
おそれながら、「音声プロデューサー」をさせていただきたく。 #Voicy参戦
30代に仲間入りしてからの、ここ数年。仕事をしながら、散歩をしながら、生まれたばかりの娘の子守りをしながら、ずっと耳元に一緒にあったのが、音声メディアの「Voicy(ボイシー)」でした。
そんな「Voicy」に、この2020年、自分もメンバーの1人として参戦することになりました。ほんと縁だなぁと思います。
自己紹介が遅れましたが、「きよいち(本名:堤 強一)」と申します。
この記事は、そんな音声業界に挑戦することに決めた自分の、決意表明の記事です。「こうやって僕は、音声を好きになっていきました」なんて思い出話を、仕事の経験をまじえながら、語らせていただきたいと思っています。
6000字近いボリュームになってしまったのですが、「業界ネタ」や「音声のエピソード」などは、多少面白いと思っていただけるんじゃないかなぁと。。
(そして、願わくば…、「いいじゃん!あんたと音声の仕事してみたいよ」なんて思ってもらえたら嬉しいなと、あわく思いつつ、書かせていただきます。)
「仕事」と「音声」の関わり (ゲーム系ベンチャー編)
いまから10年近く前にはなりますが、新卒で入らせていただいたのが、自分がもともと大好きだったゲームタイトルを出していた、地元 福岡のゲーム系ベンチャーでした。
この頃は成長欲求と好奇心だけで動いていて、いわゆる意識高い系のド真ん中をひたすらに走っていた感じ。。最初にゲーム業界を選んだのも、けっこう打算的なとこが大きくて…
「日本から世界も見据えるなら、オタク文化のゲームだ。届ける側としてもプロレベルでバリュー出せるようになりたい。自分の中にその視点を入れたい。」
「ゲームは、ITやエンタメといった、これからの肝になる要素が詰まっている。だからこそ、優秀な人もどんどん集まってきている。ここでまずは走りきろう。」
「ペーペーの頃からバリューを出すためにも、自分が惚れ込めるコンテンツを出しているところで働きたい。好きなものを仕事にするのが効率もいい。」
そんなことを考えてました。
若輩にもかかわらず、最初にまかせていただいたのが、「ナゾ解きゲーム」の広報宣伝 タイトル担当。
(配置決めの際、「昔からシャーロックホームズが大好きで、このナゾ解きゲームもずっとやってて…!」なんて話をしたことから、
「だったらお前やっていいよ」、とまかせてもらえた感じで、今考えてもすごく配慮してもらえていたな、、と思います。)
具体的な仕事内容としては、PRの進行、対外交渉、イベントの運営、宣伝映像の絵コンテ作成、仮ナレーションの声入れ、ゲーム内イベントの撮影など、ゲーム開発以外のことを「作品のためならなんでもやる」役割といった感じです。
当時はタイトルごとに1人〜2人ずつで担当してたので、ほんと「作戦名:ガンガン、かつ、いろいろやろうぜ」って状態でした。
社会人なりたてのこの頃は、基本的な仕事道具の使い方も分かってなく。。
例えば、ゲーム会社ではイラストデータをあつかうことも多いのですが、「フォトショとイラストレーターの違いとは…」「解像度、ピクセルってなに?」ってくらいで、、、
「まずは、実際に作ってみながら勉強しよう!」と、本とにらめっこしながら、へたくそなりに家で描いたりもしてました。そのときの1つを、いまもSNSのアイコンとして使ってます(担当作品にも関連したシャーロッキアンのモチーフ)
その後、ハードワークにくらいつきながら、2年ほど経ち、「ナゾ解きゲーム」のタイトル担当にも慣れてきたくらいの時期。
社内で「新しいタイトルとして、子供たち向けに妖怪を友だちにするゲームやるぞ!」となって、
速攻で「担当やりたいっす!」と手を上げて、そのタイトルのアニメや玩具などのクロスメディアの企画もまかせてもらえるようになり、そこから4年。
こちらが世の中的に、すごく人気になっていったのですが…
🎮 🎮 🎮
本題からズレるので、この話はいったんストップして、「ゲーム会社と音」の思い出を振り返ってみたいと思います。
まず最初に、強く思ったのが、クリエイターの方々の「音に対するこだわり」。ゲーム内BGMは、世界観や登場シーンにあわせて、ベストなものを作り上げ、入れ込みの際には「秒単位」で盛り上がりを調整。
プロモーション用の映像では「もっとワクワクする感じにできないかな?」と、差し込むキャラクターのセリフひとつ、効果音の強弱までこだわりぬき、
PR用映像の制作過程でも、違和感を感じれば、「ゲーム内容から変えることもいとわない」。そんな、プロの仕事がそこにはありました。
社会人数年目の当時は「力になれてない感じがする」「ふがいないなぁ」と思うことも多かったのですが、
すごく気にかけて面倒をみてくれていた、アートディレクターの方から、
「感性は、理論と量で磨くものだ」
と、実地でたたきこまれて、だんだんと、少しずつ自分も理解できるようになっていきました。
