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ロックへの道 ~モッシュの心得~

ガンズにハマったのをきっかけに、あらゆる「うるさい音楽」を聴いてきた。10代から20代は、うるさい音楽を聴いてないと死んじゃう病だった。オートバイ小僧※のように。※ドクタースランプアラレちゃんに出てくるキャラ。オートバイから降りたら死んじゃう病を患っている。

朝はガンズで起き、学校に行く時はメタリカ、帰り道にはアンスラックス
落ち込むとレッチリ、友達とビースティボーイズではしゃぎ、むしゃくしゃするとMINISTRYを聴いた。
MINISTRYを聴いていると必ず母が「何この音楽、お経みたいね」と言っていた。(言われてみれば確かに・・)

そして「アウトサイダー」に憧れてしまった私は、
元ギャングがメンバーにいる、スイサイダル・テンデンシーズ(Suicidal Tendencies)に傾倒した。
当時、スケートロックというのが流行っていて、Green DayNOFXなども大変な人気だったが、私はもっぱらスイサイダルのイカつい感じに憧れ、またメタリカとは対極にある、グルービーなドラミングが超クール!(メタリカも大好きです)と思ってしまった。

私は友人と、川崎クラブチッタのスイサイダル・テンデンシーズのライブに行った。
古着屋で買ったチェックのネルシャツを第一ボタンだけ締め(もちろん中にはTシャツ着る)、ダボダボのチノパンにニット帽を目の上スレスレまでかぶる、スイサイダルなファッションでキメて行った。
クラブチッタは前方と後方でチケットが分かれていた。私と友人のチケットは残念ながら後方だった。
しかし我々は、始まったらドサクサに紛れて前方に突っ込もう、という計画を立て、まんまと前方に行くことに成功した。(よい子はマネしちゃいけません)

今も変わらないクラブチッタ

前方にはモッシュピット※が2,3個できており、大変な事になっていた。
当時10代だった我々は、躊躇なくモッシュに参加。
大暴れの限りを尽くした。
私はダイブした人のエンジニアブーツで顔を蹴られた。

※モッシュピット
洗濯機のように輪を作り、人が暴れながらぐるぐる回っている箇所のこと。上から人が降って来ることもあり、とにかく危険。

生で間近で見るマイク・ミューアの腕は丸太のように太かった。
マイクとギリギリハイタッチしながら
「こんな人達と戦争したって勝てっこないじゃん・・」
と第二次世界大戦を憂いた。

ライブ後、友人が
「耳切れた・・」
と言って、耳から血を流していた。
輪っかのピアスが引っ張られ、耳がちょっと切れたらしい。

モッシュの心得
・体力や足腰に自信がない人は参加しない
・わっかのピアスはもちろん、眼鏡や貴金属は外す
・爪伸ばしてるヤツは論外(入ってくんな)
・ヤバい、と思ったらすぐ横にハケる
・人気の曲の時は盛り上がりが倍になるので注意
・蹴られても、踏まれても、流血しても自己責任

上記を心得た上でモッシュへ参加していただきたい。

私はTシャツに足跡などが付いている程度で、蹴られたほっぺも大したことなく、無事だった。
友人は耳から流血しながら「いやーー最高だったね!」と言っていた。
大人気曲、Send Me Your Maney の時の盛り上がりはすごかった。(今更だが、何というタイトルか)

ボロボロのヨレヨレになった我々はご満悦で帰路についた。

モッシュピットイメージ図。ケガしても文句言うなよ。

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