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食べるという行為が嫌いだった

食べるという行為が嫌いだった。
いまは克服できていると思うが、昔はこの行為に嫌悪感を持っていた。

生々しすぎる。人類が猿だったころから何も変わっていない。

普段は理性で本能というか野性性を覆い隠しているのに、何かを食べるときは本能があらわになる。
(同じ理由で性的なものにも嫌悪感があった。)

いくら上品に食べようとも隠しきれていない気がした。

他人の食べる姿が気になり始め、それがエスカレートしていつの間にか人前でものを食べることができなくなった。

大学1年生くらいのころが一番ひどかった。

いわゆる会食恐怖症のようになり、そういう場では手が震えることがあったし、人とご飯に行くときなどはお腹が空いていないとウソをついてやりすごすこともあった。

このときは結構つらい思いをした記憶はあるのだけれどなぜ克服できたのか覚えていない。
(大学卒業時くらいには気にならなくなっていた)
覚えていれば同じことで悩む人にアドバイスもできたのだけれど。

人間の本能に対する嫌悪感が高じてそうなってしまったのだとすれば、きっと年を重ねるうちに人間の本能を受け入れることができたのかも。

時間が経てば、なんてあまりに価値のない話か。

ちなみにいまでも本能を隠しきれていない人間、つまり理性のない人間は大嫌いなのでその点は高校生くらいのときからブレていない。
そういう部分に折り合いがついたというか、過剰に反応しなくなった。
理性に期待しすぎるのもよくない。

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