書評 保阪正康『昭和陸軍の研究(上)(下)』(朝日新聞社、1999)

はじめに

昔、日本には、徴兵制度があり、男子は、20歳に達すると、徴集され、身体検査で、基準以上で合格すれば、戦場に送られます。国家公務員として、月給が支給され、兵舎に入れ、食事が支給されます。
 昭和陸軍は、組織に欠陥があり、他国の軍隊と異なり、戦争のルールを大きく逸脱した行為がありました。それが顕著になったのは南京虐殺からでした。

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