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【防衛省概算要求】清和会のための、不要なイージスシステム搭載艦導入のいかがわさ。


月曜に非記者クラブ向けのレクがあり、昨日関連情報解禁の縛りがとれました。

先日のレクは前の週に資料の配布があり、事前に目を通しておこうと、それを市ケ谷に鳥にいってきたわけです。が、当時イージスシステム搭載艦に関する資料が唐突に配られました。特定の装備に関して資料のパッケージとは別に資料が当日配布されるのは異例です。

恐らくは既存のイージス艦の2倍以上の金額となるイージスシステム搭載艦に対する批判が膨れ上がるのを抑える目的だったと思います。
アーレーバーグ フライトⅢと同じ程度のだよとか、述べています。

ぼくもイージス艦の船体拡大と垂直発射ランチャーの増大は賛成です。ですが、SPY7は悪手です。安倍政権時に高橋元防衛事務次官らと官邸、一部内局官僚が自衛隊を抜きで導入まできめて、アセスメントもやらずにお手つきでSPY7を買っちゃったわけです。

それをキャンセルすると安倍晋三と党内最大派閥の清和会(安倍派)のメンツを潰すことになる。だから政治的にそれを選択することができなかった。国防費を無駄使いして、海自を弱体化させても清和会の歓心を買うことが大切だったのでしょう。
こういう人たちが政権を担っているわけです。


資料ではアーレーバーグ フライトⅢが全長150メートル×全幅18メートル、対してイージスシステム搭載艦は全長190メートル、全幅25メートルで船体は1.7倍でお買い得と説明しています。

ですが物価高騰著しい米国と単純比較はできませんし、防衛省の来年の為替予定レートは137円ですから、米国製コンポーネントも値上がりするでしょう。4千億円は超えるんじゃないでしょうか。


問題は導入後のアップデートです。海自はこんごう級の後継イージス艦は米海軍と同様にSPY6を採用するでしょう。これであれば米海軍が定期的にアップデートしますから、それに乗っていればいい。
ところがイージスシステム搭載艦の場合、顧客は海自だけですから、たった2隻のその開発費用も担当して、隻数も少ないから1隻あたりの単価は高くなる。国内に電波関連の検証設備もSPY6と別に必要です。
しかも米海軍であれば米議会や会計監査院の厳しい監視がありますが、ロッキード・マーティン社の言い値になるでしょう。値段交渉する能力は防衛省にない。
清和会のメンツのために今後30年以上も無駄な金が何千億円も費やされるのでしょう。

そしてレクで聞いたのですが、クルー制の導入予定はない。実はクルー制の導入を予定していたFFMですから導入していない。イージスシステム搭載艦で海自の既存のイージス艦の負担減らすならば、その海上での稼働率を上げる必要があるでしょう。それができないわけです。

これは大問題ですよ。クルー制を導入すれば艦の稼働率は大きく上がるし、入隊希望者が増えたり、途中退職する人間も減るでしょう。これを海自は導入する予定はできなかったのか、やめてしまったのか。本来船を減らしてでもクルー制を導入すべきです。
まあ予算が大幅増えたので気が大きくなっているのでしょう。だから火の出るおもちゃと艦長ポストを維持することが大事で、その追求のために、隊員が減って自滅することを選ぶのでしょう。こういう組織に予算増やしてはいけません。

それからRWSというか遠隔操縦の30ミリ機関砲は搭載するようです。




■本日の市ケ谷の噂■
セクハラ告発問題が発端となって始まった防衛省の「特別防衛監察」だが蓋を開ければ、
おとがめは将補までで、将のパワハラ・セクハラは全部もみ消し、との噂。

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