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日経の防衛産業記事は便所の落書き


相変わらず程度が低い日経の防衛産業記事です。
しかも例によって匿名の無責任記事ですから、5ちゃんねるなどの便所の落書きと揶揄される書き込みと同じです。

日本経済新聞と言う名前はおおげさで株屋チラシみたいな媒体です。
こんな記事真に受けて防衛関連銘柄買うと損しますよ。

防衛産業に3文書「特需」 経済全体の波及効果欠かせず
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA176YX0X10C24A5000000/

>防衛装備の開発を担う企業の業績が好調だ。政府が2022年末に発表した安全保障関連3文書を踏まえて防衛産業に注力したことで「特需」が生まれている。ほかの業界や家計を含む経済全体に恩恵を広げる波及効果が重要になる。

頭がおかしいレベルです。そうであればソ連は崩壊していません。例えば空港や道路等といったインフラへの税金の投入はそれによって経済が活性して職も増えて、税収も増える。ところが戦車を作ろうが、哨戒機作ろうが経済的な乗数効果はありません。
隅田川で打ち上げる花火にカネを使うほうが遥かに乗数効果はあります。

税金をドブに捨てて経済が活性化するならばそこいらに穴をほって埋め戻す公共事業でもやれば経済は活性化します。
むしろ、本来経済活性化するような民間セクターで使う資金、人的資源を浪費するだけです。それは少子高齢化で働き手が減ってく我が国に深刻な打撃を与えるでしょう。しかも低性能で、高い調達単価、維持費で何倍も不効率な税金の使い方なるので財政の面からもマイナスです。それでも将来性があればいいのですが、輸出で稼ぐ気などない子ども部屋おじさん防衛産業です。


>防衛産業はこれまで販路がほぼ自衛隊しかないため「お荷物」部門とのイメージがあった。収益難からコマツは18年に装輪装甲車の開発を中止し、住友重機械工業は21年に機関銃の生産から撤退した。大手の撤退が続くと中小の経営にも影響する。

いや未だにお荷物です。そのお荷物に将来性がないから防衛事業から撤退してきた。しかも同じ分野で事業の統合をしようという気もサラサラない。つまりは当事者意識も能力もありません。まだ事業の統廃合を行って売上の拡大と生産の効率化、重複投資を避けるのであれば国内市場相手だけでも業績は回復するでしょうそれをやる気がない。
しかも木原防衛大臣は会見のぼくの質問に対して、防衛省は知らないよ、民間に任せるよとおっしゃっています。こんな業界に未来があるわけないでしょう。

>三菱重工業が8日に開いた24年3月期の決算発表記者会見。小沢寿人最高財務責任者(CFO)は「防衛・宇宙の受注は過去最高になった。防衛力強化の方針のもと、複数の大型案件を受注したことが寄与した」と強調した。同事業の受注は前期比3.4倍の1兆8781億円と大幅に増えた。

>防衛省向けの哨戒機や輸送機の需要が増えると見込む川崎重工業も連結純利益が25年3月期に過去最高を予想する。

「防衛省向けの哨戒機や輸送機の需要が増える」
哨戒機も輸送機も調達予定数を増やすなどの需要は増えていません。単にまとめ買いして需要を先食いしているだけです。

つまり嘘です。


>三菱電機は23年10月に220億円を投じて鎌倉製作所(神奈川県鎌倉市)など3カ所で防衛装備品の生産工場を新設すると発表した。
>ミサイルや戦闘機エンジンの需要拡大を期待するIHIは、31年3月期の防衛事業の売上収益見通しを23年3月期の2.5倍の2500億円規模に伸ばす計画だ。


>防衛生産基盤強化法が23年10月に施行された。サイバー攻撃対策や事業承継といった経費を国が補助する。装備品の海外輸出に必要な仕様変更などにかかる費用も助成する。防衛装備移転三原則の運用指針も改定し、海外に販路を広げやすくなった。

笛吹けど踊らずです。当の企業に輸出する気はありません。厳しい市場で戦うにはコスト、性能、品質で勝負しないといけませんが、そんな実力はありません。また多額の投資も必要となりますが、そんなリスクを背負いたくない。また世間から「死の商人」のレッテルを貼られたくない、というのも大きい。実際自社サイトで防衛に関わっていること隠している企業は少なくないです。

>呼応するように各社の業績は上向きだ。
>株価にも反映する。

>戦車に搭載する大砲などの生産を手掛ける日本製鋼所の株価は5月下旬、年初来高値圏で推移している。16日に25年3月期の「防衛関連機器」の受注高が前期比6割増の1130億円になりそうだと明らかにした。自衛隊向けに装甲車の製造を初受注したことも成長期待を高めた。

これまた誤報です。何度もご案内のように装甲車(AMV)の国内生産はまだ決まっていません。確かにその方向で本年度予算には初度費が計上されています。ですが、財務省は日本製鋼所の生産が高コストで、せっかくコマツが消えたのに装甲車メーカーを増やすことになるので反対してます。それやそうでしょう、日本製鋼所はクズのような装甲車しか開発できなかったコマツの装甲車事業の残党とベンダー使うつもりですから、コマツのゾンビの復活です。それは許容できないでしょう。
ですから現状は初度費分の予算で輸入するならそれは認めると、というスタンスです。

日経の記者は間抜けだから日本製鋼所だけ取材して空気を吹き込まれて与太記事をかいたわけです。防衛装備庁や陸幕、財務省に取材すれば分かる話です。

株価が上がっているのは実態を知らない投資家が買っているだけです。
ぼくは職業柄株価は見ていますが、立場上売り買いしません。仮に買えても日本の防衛産業には投資しません。

