貨物列車の先頭機関車は、すべての貨車を引いて走り出す力が無い

　僕が昔、JR貨物の運転手さんから聞いた話があります。
貨物列車の先頭の機関車は、後ろに通常20～30両の
貨車を引いて走ります。

アメリカ大陸の機関車は、平野部では何キロメートルもある
100両以上の貨車を引く事もあると言います。
総重量は、相当な物で、機関車の怪力さに驚きます。
しかし、意外な事に、先頭の機関車は、停止状態から、
たった20両の重さを引いて走り出す力を持っていないのだそうです。

では、どうして貨物列車は走りだせるのかというと。
あの不思議な連結部の形に秘密があります。
すべての連結部には1～2センチの遊びや隙間があり、
走り始める時、前から順番に連続して
ガチャガチャと連結器が繋がる音がするはずです。

まず、先頭車が2番目を引く時、2両目が隙間の分だけ
わずかに先頭車を押す事になります。
同じ原理で3，4，5と連続で順番に前車を押すため、
最終的にすべての車両が順番についてきて
走り出す事が出来るそうです。
貨車列車がもし1本の棒のようにがっちりと繋がっていたら、
機関車はまったく走り出す事が出来ません。

僕たちの生活や仕事も、目標を持って、
まず、目の前の小さな事を、ひとつずつ淡々とこなしていく事が、
やがて大きな事を成し遂げる結果になるように思います。