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ものづくりへの憧れと、足を運ぶことの意味

【これは、2020年11月、BEATS GALLERYさんで行われたRyoichiTsukada Solo Exhibition "Serum Visions"+Exhibition Collections の感想を書いた記事です。】

父の職業は建築家である。

お客さんの要望を聞き、潜在的な思いを引き出し、設計図を書いて、一生暮らす家を1から作り上げる。
現場での話を聞き、実際に連れて行ってもらったり、完成したお家を見せてもらったりしていた私は、小さい頃から父の仕事に強い憧れを抱いていた。

自分の頭の中で思い描いたものを、実際に現実に作り出してしまうなんて、すごい。ましてや、他人が "こんなものがほしい" と思ったものを一人で実現させてしまうなんてすごすぎる。

私には違いがわからない釘の形や、同じように見える壁の色も、父には微細な部分に至るまですべて手にとるように理解できてしまう。
父の見ている世界が見たかった。

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会社の帰りに、写真展に行きました。
大阪メトロ、中央線に乗り換えて、千日前線まで歩いて、阿波座駅9番出口。
移転が決まったので、この場所で展示がされるのは2020年の年末までだそうですが、私にとってはいくつかの大切な思い出がある場所です。なくなっちゃうの惜しいなぁ。新しい空間も楽しみ。

この期間に展示されていたのはチカチカ、ぐにゃぐにゃ、普段肉眼で見ることのない特異な世界。
写真を見るのはSNS上がほとんどになってしまった今だけど、改めて撮り手と言葉を交わすおもしろさを実感する。
「どうやったらこんなのが撮れるの?」「なにを思ってここでシャッターを押そうと思ったの?」と、写真を見た瞬間に思ったことにその場で応えてもらったり、
たくさん作品を見ているうちにそれを作っている人それ自身に興味を持ち出して、「いままでどんな経験をしてきたの?」「これからどんなものを作りたいの?」と、その人の過去や未来まで見てみたくなってしまう。
SNS上だけでは、なかなかそうはいかないなと思います。

そのうち、作品や作り手さんではなく、自分自身への理解ももっと深めたくなって、「どうしてこれが好きなんだろう」と問いかけてみたり、「あ、昔こんなことがあったな」と忘れていた記憶を掘り起こしたり。
写真がもっと好きになる。展示を見に行くって少しハードルが高いと思う人もいるかもしれないけれど、もっとみんな見に行けばいいのになぁ。楽しいのに。と思います。

写真を撮るのも展示を見るのも、密を避けて、安全に。
これからも自由な世界でありますように。

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