>産業全体で業績が好転すれば下請けの中小企業にも恩恵が広がる。もうからない防衛産業のイメージの払拭につながる。

日経の記者は馬鹿だからわからない、あるいはわかったうえで株価を煽るために情弱な読者を騙しているのでしょう。下請けが儲かるようになりません。
それはご案内のように、統廃合しないからです。例えば同じ分野で売上100億円の5社があり、細々と調達を引き伸ばして生産しています。多少利益をあげてもらっても焼け石に水です。
これが1社になって売上が500億円になれば話は違ってきます。生産効率が高くなり、設計者も技術者も新しい製品にチャレンジできる機会は5倍に増えます。
ベンダーは統廃合されることになります。撤退するベンダーは出ますが、残ったベンダーの売上は5倍に増えます。当然利益率も改善する。

統廃合を行わないと、売上絶対金金額は増えません。馬鹿な記者にはそれがわからんのです。

>これまで防衛省は契約時に企業の利益率を平均8%程度に設定し事業を発注していた。開発中の材料費高騰や納期遅れで実績の営業利益率は2〜3%前後にとどまる例が多く、赤字の場合もあった。
>23年度以降は弾薬や航空機・艦船、通信機器などの製造・開発を発注した企業側の想定営業利益率を最高15%に引き上げた。品質や納期短縮などの取り組みを評価する仕組みにし、企業が適正利益を確保しやすくする

防衛省のポジショントークの受け売りで自分の頭で考えていないからこういうガキの使いみたいな記事になります。統廃合もせず、輸出もしないで売上が増えないところで、利益率だけあげてもらえば、誰が一生懸命頑張りますか。

これは防衛産業をますます弱体化させるだけです。

>防衛費の増加は公共事業の一種として国内総生産(GDP)にプラスに作用する。道路などインフラ整備と同様に乗数効果(波及効果)の高い「賢い支出」でなければ、プラス効果を多くの人に感じてもらえない可能性がある。

だからそれで儲かるならばソ連は崩壊していません。北朝鮮だって空前の好景気ですよ。
なんの生産もうまない防衛装備作って経済が潤滑して儲かるわけがない。

そもそも現在の5年間で43兆円を使った後に継続してその規模の防衛費を維持するのは不可能です。

 その43兆円にしても実は真水は40兆円に過ぎません。しかも防衛省は海外からの調達の為替レートを108円で計算していました。当時のレートは135円ほどでした。ぼくの会社は150円を想定していました。まともな会社ならそんな円高のレートなんて想定しませんよ。
防衛省の担当者が世間知らずなのか、FMSで買い物を過少に見せて、その分国内調達があたかも増えるかのように吹聴したかったのか?あるいは108円で計算したレートでは6割程度しか買えないから増やしてくれと財務省に泣きつくつもりだったのか。

現状でも建設国債で5千億円使って借金軍拡をやっています。これがふるさと納税こと、毎年5千億円税金をだだ漏れさせている「ふるさと脱税」やめれば建設国債を使わなくて済むのですが、バラマキを止められません。

金利は嫌でも上がりますから、今後円安=インフレ抑制のためと、国債召喚費を確保するためには現在のようなバラマキはできません。いくらでも借金でバラマキ政策ができるという「迷信」は消えていく、いかざるを得ません。
そうなれば今のレベルの防衛費を維持はできません。もっと巨大な社会保障費の削減も待ったなしです。健康保険の老齢者負担も3割にならざるをえないでしょう。
不要な湿布をばらまくこともできなくなるでしょう。そうしないと税収70兆円なのに110兆円に膨らんだ国家予算の正常化はできません。

5年で43兆円後の「祭りの後」を想定しておくべきです。

まあ匿名だからこういう与太記事を書いても恥じることがないのでしょう。
事実を指摘されてもホッカムリする。だから組織的に同じ間違いを何度でも繰り返します。
恥を知らない人間というのは羨ましいですね。

■本日の市ヶ谷の噂■
リンク16を搭載していないF-2戦闘機は、米軍の戦闘想定空域に入れてもらえず、グアムで演習にいっても周辺空域をぐるぐるまっているだけ、との噂。



Japan In Depthに以下の記事を寄稿しました。
新聞各紙 残念な防衛関連の未検証記事
https://japan-indepth.jp/?tag=%E6%B8%85%E8%B0%B7%E4%BF%A1%E4%B8%80

日本の報道の自由度が低いのは記者クラブのせい
https://japan-indepth.jp/?p=82748
陸自装甲車両調達の最新情報 24年度防衛予算
https://japan-indepth.jp/?p=82517

東洋経済オンラインに以下の記事を寄稿しました。
「ドローン急襲」想定しない日本のヤバい防衛体制
https://toyokeizai.net/articles/-/753915


月刊軍事研究4月号に陸自の18式防弾ベストに関する記事を寄稿しました。


軍事研究 2024年 04 月号 [雑誌]

Japan in Depthに以下の記事を寄稿しました。
次期装輪装甲車、AMV採用を検証する その2 AMVのライセンス生産によって日本の装甲車事業は壊滅する
https://japan-indepth.jp/?p=81695

次期装輪装甲車、AMV採用を検証するその1
駿馬を駄馬に落とす陸自のAMV採用
https://japan-indepth.jp/?p=81667

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