(最後のやりとり、すごく綺麗に言いましたが、実際は「もっと勉強してこい」「ここに、このカットを入れたいと思った理由が説明できないなら、思考量が足りてないから帰れ」と、厳しく教えてもらいました。
同僚からは「おまえだけめちゃくちゃ言われるなー」なんて言われたりもしてましたが、いまでもほんと感謝してます。)
「エンタメの世界」でのクリエイティブに対する覚悟を、実感を持って知ることができた気がしています。
📺 🤖 👾
【音声のちょっとした思い出】
この当時は、オーディオブックにどっぷりハマってました。社会人数年目で知らないことばかりだったので、「ぐぬぬ、なんとか、インプット量もっと増やさねば…!」と、
左手でゲームのデバックをしながら、目と右手で作業的な仕事しながら、耳でオーディオブック聞く、みたいなこともよくやってました。
🎮 🎧 📧
「仕事」と「音声」の関わり (旅系ベンチャー編)
ゲーム会社で計6年、山あり谷ありエキサイティングな経験をさせていただいた後、自分の中の視野をもっと広げたいと思い、
人の縁で転職して、鎌倉の旅系ベンチャーに参戦させていただきました。それが今から3年ほど前のことです。
事業としては、「旅を通じて、世界中の人たちを友だちに」をテーマに、外国から日本を訪れた旅人の方むけに、観光案内所や、観光ガイドのマッチングサービス、地域PRをおこなっていました。
入った当初は、初日から半年間、別府に飛んで、地元の方々と一緒にプロジェクト進めたりと、まったく違う業界に慣れるのが大変でしたが、
こちらでも、広報宣伝の仕事を引き続きまかせていただきつつ、業務の比重としては、プロジェクトごとのチーム構築や全体調整をおこなう「ディレクター」的な立ち位置で入ることが多くなっていきました。
会社自体が、ベンチャーなので仕事があふれていたからというのもありますが、当時、次の仕事に一番求めていたのが、
広報宣伝だけじゃなくて、制作やプロダクトのクリエイティブまで責任持って、チームにとって一番よい形になるように、
「全体最適」がより深くできるように動きたい
ということだったので、やりたかった領域まかせてもらっていたなと感じています。
その中のプロジェクトのひとつが、「Voicyでの企業チャンネル放送」。
メインパーソナリティとして、ラジオが大好きだった大学生インターンの子に立ってもらいつつ、音声好きなメンバーと一緒に、サービスのユーザーさんも巻き込ませていただきながら、ちょうど「1年間」放送させてもらいました。
とくに「ユーザーの方へのインタビュー」企画では、視聴者の方から「聞いてるだけで、楽しさが伝わってきました」と言っていただけたりと、
「声だからこそ、想いのところまでしっかり伝わる」ということを、あらためて感じました。チームでも、実際「やってて楽しいよね」とよく話してました。
💼 🎫 🛩
【音声のちょっとした思い出】
Voicy自体にハマったのも、そんな「想いがしっかり伝わる」というところが面白いと思ったからでした。
2年ほど前、最初に聴き始めたのが、作り手側の方々がパーソナリティをされている、Voicyメンバーの「社外報」、デザイナーハルカナさんの「今夜も眠れるギークな話」、ベンチャー支援家Kさんの「ベンチャーニュースで言いたい放題」という、3つのチャンネル。
チャンネル作りの過程での試行錯誤を「あーでもない、こーでもない」と話しているとこ含めて、楽しく聞かせてもらってました。
🖥 🎧 🛠
「コミュニティ」の入り口としての「音声」
「企業チャンネル」の放送開始と、同じくらいのころ。
Voicyにハマったきっかけのひとつだった、「ベンチャー ニュースで言いたい放題」のチャンネルのクローズドコミュニティにも参加するようになりました。
コミュニティ名は「秘密結社Kサロン」というちょっとあやしげな名称で、「どんなことをやってる組織なんだろう…」って感じなのですが、
コミュニティの中では、お互いの事業の相談にのったり、ベンチャーやビジネスのことをいろいろと議論したり、けっこう現実的なことをしています。
その一部を、放送部がVoicyチャンネルで発信もしていて、自分も一時期、放送部メンバーとして、発信させていただいてました。
最近では、「サロン内起業」プロジェクトといったものが動いていて、自分もがっつり、メンバーとして事業作りさせてもらってます。もう少し形になってきたら、外部にも公開できるようになりそうです。
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そんないろいろと縁があった「Voicy」。
自分自身、音声の可能性もすごく感じていて、ほんとに大好きなサービスで、お話させていただいたチームメンバーの方々も想いのある方々ばかりだなぁ
と思うのですが、「まだまだやりたいことの数パーセントもやれてない」というのが、代表の緒方さんがよく言われているところで…
