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今日の1冊(38) そこに幸あり②

今日の1冊は、

NHK長野放送局・編
内山二郎・監修
「そこに幸あり②」

オフィス エム


小学生の頃、毎年夏休みには 1ヶ月ほど長野に住む母方の祖父母に預けてられて過ごしていました。

私の夏の原風景には、長野の風景と祖父母の姿が切っても切れないものになっています。

毎年お盆には 長野に行って親族が集う事が多かったのですが…

今年はそうもいきません。

長野の祖父が載っているこの1冊を、久しぶりに手に取ってみました。


NHK長野放送局の朝の情報番組「おはよう信州」のシリーズ企画「そこに幸あり」から本になった第二集です。

長野県内在住の人生の達人を紹介する、というコンセプトで、

本には、当時祖父が出演した際のものが掲載されています。

まだ溌剌としていた祖父の写真と、記者の方の視点からの記事。

今読み返してみると、発刊された時とは違う 落ち着いた気持ちで振り返ることができました。

建具屋だった祖父の働く姿、木の匂いと仕事をしている作業の音…

ライフワークだった聖書研究のこと。(英語・ドイツ語・ギリシア語・ヘブライ語で読んでいたこと)

子供の頃は、それは 只々いつもの事…と思っていた、日々の祖父の姿が思い浮かびます。

戦前戦中戦後、大きく時代が変化する中を生きてきたその世代 そして祖父の姿の意味が、今なら少しわかるような気がします。

そして、その祖父からいつの間にか多大な影響を受けていたことも。

記者の方からの

「なぜ、(聖書の)原書にこだわるのですか?」の問いに、

「ラブレターをもらって自分が読めないで人に読んでもらう。翻訳の聖書を読むのはそれと同じ。どうせなら思いのたけが一杯に詰まったオリジナルのものを読みたい」と答えていました。

これは、私が音楽を感じ 楽譜を読み込む時にいつも念頭に置いていることと同じでした。

そして、生徒さんにも。

私はガイドとしているだけで、年頃関係なく 本人がダイレクトに受け取り 感じるもの、と考えています。

こんな風に、いつの間にか影響を受けていたのですね。


振り返ると、祖父には、初孫としても ずいぶん可愛がってもらっていたと、今ならわかります。

小学校入学祝いに、祖父が作った机が 当時住んでいた北海道まで送られてきました。

その重量感と送る手間を思うと、ただ事ではありません!

もっと言葉にして感謝を伝えておけば良かったなぁ…


いろいろ懐かしむ時間になりました。



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