来年度防衛予算はまるで池袋や錦糸町の悪徳風俗、共犯は記者クラブ


我が国の防衛と予算-令和5年度概算要求の概要
https://www.mod.go.jp/j/yosan/yosan_gaiyo/2023/yosan_20220831.pdf

今回の概算要求のレクチャーに行ってきたのですが、率直な印象は来年度防衛予算はまるで池袋や錦糸町の悪徳風俗です。

それは予算額を明記しない「事項要求」が極めて広範囲に使用されること。更には通常の調達装備も「事項要求」で数が上乗せされるからと、予算額が殆ど公開されていません。
このため予算がいくらかになるのかは、全く不透明です。

>令和5年度予算の概算要求に当たっての基本的な方針について
「基本方針2022」で示された「本年末に改定する「国家安全保障戦略」及び「防衛計画の大綱」を踏まえて策定される新たな「中期防衛力整備計画」の初年度に当たる令和5年度予算については、同計画に係る議論を経て結論を得る必要があることから予算編成過程において検討し、必要な措置を講ずる」との方針を踏まえた対応については、予算編成過程において検討する。

だから変数が多すぎるので数字を出さなくていいよ、という言い分です。ですから例年サイトで公開されていたパンフに掲載されている主要装備の一覧表すら載っていない。
ですが、例年通りに要求する予算もあるはずで、それは本来予算額も示して掲載するべきでした。それをやらないのは納税者も国会も軽視しているからでしょう。

3文書が決まっていないというのは泥縄です。年末の閣議に3文書を了承し、同時に来年度予算も承認するわけですから。「設定」の時系列がおかしいわけです。3文書が決まらないと本来予算は作れるわけがない。

更に申せば、本年度の補正予算です。昨年度の補正予算でも本来の補正予算の使い方を逸脱して、史上最大の「お買い物予算」となっています。約8千億円が「お買い物予算」です。
そして補正予算は本来予算編成時に想定できないった事態、例えば現在の円安による輸入装備や燃料の高騰による差額を補填するなどを手当するものです。ですから通常の予算よりも審査の手続が緩くなる。あえていえばザル、です。これを第二の予算とするのは議会と文民統制の軽視です。

予算額を明示しない「事項要求」も補正予算のお買い物予算化も大事に安倍政権下に始まりました。これは防衛予算だけではありません。概算要求では「事項要求」を使って、実際の予算よりも過小に国民に印象つけ、本予算で本来買うべき装備や支出を補正予算にのがして、これまた実際よりも過小に見せて国民を騙してきました。

どうせ補正予算をお買い物予算化しているのだから、「事項用」は廃止して、通常の予算平成通りのものは数字を明らかにして、3文書に合わせるための予算は補正予算で手当すればいいでしょう。その方がまだスッキリします。


それまでの政権でできたことが、なんで第二次安倍政権で、できないのでしょうか。それは安倍晋三が嘘つきだったからです。自分の利益のために国民を騙すことになんら良心の呵責を感じなかったのでしょう。ですからGDPの算出やら各種統計が安倍政権の利益になるように改ざんされてきました。

ぼくは「事項要求」にしても、補正予算使い方にしても記事で指摘してきたし、歴代防衛大臣の会見でも指摘してきました。ところが防衛記者クラブはそのような指摘を無視してきました。当局のご機嫌を損ねる記事を書きたくないのか、単に知識がないのかは知りませんが無視してきました。

そして今になった「事項要求」はおかしいと言い出したわけです。安倍政権で「事項要求」や補正予算の悪用や逸脱した使い方を新聞やテレビ、通信社が執拗に報道、批判していたら事態はここまで悪化しなかったでしょう。

そういう意味では安倍晋三と記者クラブがグルになって、政治と行政のモラルハザードを進めたということになります。

■本日の市ヶ谷の噂■
陸幕は戦闘装着セットの一部として、プレートキャリアの導入を事項要求で要求する予定なるも、外国製を排除して国内メーカーの利権を死守するために肝心のプレートは形も悪く、小銃弾が貫通するとう、防弾性能の低い3型防弾チョッキのプレートを採用する、との噂。

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