Voicyはめっちゃ赤字ですw
— 緒方憲太郎(Voicy代表) (@ogatakentaro) January 23, 2020
「良いもの作れば、喜ぶ人ができて、いつかちゃんとビジネスになるから投資してくれ!」っていって投資家からお金集めてますw
なので、いつかちゃんとビジネスにする必要があります。
それまではユーザーさんと一緒に大きく成長させる必要があるので、応援お願いします。 https://t.co/T6WcG6LX0V
「…でしたら、よければ一緒にやらせてもらえないでしょうか」
と、相談。
ここまで、Voicyとは、リスナー、チャンネルのコミュニティメンバー、ビジネス的な取引先、いろいろな立場で関わらせてもらっていたのですが、今度は「チームメンバー」として、一緒に走らせていただくことになったのでした。
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「チーム」で作り、「チーム」で届けるということ
「音声」で、自分が大きく影響を受けたもののひとつに、大学生のころから、10年以上ずっと聴き続けているポッドキャストで、「ジブリ汗まみれ」という番組があります。
クリエイターの方が多い業界では有名な番組だと思うのですが、個人的にもすごく尊敬している、ジブリ映画のプロデューサー「鈴木敏夫(すずきとしお)さん」がパーソナリティをされている音声番組です。
語られてる内容が勉強になるのはもちろんなのですが、なにより、聴いているだけで感じられるのが、
クリエイターの方々への「信頼」と「尊敬」があること
監督の宮崎駿さんや、高畑勲さんのことを話すときなんて、すごく楽しそうに語られるんですよね。
とくに今でも覚えているのが、早稲田大学での講演を収録した放送回。
2013年の放送とけっこう前ではあるのですが、自分が社会人3年目に入り、「やれること」が増えたからこそ感じていた、「クリエイティブとビジネス」の関係について語られていました。
以下、放送内容の一部を、意訳してまとめます。
※鈴木敏夫さんがほかで話されていることと合わせて、言葉をまとめてしまっているので、加工が入っていること、ご了承ください。
ビジネスとして儲かるから作るなんてことは絶対にしない。
ただ、クリエイターが作りたいものを無作為に作るということもしない。
「ジブリというチームで何を作るのが、いま一番いいのか。」と考えて、そのときに作るべきだと思うものを作り、世の中に届けている。
※超意訳
これがジブリにおける、「チームでクリエイティブを作る」ということなんだなぁと思ったことを覚えています。
※下記がその放送回、「講演名:プロデューサー特論」です。まだ聴いたことがない方は、ぜひ聴いてみてください。
そんな「チームになれる仕事」を、Voicyのチームメンバーの方々とはもちろん、パーソナリティや、企業の方々、リスナーの方々とも、一緒にやっていけたらなと思っています。
👒 🌽 🐈
「音声」で面白いことがしたい方、ビジネスをしたい方へ
3〜4年前までは、「音声」といえば、ラジオか、オーディオブック、ポッドキャストくらいでしたが、
ここ1〜2年で、Voicyだけでなく、Spotify、Audible、YouTubeの音声視聴など、サービス面の広がりが出てきたように感じています。ハード面でも、AIスピーカー、AirPodsなどが、少しずつ普及してきてますよね。
ただ、「発信側」で考えると、「音声」はまだまだチーム構築も、ビジネス面も、発展途上で、
「音声の発信がしたい」「音声で何か面白いことがしたい」「音声でビジネス的な連携がしたい」と思っても、「何からはじめたらいいんだろう」と思ってしまう方も多い状況なのではないかと。。
だからこそ、
「よかったら、音声のこと、一緒に考えませんか?」
そんな想いで、この記事を書かせていただきました。
音楽の世界では、「音楽プロデューサー」の方がアーティストさんや、企業のことをめちゃくちゃ考えて、チーム構築や、ファンの方とのコミュニケーション、ビジネス交渉を手助けしているように、
音声の世界の「音声プロデューサー」として、「パーソナリティ」「リスナー」「企業」、関わる人たち、全員がハッピーになるように、全力で手助けさせていただけないかと。
自分自身、音声以外の業界からきたからこそ、「音声を掛け合わせた〇〇」の可能性がめちゃくちゃありそうだなと感じていて、
まだ影も形も、ましてや音にもなっていない、いろんな面白いことができそうな気がしています。
まだまだこれからの音声業界、日々勉強中の若輩者ではございますが、ぜひよろしくお願いいたします。
もし興味持ってくださったら、Voicyのお問い合わせ窓口からご連絡いただくか、直接TwitterのDMまでご連絡ください。ビジネス関連も、音声使った面白い連携も、ディスカッションレベルのところから、一緒に考えさせていただけると嬉しいです。