21歳。看板がやたらギラギラしていた居酒屋のアルバイトしてた頃の話。
21歳大学生。
私のバイト先の居酒屋は、看板が電飾でやたらギラギラしていた。
今日も新人のアルバイトが入ってきた。
大学を卒業してバイトを辞める先輩達が多いので、新たに募集をかけて、新人のアルバイトがたくさん入ってきている。
太ったフリーターの女の子。
初アルバイトのJK。
明らかにポンコツそうな大学生の男の子。
うーん、ちょっと頼りないけど大丈夫か。
とも思ったが、まぁなんとかお店はまわっていた。
基本的に暇なお店だったので特に問題なかった。
あんなに看板ギラギラしてるのに。
しかし12月、繁忙期だ。
大きめな宴会が入る。
しかもその日は新人多め。
看板のギラギラ、スイッチ切ってやろうかな。
あー、これは少しまずいか。
店長も新入社員だし、不安が募る。
営業が始まると、私は基本キッチンで揚げ場にいるのだけれど、新人達がよくわからないオーダーを取ってきたり、質問をしにくる。
ポンコツ大学生
「きよまるさん、きびだんご入ったんですけど、そんなメニューあるんすか?」
「きびだんご?ねぇよ、鬼退治でも行くの?」
「あれ、いやでもお客さん確実にきびだんごって言ってましたよ」
「なにそれ、ないよそんなん」
「いやでも、季節の串の中にあるって言ってましたけど」
「"きびなご"ね」
フリーター女の子
「いやー疲れましたぁ」
「3番卓呼んでるよ、行ってー」
「はーい、あー喉乾いたぁ、肉吸い飲みたい」
「デブすぎるだろ」
「あ、間違えた、お茶飲みたい」
初バイトJK
店長「え、てか今度休みの日どっか行こうよ、なんか買ってあげるよ!」
JK「キモっ」
店長「あ、お客さんきた、いらっしゃい!!」
JK「うるさっ」
いやセクハラはともかく元気いい挨拶はいいだろ。
そんなアルバイトも、大学卒業と同時に辞めた。
アルバイトの日々はそこそこ楽しい思い出だし、今でもたまに集まって飲めるような友人がたくさんできたのはよかった。
思えば自分もパチンコの確変が終わらず、何度も遅刻したし、発注忘れたり、クレーム入れられたりして迷惑かけたけど、アルバイトでの経験は今の社会人生活に役立っている気がする。
先日久々にお店の前を通ると、相変わらず、看板がギラギラしていた。
ちょうどそろそろきびなごの季節じゃないかな?
たまにはまたみんなで飲みにでも行こうか。