アルコール依存症~重度の人が回復のために足りない事

重度アルコール依存症の kiyopi です。

今回は、僕の経験から 僕が断酒し、継続できる自分になるために足りなかった事を説明しようと思います。

簡単に言えば『とことんまで自分で考えてみない事』です。


自分を知ろうとしない~自分は自分で思っているほど自分を全く知らない

何が好きで、何が嫌いで、何をしたくて、何がしたくないのか?
誰が好きで、誰が嫌いで、その人のどこが好きで、その人のどこが嫌いなのか?
どうして自分はそうなのか?

これだけでも、しっかり説明できるでしょうか?

考えないと朧気で、「ただ何となく」「だって○○だから」と相手の何かに対してそう思っていても、『どうして自分はそれをそう感じるのか?」と考えた時、よく考えないと分からないと思います。
それだけ、『自分の事は自分が一番よく分かってる』と思うのが人間ではありますが、実は自分の事すら全然知らないし理解も出来ていないのが人間です。

実は自分が何で苦しむのかすらわかってない

「あいつが、こいつが、環境が、状況が、ああだから、こうだから」

じゃあ、自分はどうしてそれを苦しんだり、辛がったり、怒りになるの?
それすら分からなくありませんか?

だから悩みになり、解決も解消も出来ずに苦しむわけです。

「自分に出来る事はしてきた」と言う人もいると思います。
かつての僕もそうでした。
でも、それは『相手を環境を状況を変えよう』とか「自分を知ってほしい、分かってほしい」と外に求める努力ではありませんでしたか?

本当に必要なのは『自己理解』と『自己改善』です。


以前、僕なりのセルフカウンセリングと、そこからのセルフ認知行動セラピーを記事にしました。

やってみると分かりますが、カウンセリングや療法治療を受けるより深く自分を知り、自分に合った改善法が見えてきます。
ただ、よく考えないと答えは出ません。
たとえ、誰にどんな治療を受けようとも、最終的に答えに辿り着けるのは自分だけです。
自分の中にしか答えはなく、自分にも人にも目に見えるものではないので、考えて、見つけて、知るしかないからです。

既存の回復法に対する依存心に気付かない

何度も言っていますが、重度のアルコール依存症は精神疾患であって、お酒に依存しているのは副症状です。
だから、まず本当に必要なのは心の回復です。
医師ですら「まず断酒」と言うでしょうが、決して断酒が先ではありません。

既存の回復に必要なのは、断酒のための三本柱とか三本の矢などと呼ばれて浸透しています。
①通院
②抗酒剤の服用
③自助グループへの参加
です。

これが、はたしてあなたの根本の問題に合った回復法や治療ですか?

まず、そこを考えてみてほしいと思います。

僕は入院中の院内例会で、これを提唱した坂本さんがご存命であったので話を聞く機会がありました。
今でも当時と変わらない僕の素直な感想です。
これで回復できて、断酒が継続できるようになった人はどれだけいるの?
これで楽になった人っているの?
です。

あなたにとって通院は必要ですか?



通院して「体調は?寝れてる?気分の浮き沈みは?飲酒欲求は?薬は?」
これで終わってしまう診察で、あなたの根本問題の回復にどんな意味や効果があるのか?考えてみて下さい。
本当に必要か考えてみて下さい。
医者だから確かだ、正しいと依存心を持ってしまっていませんか?

自分にとって本当に必要な薬はどれですか?


シアナマイド、ノックビン、レグテクト、セリンクロ、各種向精神薬、眠剤、睡眠導入剤、どれも治療薬とされていますが、この世の中に回復薬(治る)は存在しません。
自律神経に刺激を与えて、抑えたり、上げたりを強引に引き起こすのが薬です。
抑える事で自己治癒力による回復の時間を稼ぐのが薬です。
ですから、自己治癒力による回復のない心や思考の問題は薬では回復には向かえないんです。
本来、薬は人体にとっては不純物なのですから、副作用があったり、抵抗が付いていって(人体の防衛能力)効きにくくなったりします。
頼り過ぎると、本来は正常であった自律神経が原因があって不調となり正常な機能を失っているのを強引に作用させることになるので自律神経の破壊につながる場合もあります。
そのような薬の類が、あなたにとっての問題の回復に本当に必要なものかどうか、よく考えて下さい。
回復させてくれるものではないという前提で、自分の依存心をよく考えて下さい。

※薬を否定しているわけではありません。抗酒剤の類は全く必要ないとは考えていますが、向精神薬や眠剤の類はよく考えるためにも症状がきつい時には必要であると考えています。

あなたの参加している自助グループは、あなたの問題の回復に有効な場所ですか?

自助グループにも会場により特色があります。

はっきり言いますが、自分の回復に何の役にも立たない自助グループ会場もあります。

僕自身は、人との交流のない淋しさの穴埋め以外には全く必要のないものでした。

何かしらの目的があれば、参加するのはそれで構いません。

特にないのなら、自分にとって本当に必要な場所なのか考えてみて下さい。

もし、理由も目的もないのなら、参加して消費する時間を本当に自分に向けた時間に使ってほしいと思います。

最後に

アルコール依存症は、自分がお酒に依存している疾患です。
理由があるにしても、人には誰にも多かれ少なかれ依存心がある以上、陥った疾患でもあります。
それ故に、信じやすかったり、「誰かが言ってるから」とか「そういうものだから」とか、常識、普通、当たり前、べき思考、などにも囚われやすい人も多いです。

僕もその一人でした。
僕は運が良かったのだと思います。
入院中に読んだ本で、内観がどういうものか?とか、白黒思考を知りました。
それによって、既存にある考えや常識を疑ってみる事を覚えました。
本当に正しいのか?何が根拠なのか?その効果は?誰のために?誰得?

自分の内面ととことん向き合い、心が軽くなり、気付けば断酒出来ていた事に気付く毎日になっているのに気付いた時、涙が止まりませんでした。
ただ、自分を知らなかっただけ、理解していなかっただけ、考える視野や視点が狭かったから。

だから、否定されても文句言われても伝える事にしました。
文章で残すことにしました。
本当は、できればアルコール依存症プログラムを根底から作り変えたい。
後世でアルコール依存症で苦しむ人がいなくなるように。


ここからは単なる愚痴です。
読みたい人だけ読んでください。

僕の住んでる地域は、精神疾患者に対する理解が全国でも極端に低いと言われています。
アルコール依存症に対しての世間体は最悪です。

精神障害手帳も取りにくい、生活保護もまず取れない、ハローワークで失業者登録するにも精神疾患者やアル依持ちは「あーだこーだ」と問い詰められたり諦めさせようとする感じがあって厳しいです。(僕は何度か通いましたが諦めてしまいました)

就職も出来ない、アルバイトも連絡すら来なかったり断られる。
仕事探し始めて2年経ち、貯金も尽き、毒親であろうとも依存しなければ生きられない状況です。

たまに「面接に来ないか?」とツイッターでDMくれる優しい人もいますが、交通費すらないのです。
ネット面接しても、出勤費用や引っ越しも出来ないのです。

正直、いつまで投稿が続けられるかは分かりません。
ただ、生きるのを諦めるまでは残していこうと思います。

仕事にあり付けない以上、お金のない不安と恐怖だけは、僕にはどうしようも出来なくて苦しくて怖くて・・・耐えられなくて最後に愚痴らせてもらいました。
読んでくれた方、ありがとうございます。


今回は以上です。
参考にして頂けたら幸いです。

あなたの断酒が楽になりますように。
ご家族様の消えない苦しみが少しでも軽くなりますように。

最後まで読んで頂き有難うございました。

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