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名著「君たちはどう生きるか」が教えてくれた大切なこと。

皆さんのまわりに、高校進学をしない選択をした人はいますか?
または、大学に進学しない選択をした人はいますか?

※高校等進学率は98.8%
(通信制を含めた令和2年度の進学率です。計算方法…高等学校等進学者/中学校等卒業者)

※大学(学部)進学率は58.9%
(令和3年度の進学率です。計算方法…大学(学部)の入学者/18歳人口(3年前の中学校・義務教育学校卒業者及び中等教育学校前期課程修了者))

https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/kaikaku/20210315-mxt_kouhou02-1.pdf

https://www.mext.go.jp/content/20211222-mxt_chousa01-000019664-1.pdf

私の意見は、「世間一般に言う”学歴”があれば経済的に一定の安心感は得られる反面、エスカレーターに乗るようにただ進学や就職をするだけだと…『人生もただこなしていく』だけの状態になりやすいから気を付けよう」です。

【「君たちはどう生きるか」吉野源三郎】×【22歳になった教え子】×【土曜日の洗車】= 今日の記事

土曜日のある日、3歳の息子と庭で遊んでいた流れから、私の車をめずらしく手で洗車をすることになりました。

車のホイールを掃除したあと、自分の右手を見ると爪の中まで泥とオイルの汚れが入り込んでいました。

そこで、思い出したのが…22歳になる初任校時代の生徒の話です。

その彼は、車の整備会社に勤めていて、エンジン回りを触るとどうしても手がオイルまみれになると教えてくれたことがありました。よく手を洗っても完全には落とせないそうです。

この二つの出来事とリンクしたのが、吉野源三郎さんが書いた本「君たちはどう生きるか」の一節です。

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若くして仕事を始めた人に対して「不幸な人々」「憐れな人々」「同情してやらなければならない人々」と見ていたらそれは間違いだ。世の中の人が生きていくために必要なものは全て、人の労働の産物であり、それらを生み出している側に早くからなっている人が立派でなくて何であるか!

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…というような具合に、主人公コペル君に対して論じる叔父さんの主張です。

苦労が多く、一般的に敬遠されがちな仕事というのは事実として存在していると思います。しかし、そういった仕事をしている人がいてこの世界が回っています。

そう考える、あるいはそういう考え方を知っていれば、仮に目の前に手や爪が汚れた人がいたとして、抱いてしまった嫌悪感を打ち消すことができると思いました。(※もちろん、衛生上の理由で、手を洗うようにお願いしたりすることがダメだということではないです)

中学校では、学年に200人くらい生徒がいるとそのうち数人、高校進学をしない生徒がいます。15,16歳で仕事を始めることに対して、経済的な心配をしてか「大丈夫なの?将来どうするの?」と声をかける教員が多いように思いますが、そこに「立派なことだぞ!頑張ってね!」と声をかける教員がもっといてもいいですよね?


誰もが自信をもって生きられる社会であってほしいと思うのです。

皆さんはどうお考えになりましたでしょうか。

お読みいただきありがとうございました。
中学校教員をしていた者のつぶやきでした。 kiyomi🍊

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