【合唱曲】作詞 谷川俊太郎「信じる」
合唱祭のエピソード
その年、担任したクラスの合唱曲は「信じる」でした。
いろいろ練習しました。
昇降口の外に出て、青空の下に並んで歌ったこともありました。
歌詞の意味を考えることもしました。
「地雷をふんで…」という歌詞をどう表現するかを考えて議論もしました。
しかし、「信じる」は終盤の表現が難しい!
どうしてもテンポが速くなっちゃうんです。
何度も練習して、臨んだ本番当日!
全てのクラスの発表が終わり、結果発表の時間が訪れます。
私は、金賞だと思っていました。本当に上手だったんです。
アナウンスが響き渡りました。
結果は、
………………銀賞 でした。
『あぁそうか…』と思いました。そして、生徒たちがいる後ろを振り返ったのです。『きっとみんな悔しがっているだろう…』
そうしたら…
めちゃくちゃ喜んでいたんですよね!
心からの笑顔を浮かべてくれていたんです!
あとから聞いたのですが、自分たちのクラスは入賞できないと
練習の時からみんな思い込んでいたそうです。
涙からの学び。
その日の放課後、ずっと一緒に練習を見届けてくれていたある先生に「よかったですね!」と声をかけてもらいました。
お礼をしたあと、私が「ただ最後の部分が少し走っちゃいましたかね…」と反省を述べたとき、こう言ってくださったのでした。
「いいんですよ! あの子たちは、ああやって歌いたかったんだから☺」
もうホントね、
その優しい言葉を聞いたときに、涙が出ちゃったんですよね。
頭ではわかっていたつもりでした。でもいつの間にか、生徒に金賞を取らせることが担任の仕事だと思ってしまっていたのでした。
そのとき、私は改めて気づいたのです。金賞を目指すのは、どこまで行っても「目標」でしかなく
達成感を味わったり、音楽がもっと好きになったり、
仲間との想い出を作ったり、もっと上手に歌うにはどうすればいいかを話し合ったり、ぶつかったりしながら成長することが「目的」なのです。
クラスのメンバーは、ちゃんと合唱祭の「目的」を果たしていました。
あの年の「信じる」は、生徒を「信じる」ことの大切さや、生徒が「自信」を持つことの大切さを教えてくれたのでした。
学校行事が、生徒や教員にとって特別な時間になるのはこういった素晴らしい経験や学びを与えてくれるからなのだと思います。
皆さんの何かにお役に立てればと思い書かせていただきました。
最後までお読みいただきありがとうございます。
次回もお楽しみに!
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