書評 小佐古敏荘編著『放射線安全学』(オーム社、2013)

はじめに

編著者の小佐古さんは、「はしがき」において、「安全の根本原理より説き、それを廃棄物や環境まで展開し説明している」(p.v)と、この本の特徴と位置づけを記しています。この本は福島第一原発事故後に刊行されました。
 放射線リスクにかかわる本は、福島第一原発事故後、雨後の筍のごとく刊行されましたが、大部分は、危険性やリスクや恐怖を強調した週刊誌的発想での解説や問題提起であり、単純に受け入れると、大恥をかく内容ばかりでしたが、この本は、学会での研究成果や世界基準の解説であり、比較的高い信頼性を有します。

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