながる、ということです。

そして、得点をあげるためには、相手チームのボール獲得を阻止し、プレーを継続することが必要になります。

そのために攻撃側は、ボールキャリアのすぐそばに選手を配置し、素早いサポートをする必要があります。

では仮に、下図のような陣形(赤が攻撃側)をとり、9番から1番の選手にパスをしたらどうでしょう?

2番、3番の選手は1番と近い位置にポジショニングしていますから、素早くラックをつくったり、オフロードパスをもらったりしてプレーを継続できそうです。

しかし、防御側(青)からすると、赤1番の選手が突撃してくるようにしか見えませんから、複数人で集中してタックルに行けます。
これでは防御側のプレッシャーが強く、効果的な攻撃にはつながらないでしょう。

そこで再び基本陣形の図です。

この陣形なら、まず9番からのパスは1番と2番の2択があります。
また、仮に1番がボールを受けたとして、自分で突撃する、内側の2番へパス、外側の3番へパスと複数の選択肢が存在します。

これにより防御側は自分の担当する選手のマークを外すことができず、防御の的を絞りにくくなり、攻撃側へのプレッシャーが小さくなるでしょう。

結果としてボールキャリアが前進しやすくなりますし、相手にタックルされたとしても、すぐにサポートを受けることができます。

3.適切なポジショニングを手軽に

さらに、フィールドのどこでも基本的にシェイプをつくる、ということを約束事にすると、ポジショニングがとても分かりやすくなります。

「三角形をつくりなさい」と指導すれば、ラグビーを始めたての高校生でも一週間あればその位置に”立つ”ことはできるようになります。
自分がどこに立てばいいか分かれば、次自分がどこに動けばいいか予測することができ、試合中何をしたらいいか混乱することがなくなります。

最悪そこに”立つ”ことさえできれば、パスコースを増得ることになりチームに貢献しているといえるかもしれません。

この分かりやすさ、手軽さが、高校生でも実践できる理由であり、ラグビーの攻撃における基本陣形となっているのです。

4.まとめ

なぜシェイプをつくるのか。まとめると…

① サポートをしやすくなる
② 防御の的を絞りにくくする
③ 適切な位置にポジショニングしやすくなる

以上の理由によりプレーの継続が効率的になり、得点につながると僕は考えています。

シェイプは攻撃の基礎となる戦術であり、それゆえに各チームの個性が現れるポイントです。

僕の場合、試合観戦時にはシェイプの攻防が試合の勝敗を左右する重要ポイントと思って注目しています。

なぜ重要なポイントといえるのか。次回のテーマは「シェイプの重要性」です。お楽しみに!



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